大学生協の書籍購買部で本を見てたらこれを見つけてビックリしました。
なんと本多孝好の 『at Home』 が映画化されるそうですっ
と言われても、たぶんこの本そんなに有名じゃないと思うので、
フツーの皆さんはハァ?って感じかもしれませんが、ぼく的には大ニュースです。
ぼく自身、この本のこともこの作家さんのこともまったく知りませんでした。
私がよくこのブログの中で、血の繋がっていない親子もののお話が大好き、
と書いてるのを読んだ読者の方がこれいいですよと薦めてくれて初めて知りました。
読んでみたところみごとにどストライクでした。
4本の短編が収録されており、どれも擬似家族を扱った作品ばかりですが、
やはり巻頭を飾る表題作が群を抜いて秀逸です。
ちんけな空き巣の父親、ちんけな結婚詐欺師の母親、ちんけな偽造屋の長男、
母に代わって主婦役を務める中学生の長女、引きこもりゲーマー小学生の次男。
これだけでも十分に壊れた家族ですが、彼らはそれ以上の秘密を抱えているのです。
いいなあ。
とても好きな作品で、もう何度読み返したかわかりませんが、
しかしまさかこれが映画化されるとは思っていませんでした。
家族の物語ですし、そんなに派手な作品じゃないんですよ。
文庫本の4分の1の分量しかないから、それほど多くのエピソードが描かれてるわけじゃないし。
これをどうやって2時間の映画として見せるんだろう?
しかも竹野内豊が主演って?
お母さん役の松雪泰子はまあいい人選だなと思うんですが、
お父さんをそんなにカッコよくしてどうする? って感じです。
原作を読んだかぎりチビ・デブ・ハゲのお父さんを勝手に想像していました。
だって物語の冒頭、仕事から帰ってきて最初のセリフが 「あー、ちかれた、ちかれた」 ですよ。
竹野内豊にこのセリフ言わせる?
ぼくのイメージとしては、ちょっと歳取りすぎてるかもしれないけど、高橋克実みたいな人。
(お父さんは45歳、高橋克実は53歳、竹野内豊は43歳)
ふだんは情けないけど家族を守るためなら底力を発揮する人。
でもそれはアクション系のカッコよさというわけではない。
そういう人を竹野内豊でどう演じさせようというのでしょうか?
ホントに地味~なお話なんだけどなあ。
まあ、お手並み拝見といきたいと思います。
『ポテチ』 みたいな味のある映画になってくれるといいんだけどな。
(『ポテチ』 ってキリン絡みでしか取り上げてないけど、あれも血の繋がらない親子ものだよなあ)
来年公開予定だそうです。
楽しみというよりは不安や心配のほうが今のところ勝っているんですが、
(しかも小説読んでからの映画だし…)
これは下馬評や当たり外れに関係なく劇場に見に行っちゃうだろうな。
私の不安を払拭してくれるような佳作に仕上がってくれますように。