新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

日本シリーズはホークスがジャイアンツを4連覇して制覇

2019-10-24 08:27:22 | コラム
野球はモメンタムの競技だ:

既に何度か採り上げたことで、アメリカ系の競技というか球技はおしなべて「モメンタムに大きく左右される」と私は認識している。昨23日の日本シリーズ第4戦もホークスが一度引き寄せたモメンタムのままに勝ってしまうか、ジャイアンツにそれを食い止めるだけの力が残っているかどうかが興味と関心の対象だと思って観戦していた。ズバリと言えば「閃きも何もなくて、ジャイアンツが最後の頼みとして使った菅野が何処までホークスの勢いを止められるか」だと思っていた。因みに、momentumはジーニアス英和には「勢い、はずみ」とある。

リーグ戦で2年続けて2位:
私は「この長期のリーグ戦の実績を残しているソフトバンクホークスが日本シリーズを3連覇するだろうということは、素晴らしいことなのか、またはクライマックスシリーズ(CS)も含めて日本シリーズという仕組みがおかしいのではないか」と思いながら見ていた。まさかリーグ優勝はあり得ないとしか見えなかった西武ライオンズが終盤に追い込んでホークスを追い抜いたのは立派だったが、如何せん投手陣が手薄でCSで敗退してしまった。これ即ち、終盤のモメンタムを失ってしまっていたということのようだ。

昨23日に4連勝でシリーズを制覇してしまったホークスの戦力を見れば、日本シリーズは言うに及ばずリーグ戦も制覇しても何らおかしくなかったと言いたいほど充実しており、ジャイアンツを惨敗の形に追い込んだのも不思議ではなかった。とは言うが、リーグ戦で2位の球団がシリーズを3連覇するのは何となく矛盾しているように思えてならなかった。ライオンズはさぞかし悔しい思いであの3連覇を眺めていただろうと思わせてもくれた。リーグ戦の優勝の方が価値があるとの説も聞いた記憶があるが、シリーズを制した方が上位にあるように喧伝されていないか。

モメンタムを失う恐ろしさ:
21日の時点で触れておくべきだったが、「ジャイアンツは最早これまで」と思わせられた現象に、あの2戦目に3塁に起用されたと言うべきか「原監督が起用してしまった」と言うべきかも知れない、山本泰寛のエラーがある。野球では「交代したばかりの野手のところに直ぐに打球が飛ぶ」との説がある。あの場合はそれを絵に描いたような出来事で山本の所にゴロが行って、それをエラーして致命傷となる3点を取られる切っ掛けを作ったのだった。

私は彼と法政大学出身の若林と東海大学出身の田中を全く評価していないので、あの3人を使い続けざるを得なかったジャイアンツの弱点がまともに出てしまったのだと見ている。弱点は「ここぞ」と言う時に「矢張り駄目だったか」という辛い結果を出すものなのだ。しかも、その点が勝負の辛さ(厳しさという表現もあるだろうが、私の好みではない)で、テイーム全体の実力不足を露呈してしまうものなのだ。私は悲しいかな高校3年の時に神奈川県の準決勝でそういう負け方をして、勝っても何にもならない3位決定戦に回った悲しい経験があるので、余計に良く解る次第だ。

原監督は事もあろうに「何を考えているのか」とつい観戦しながら言ってしまった、そのジャイアンツの勢いを削いだ山本を、昨夜の試合の途中で2塁手に使ったのだった。そこから先が野球の恐ろしさと失ったモメンタムの為せる業で、満塁のピンチにてっきりダブルプレーだと思ったホークスの代打の切り札的な長谷川が打ったゴロを捕った山本が2塁に悪送球して、4点目を取られてしまったのだった。この辺りが将にモメンタムを失ったテイームの辛さであり勝負の恐ろしさで、使うべきではない欠陥がある選手を使った結果が無残に出たということ。

ホークスの強さについては解説の中畑、山本昌、福留の3人が非常に適切に述べていたし、「ここが勝負所」との指摘もその通りだったので、ここで私が繰り返して述べる必要もないと思う。第一に、如何にモメンタムを活かして勝ち続けたとは言え、ホークスの短期決戦での強さは十分に現れていた。面白いもので、2日続けて「他球団に行けば十分にレギュラーを取れる力がある」と褒められたホークスの控え選手福田が、昨夜は打てなかったことで、褒められた後で結果が良かった例もまた少ない気がする。

ジャイアンツでは菅野はリーグ戦終盤での故障からあれほど間が開いていながら、昨夜は良く投げていたと評価して良いだろう。だが、解説の3名ともにシーズン中の良い時と較べれば未だしと言っていたのも頷けた。グラシアルに打たれたホームランの投球も失投に近いと見たが、昨夜の菅野の出来からすればあそこまでが限界だったのかも知れない。私の目には菅野のフォームが良い時と比較すれば上体が立っているように見えた分、所謂手投げになっていて彼本来の球威が出ていなかったと感じていた。興味深かったのが、かの奥川君のフォームが菅野に似ているように見えた点か。

何れにせよ、菅野が幾ら一所懸命に投げても坂本、丸、岡本の主軸があれほど抑え込まれたのでは敗戦も止むを得まいと思わせられた。亀井が孤軍奮闘したとは言えるだろうが、1人だけ頑張っても勝てないという例だった。私にはアナウンサーの上重が如何にに日テレであっても依怙贔屓的に騒ぎ過ぎ、阿部慎之助の姿が見られるの最後になるかも知れないと騒ぎ立てたのは聞き辛かった。ジャイアンツは可及的速やかに内野手陣を補強すべきだろう。3塁に回った岡本も記録上ヒットになったがあれはエラーだったと思うよ。


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