とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

劇評『メトロポリス』(11月12日シアターコクーン)

2016-11-13 07:52:13 | 演劇
 演出 串田和美
 出演 松たか子、森山未來、他。

 森山未來の身体表現がすばらしい。また、松たか子の歌もいい。しかし舞台作品としては、私としては理解しがたいものであった。

 テーマは分かりやすい。「心」である。文明的な大都会の機械に支配している近未来都市で「心」を取り戻そうとする話だ。このようなわかりやすいテーマでありながら、何を表現しようとしているのかわからないのだ。

 要素はいろいろあると思う。あれだけセリフが多いのにマイクを使ってだれがしゃべっているのかわからなくなる点。そのため会話になっていない点。動く装置で舞台転換をしているおもしろさがありながら、その舞台がどこなのかが、最初から最後までわからない点。様々な点で処理がまだできていないのだ。準備不足だったのではないだろうか。

 関係者は一生懸命準備をしてきたのだろう。現場のスタッフ、キャストの努力には拍手を送る。しかしチケットは高額なのである。その高額のチケットに見合うものでなければ、しっかりと批判すべきなのではないだろうか。

 個人的な意見でブログで批判するのはいけないことかもしれないが、なんでもかんでもほめるという最近の傾向はどうなのかと思う。
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20161111 書評『嫌われる勇気』

2016-11-12 08:40:42 | 読書
 新幹線の中で『嫌われる勇気』を読んでいました。アドラー心理学の本です。私も怒りっぽいし、対人関係を気にするタイプなので、今後の人生に参考になる本です。

 この本ではアドラー心理学を分かりやすく説明しています。

  ・感情は過去に原因するのではなく、今の目的のために生じるものだ。
  ・「すべての悩みは対人関係の悩み」である。
  ・人間の怒りは他者との関係によりねつ造さてたものだ。
  ・劣等感は主観的な思い込み。
  ・自分と他者を分離して、他者の課題を切り捨て、自分の課題だけを考えよ。
  ・そのうえで自分が世界の中心ではないと考えよ。

 簡単なまとめであるが、以上のようなことが書かれてある。断片的には自分でも考えているところであり、目新しいということではない。しかし人間の悩みの本質をついている。そして自分を解放させる方向を示唆している。

 最近「マインドフルネス」が注目されている。自分を見つめることにより、心を落ち着けることができる。

 自分を見つめ、自分の力で自分を再生させる。アドラー心理学についてもっと勉強していきたい。
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トランプ大統領の誕生

2016-11-10 08:56:43 | 政治
 トランプ氏が大統領選挙に勝利した。他の国のことなので本来どうでもいいことなのだが、やはり考えることがあるので書き残しておきたい。

 1点目。やはり差別的な発言は許しがたいし、それを許容してしまったアメリカ国民に失望した。大国のトップがあんな発言をして許されるということがあってはならないはずだ。選挙向けだったとか、閉塞した社会状況を打破するとか言う人がいるが、一民間人の言論の自由とは違うレベルだということを指摘しておきたい。

 2点目。トランプ氏は動きのとれなくなったアメリカの政治に対して攻撃を仕掛けたので支持されたものと思われる。これは日本が民主党政権になったときと似ている。経済界と官僚と政治家の癒着で何も変えることができなかった自民党政権が倒れ、民主党に何かを変えてくれるのではないかと、あの時日本人は期待したのだ。しかし結果的には何も変えられなかった。それどころか混乱を広めただけであった。今回もアメリカ人も何かを変えてくれるのではないかと期待しているのであろうが、そう簡単に変えられるとは思われない。ただし、その評価は結果を見てからの話である。

 3点目。大きな目で見れば急速なグローバル化にブレーキをかける大統領である。これはヨーロッパの流れとも一致する。グローバル化は必然化もしれないが、急速なグローバル化は大きな混乱をもたらす危険性が高いし、すでに中東での混乱はそれを示している。その意味では意義がある可能性はある。

 いずれにしてもしっかりとしたブレーンが必要であるし、国家を自分だけのものにしてもらいたくない。決断力、実行力も必要だが、総合的な判断力も必要である。世の中を良い方向に変えてくる大統領になることを期待したい。というよりもそういう大統領になるようにお願いしたい。

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チェーホフの『かもめ』

2016-11-08 15:27:29 | 演劇
 チェーホフの『かもめ』は気になる作品です。今まで一度もおもしろいと思ったことはありません。しかしどこか引っかかる。この作品のなぞを解きたいと思い、何度も見てしまう。しかしやっぱりつまらない。この繰り返しでした。

 何が気になるのか。第1幕の劇中劇がまず気になる。そこに登場するのは若くて意欲的な前衛「劇中劇」です。このような前衛劇は今でもあるし、見方を少し変えればロックであったり、ヒップホップであったりとも考えられます。新しものを表現したいというエネルギーとそれが理解できない古い世代との対立が私は気になるのです。

 都会と田舎の対比も気になります。田舎は退屈でつまらなく、人のうわさばかりでいやなところです。しかし、都会は人を狂わせます。都会の場面はないのですが、都会と田舎がが描かれていて、そこがやはり今の私たちの状況と似ているような気がします。

 そして「かもめ」と「女優」の象徴性です。この謎が何を示しているのか、どうしても謎を解いてみたくなるのです。

 こんなにわからない作品がなぜ未だに上演され続けるのか。どうしても知りたい。今週末、何度目かの観劇です。
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『真田丸』のオープニング映像

2016-11-07 09:50:45 | TV
 いつものように『真田丸』を録画して見ていた。オープニング映像が長くて面倒くさいので、いつものようにリモコンの30秒送りを5回押し、2分半先送りして視聴し始めた。いつもならまだ音楽が流れ、有働さんのナレーションになるのだが、すでに本編が始まっていす。その時にいつもと違うなと思うべきだったのだが、まあこんなこともあるのか程度で普通に見ていた。すると最後の場面で大阪城の出城が完成し、その名を問われた真田幸村が、

「決まっているだろう、真田丸よ。」

と言う。そしてその直後にタイトルバックとなった。

 これにはやられた。さすがだ。カッコいいエンディングだった。いよいよ『真田丸』の晴れ舞台。日常から非日常へ、クライマックスへという大きなドラマの展開を見事に表現していた。

 その後、もう一度最初にもどって最初を見直したのはちょっとした敗北感だった。

 それにしてもオープニングのタイトルバックが2分半というのは長すぎる。といまさら言うのは負け惜しみなのでやめておこくしかない。
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