がん(骨肉腫)闘病記

抗がん剤治療、放射線治療、人工関節置換手術、MRSA感染、身体障害者となっての生活の記録を残します。

一体読売は何をどうしたいのかね

2007年11月19日 | Weblog
2007年11月19日 11時07分記載

本日の読売新聞朝刊の1面・2面では本ブログでも紹介した佐々木毅先生の文章が掲載されている。

佐々木先生は本ブログ11月8日掲載記事でも紹介した「現下の政治情勢に対する緊急提言」(新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)公表 参照URL http://www.secj.jp/ )と同内容のことを仰っている。当たり前である。佐々木先生ほどの人が11月6日に言ったばかりのことを翻すはずはないのだから。



読売新聞記者も馬鹿じゃなければ自分の会社の社説で言ってきたことと、佐々木毅先生の言説とが殆どの面で異なることはわかるはずである。一体何をどうしたいのだろう。さっぱりわからない。完全に自己矛盾、論理破綻、支離滅裂である。



大連立を押し進めたいならそれで一貫しなよ。現在の国会の状態について民主党に責任があるというならそう一貫して主張し続けなよ。佐々木先生は全然そんなこと言ってないよね?


わけがわからないね、読売新聞という会社、主筆、政治部記者。(本音を言うと読売がしたいことはわかるんだけどね。佐々木毅という政治学の最高権威を利用して、衆院での3分の2条項を与党に使いやすいように環境整備してるんだよね。佐々木先生の一番言いたいことはそこじゃないの知ってて。汚いやり方するよね。)

涜職の罪2

2007年11月19日 | Weblog
2007年11月19日 10時03分記載

10月31日に続いて、涜職の罪について記したいと思う。(涜職の罪は言葉の変遷を経て現在では汚職の罪と呼ばれている。これでは汚い職となってしまう、と個人的には甚だ違和感を感じている。従って、本ブログでは涜職の罪と呼称する。なお、涜職の罪には贈収賄の他に公務員職権濫用罪、特別公務員職権濫用罪、特別公務員暴行陵虐罪、特別公務員職権濫用等致死傷罪がある。)



まず、法がどのように規定しているのかを紹介する。(本記事では刑法上の贈収賄について記載するが、他の法律で特別に贈収賄が罪として処罰される場合もある。)




刑法197条(収賄、受託収賄及び事前収賄)
 公務員が、その職務に関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。この場合において、請託を受けたときは、七年以下の懲役に処する。

2 公務員になろうとする者が、その担当すべき職務に関し、請託を受けて、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、公務員となった場合において、五年以下の懲役に処する。



197条の2(第三者供賄)
 公務員が、その職務に関し、請託を受けて、第三者に賄賂を供与させ、又はその供与の要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。



197条の3(加重収賄及び事後収賄)
 公務員が前二条の罪を犯し、よって不正な行為をし、又は相当の行為をしなかったときは、一年以上の有期懲役に処する。

2 公務員が、その職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、若しくはその要求若しくは約束をし、又は第三者にこれを供与させ、若しくはその供与の要求若しくは約束をしたときも、前項と同様とする。

3 公務員であった者が、その在職中に請託を受けて職務上不正な行為をしたこと又は相当の行為をしなかったことに関し、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。



197条の4(あっせん収賄)
 公務員が請託を受け、他の公務員に職務上不正な行為をさせるように、又は相当の行為をさせないようにあっせんをすること又はしたことの報酬として、賄賂を収受し、又はその要求若しくは約束をしたときは、五年以下の懲役に処する。



197条の5(没収及び追徴)
 犯人又は情を知った第三者が収受した賄賂は、没収する。その全部又は一部を没収することができないときは、その価額を追徴する。



198条(贈賄)
 第百九十七条から第百九十七条の四までに規定する賄賂を供与し、又はその申込み若しくは約束をした者は、三年以下の懲役又は二百五十万円以下の罰金に処する。


次に、収賄罪に関する主だった判例を紹介する。


1)最高裁判決昭和37・5・29:「職務」とは、当該公務員の一般的な職務権限に属する事務であれば足り、本人が具体的に担当している事務である必要はない。



2)最高裁決定昭和31・7・12:公務員が法令上管掌する職務のみならず、その職務に密接に関連するいわば準職務行為又は事実上所管する職務行為に関して賄賂を収受しても、本罪は成立する。

3)最高裁決定昭和28・4・25:公務員が転職後、前の職務に関して賄賂を収受するとき、収受当時いやしくも公務員である以上は収賄罪を構成し、賄賂に関する職務を現に担任することを要しない。



4)大審院判決大正5・6・13:収賄罪は、公務員又は仲裁人が職務上の行為につき報酬として他人から不法の利益を収受し、又はこれを要求若しくは約束することで成立するものであって、その報酬が職務上の行為に関係している以上、その行為が正当であっても収賄罪の成立を妨げない。


5)大審院判決明治43・12・19:賄賂の目的物は有形、無形を問わず、人の需要若しくは欲望を充たすに足る一切の利益を包含するから、芸妓の演芸もこれにあたる。


6)大審院判決昭和4・12・4:中元・歳暮における社交上の慣習、儀礼と認められる程度の贈物でも、公務員の職務に関し授受されるときは、賄賂罪が成立する。

7)最高裁決定昭和33・9・30:賄賂は職務行為に関するものであれば足り、個々の職務行為と賄賂との間に対価関係のあることを要しない。



8)最高裁判決昭和36・1・13:異性間の情交も賄賂の目的物となりうる。

以上の条文・判例に照らして考えれば、守屋前防衛事務次官の行為は少なくとも単純収賄罪に該当することは明らかであり、請託を受けて便宜を図っていたとすれば刑が加重されることになる。不正な行為をしていれば更に刑が加重される。
さらに言えば、守屋前防衛事務次官以外の官僚もその殆どが収賄罪に該当する行為を行っていると考えられる。なぜなら接待を受けない官僚などいないからである。捜査当局にリソース(=人員・時間)があれば全員しょっぴけるのではないだろうか。
ただ、悲しいかな、捜査当局も公文書偽造・虚偽公文書作成をしながら捜査費・情報提供料といった名目で税金をちょろまかし(刑法上は窃盗罪か業務上横領罪に該当。どちらも10年以下の懲役)裏金を作っているので、期待は出来ない。
まあ、要するにそういう無様な国だということである。


以上が、私の贈収賄罪についての理解である。刑法では学派の対立が鋭く、上記の理解とは異なる理解の仕方もある。私としてはオーソドックスな理解を掲載したつもりである。私見では、裁判所は学派の対立を招いている源である論理的整合性よりも、結果の妥当性に重きを置いて判断を下しているように思う。現実社会を規律する裁判所として正しい態度であると思う。


以下に、公訴時効についての法条を紹介しておく。時効についても関心のある方はご覧頂きたい。


刑事訴訟法250条 時効は、次に掲げる期間を経過することによつて完成する。
一 死刑に当たる罪については二十五年
二 無期の懲役又は禁錮に当たる罪については十五年
三 長期十五年以上の懲役又は禁錮に当たる罪については十年
四 長期十五年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については七年
五 長期十年未満の懲役又は禁錮に当たる罪については五年
六 長期五年未満の懲役若しくは禁錮又は罰金に当たる罪については三年
七 拘留又は科料に当たる罪については一年