本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

小説048 : reProfesional#120

2008-11-08 01:57:08 | reProfesional
chapter#48 離別

統一への恐怖感。その構造を解き明かしていくと、ボク達の中にある総合体としての自分へのノスタルジーがあるといえる。自分には何かが欠けている。
ボクには、愛するアナタがいないという状態で、今ここに存在するボクは不完全である。
年を重ねるということ、成長をしていくということは、いいかえると、一人で生きていくという可能性を大きく削いでいくことでもある。
未完成の人生のうちおける状態は、完成への試みという点で希望に満ちている。
ボクは、過去に自分がアンドロギュノス(人間としての完成形)であった時代の自分をアナタに出会うこと、アナタと触れ合うこと、アナタの存在で、取り戻したと思っています。
人生における社会的成功、自己の実現という観点では、まだまだ完成へのノスタルジー、永遠におそらく完成を許さない、絶対的な意志により、希望に満ち溢れています。
アナタは、けっして、まだ見ぬアナタではありません。アナタはワタシを完成させるという意味において、ワタシのすべて。

一度完成を人生のたった一部分においてですら、見てしまった人間ほど不幸なものはない。完成の後に待ち受けるのは、完成が崩れる自己崩壊、アンドロギュノスがまた惨めな単体へと引き裂かれるのではないかという恐怖だけなのですから。

どうか、ワタシから、去らないで下さい。アナタのやわらかい声、やわかい手、あたたかい声。すべてがワタシを完成させる要素であり、ワタシは、アナタにとっても、アンドロギュノスであると信じたい。

自己崩壊への媒介としての依存。依存という言葉が使われる以上、ボク等はそれが、どちらかというと倫理的に好ましくないなにかを伴うということを知っている。好ましくないと知っていながら、精神を安定させるためには、あるていどの自己崩壊的行為を絶えず、経由しないと安定できないという一種の精神病のようなワタシ。

ボクは、アナタといることで、安定した本当の自己の一部を維持できるのではないかと思っています。


~ いま、そこにいるアナタへの弁明 ~

人間て本当に醜いし、不十分な存在だと思う。だからこそ、健気だし、美しさを感じるという機能も持っているんだね。
 遠き、自我の彼岸に見るジブンという理想。
 アナタと、ワタシというアンドロギュノスへの憧れ。
 ボクは、アナタをワタシの欠けた部分とおもえることに、
 この上ない幸福をいつも感じています。
 愛しています。
 ワタシに美しき、統一をもたらしてくれるアナタ。
 いま、こうやってアナタを失う絶望を胸に抱き、
 早く、ずっとアナタと永久にともにいられるそのときを
 ワタシは深く望んでいます。
 淡い希望などというものをボクはもっているものではありません。
 つよく、アナタとひとつになれることを望んでいます。」

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