新興の参政党が大人気であるようだ。最近の選挙はSNSで目立った方が勝つという、一時的なブームで高得票を得るケースが多く、その意味では参政党ブームも一時的なものであり、長い目で見ればほっとけばいいのは明らかだ。石丸なんとかさんなんて、「あの人は今」扱いになってしまっている。
問題は参政党が掲げる「日本人ファースト」である。この言葉、不思議なことになっている。そもそもほとんどの日本人は「日本人ファースト」と言って良い。日本人である限り、日本人に肩入れするのは「当たり前」であり、無理に外国人に肩入れする人なんかそれほどいない。
しかし、参政党は「日本人ファースト」であるから、外国人を排除しよという方向に議論がすすんでいる。そこに違和感を覚える。参政党の言っていることは日本人ファーストだから、外国人を日本から追い出せという趣旨なのである。これは論理が捻じ曲げられていると言って良い。
特に最近の保守勢力は、中国や韓国、北朝鮮に対する非難、中傷が行き過ぎている。確かにそれらの国々の言動に腹が立つ事はある。しかし、それは歴史的なことから起きる必然であり、行き過ぎた言論に対しては冷静に反論すればいい。中国等への敵愾心をあおって自己の利益に誘導していくのは、感心しない。
そもそも移民は労働力不足の現在の日本において必要であろう。移民を増やそうと言う現代の方針に異論があるならば、納得できる対案をしめすべきである。それができていない。
確かに外国人による犯罪も増えてきていて、日本の治安に不安を覚えることもある。しかし留学生や技能実習生を見ていると、ほとんどが家族のために日本で真面目に働いてお金を仕送りしたいと考えている。その純粋さは私が子どものころ真面目に働いていた日本の若者のようである。
「日本人ファースト」という言葉は、日本人の尊厳を表す言葉であるべきだ。それは他者を貶めるためにあってはならない。他者と共存して、日本人の良さを広めるという意味で用いる言葉であるべきだと思う。
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