新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

新国立競技場建設出直し問題

2015-08-04 08:08:12 | コラム
意見を聴取すべき対象を誤っている遠藤担当大臣:

遠藤大臣は如何にも閣僚中に数少ない体育会経験者らしく、ニコニコ顔で「アスリート」なる者たちに新競技場に対する意見を聞いているようだが、私は「お訊きになる対象を誤っていませんか?」と問い掛けたい。それだけではない、マスコミは何で「アスリート」なカタカナ語を使うのかとも問いたい。何故「元オリンピック出場者」にしなかったのかと。

出場経験者はあの元の国立競技場のなだらかなスタンドの勾配が観客にとって見やすいかなどには関係が無い人たちではないか。何処の局だったか評論家と言う玉木某は「下の席にいると、ベンチにいる選手たちの背中の隙間から球技が見えることもある」とは言っていたが、はかない抵抗のようだった。観客のご意見を伺うべきではありませんか、遠藤さん。

私は遠藤大臣があの競技場で懸命に試合をする選手たちを鼓舞してくれるような観客のことを考えずに「選手たちの為」を考慮する設計をしようと考えておられのだったならば、あのプロジェクトを仕切る資格はないとまで断じたい。オリンピックは選手たち為だけに開催するものだと思っていたら見当違いだ。あの番組では誰かが陸上競技専用のスタジアムが欲しいと言っていたのにも一理あると思う。

我が国では競技場の建設・設計については未開国で、何処に行っても真ん中に芝生があってサッカーなり(時にはラグビーも)何なりが出来るようにして、その周囲に400 m の陸上競技用のトラックを設けるのが普通だ。しかし、国立は兎も角一年に何度大きな陸上競技の大会が開催されるか見通しが不明の地方に、あのトラックは必要なのだろうかと何時も疑っている。極論を言えば「あのトラックは球技を見にくくするだけの効果しかない」のだ。

それにあのような大きな観客席がついた競技場を作っても、フィールド競技まで含めても陸上競技の大会で会場を満席にしたのを見たことがない。何処かで誰かが陸上競技に対する見方を誤っており、トラックが必需品だと勘違いしていると思うのだ。今回はオリンピックの主たる競技場だそうだから、トラックを付けたければつければ良いが、観客席の配置と勾配を良く考えて設計しないと、同一平面上でサッカーを観させられるような事態が起きると保証しておく。遠藤大臣だって旧国立競技場のスタンドから遙か彼方でラグビーを試合が行われてたのをご覧になった経験がおありだと思うが。


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