とにかく書いておかないと

すぐに忘れてしまうことを、書き残しておきます。

『君が人生の時』(6月23日 新国立劇場中劇場)

2017-06-26 12:12:47 | 演劇
[作]ウィリアム・サローヤン
[演出]宮田慶子
[出演]坂本昌行 / 野々すみ花 / 丸山智己 / 橋本淳 / 下総源太朗 / 沢田冬樹 / 中山祐一朗 / 石橋徹郎 / 枝元萌 / 瀬戸さおり / 渋谷はるか / RON×II / かみむら周平 / 林田航平 / 野坂弘 / 二木咲子 / 永澤洋 / 寺内淳志 / 坂川慶成 / 永田涼 / 一柳みる / 篠塚勝 / 原金太郎 / 木場勝己

 宮田慶子さんの演出作品を一度見てみたいと思い、やっと念願かなって見ることができました。坂本昌行さん人気なのだと思いますが、チケットの売り上げがよく、ようやくとれたチケットでした。観客は女性が9割。ジャニーズってすごいと改めて感じました。

 とてもすばらしい芝居でした。正直言って前半は眠気が襲ってきました。登場人物が多くそれぞれの人物が平等に描かれて行くので、どうしても作品世界に入り込むまで時間がかかってしまうからです。どの人物も状況におしつぶされそうになりながらまじめで一生懸命に生きようとしています。それがじんわりと伝わってきます。

 後半はドラマが動き始めます。横暴な権力者が、正義の名のもとに死で生きている庶民に対して横暴なふるまいをします。必死で生きている人々は必至であるがためにどこかに傷を抱えている。だから権力者の言う「正義」に反抗できない。もの言えぬ時代の中で重苦しい空気が流れます。

 「拳銃」が重要な記号となり、それがどこで撃たれるのかを観客は待ちます。

 物語は終わるのですが、人生の賛歌と、人生の苦しさがあとに残ります。

 前半からじっくりと丁寧に人々を描いているので、後半の展開は、話の筋を追うだけでなく、登場人物の気持ちに寄り添うことができます。だからこそ心にしみてきます。いい芝居を見せていただきました。

 最近の日本の状況も「言いたいことが言えな」くなっているような感じがします。この芝居はそんな日本の現状への批判にもなっています。このままいけば戦時中と同じようにもの言えぬままに悲劇に突入してしまう。時代も国も違いながら、警鐘を鳴らす芝居だと感じました。
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