本の読み方の設計図。

本の構造を明らかにしていく。
論拠・主張

論証=事例、引用。

小説047 : reProfesional#119

2008-11-07 01:22:51 | reProfesional
chapter#47 自己崩壊

自己の崩壊はある程度の依存誘発媒介を通して完成される。
自己の統一を図るということ、自己の統一を試みるということが、前章で見たように、一種のリスクを伴うという点から考えてみても、自己をある程度定期的に意図的に、崩壊させることが出来るという機能は、ある程度健全に生きるための不健全な健全な機能としてわれわれ、人間に備わっているのだと思う。
自己を統一することへの漠然とした恐怖感。
自己を統一してしまっては、そこに事故の終焉があるのではないかという恐怖が、われわれを一種の自己崩壊の軽い試みとして、試される。
ボクは思う、人というのは、ただ安定だけを求めて生きているのではないということを。
時に、自分の心を傷つけるために、ただ身体のキズだけでは耐えられなくなることがある。

崩壊を一番簡単に支えてくれる媒介、それが、依存という形態であろう。
セックス、麻薬、犯罪、心理的呵責を伴う一連の行為。
ボクたちは安定の殻の逃避願望と安定への強い願望の混沌とした感情の中から、依存を求める。依存は、一時的快楽の後に、小さな死が最初は訪れ、それが継続的な依存症へとなると、本当の死へと導かれていく。

ボクたちは、いずれ死ぬということを人生のあるタイミングを通して身に着けるようになる。だからこそ、間接的なカタチでのし、ダイレクトな死というカタチを希釈した形での死というのを依存誘発行為の中に求める。
依存の中に、没落し、忘我の境地、エクスタシーの中に身をうずくめるという行為。ボクたちはある程度おろかな存在ではあるが、依存には、セットで、精神的呵責がともなうということもどことなく感じ取っている。
忘我の後の精神的呵責、身体的崩壊。
安定を避けようとして、本心では、安定を求めているにもかかわらず、結果としては、一時的崩壊をうっすらと求めるという自己矛盾。

生きていくということは、意味を強制的に追い求めるということ。崩壊への夕暮れは、意味という呪縛からの開放への希薄な願望から、ボク等の真理に訪れる自助作用。

本当におろかになれない人間だからこそ、こういう本当におろかな境地に身を置くという利口な手段を持ったおろかな人間。

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