新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

英語の発音の考察

2016-03-02 07:11:31 | コラム
デイーン・フジオカの発音に思う:

彼は歴とした日本人である。故に「堪能である」とテレビが礼賛する英語も、またその発音でも”native speaker”のそれではない。彼の”Borden”CMの吹き込みのところでは”Borden”の”Bor”で、私の耳には”r”を響かせているように聞こえた。これは”ar”、”er”、”ir”、”or”、”ur”の綴りの際に”r”を舌を巻くように発音するアメリカ語独特の発音である。しかし、UKの英語ではこうはならないものだ。上智大学の故千葉勉教授はこの発音を「下品だ」として我々学生に許されなかった。それは飽くまでも英連合王国の人たちのアメリカに対する対抗意識の強烈な現れのようなものと私は考えている。私は決してアメリカ英語が下品だなどとは夢にも考えていない。

しかも、このように”r”を響かせて発音することは我々日本人にとっては極めて難しいのだが、何故か前後の混乱の時期から、この言うなれば「舌巻き風」の発音をしたがる同胞が多く、未だにその傾向は収まっていない。私はこれを推薦しないし、出来れば真似しないようにと言っておきたい。ところが、徐々に民主党の大統領候補者に近づきつつあるかに見えるヒラリー・クリントン様はかなりハッキリとした”r”強調派なので、民主党である事とともに気に入らないのだ。

藤岡は”native speaker”ではないだから、何も格好を付けたつもりで無理をしてそのような発音にしない方が少なくとも私には綺麗にも「上品」のように聞こえるし、彼の崇拝者で英語を学ぼうとする人たちにつまらない影響を与えはしないかと勝手に気に病んでいるのだ。以前にも言ったことだが、私は西海岸風のアメリカ式とクイーンズ系の中間で我々日本人にとって発音しやすい方向を目指し、極力誰にも聞き取って貰いやすい発音をしようと心がけた。即ち、「”r”響かせ型」は推薦しないと言うこと。

誤解して欲しくないことは「アメリカ式発音が下品だ」と言っているのではなく、何も発音しにくいことを真似てアメリカ式の発音が出来るなどと短絡的に考えて貰いたくないと言っているのだ。ではUK風が良いのかといって、アメリカに行けば「気取っている」と余り歓迎されないのも事実だ。これも対抗意識の表れだろう。


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