新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

JALの機内から379名の乗客・乗員全員が脱出

2024-01-04 09:07:08 | コラム
素晴らしい事だったと幾ら褒めても褒め足りない:

いきなり自分の経験談で恐縮だが、1972年から1994年のアメリカの会社勤務の間に、数え切れないほど頻繁に飛行機に乗って移動していた。そして、何時からだったか記憶も記録もないがNorthwest航空のマイレージ・プログラムに加入した。そのために、極力アメリカ国内でもNW便を利用してきた。その結果でリタイアするまでの間に55万マイルを蓄えていた。この55万という数は偶然に語り合ったANAのCAの方に「考えられない数字」と寧ろ賞賛された。

即ち、当方は一寸考えられないほど飛行機に乗りまくっていたのだった。だが、この度の羽田空港での不幸な衝突(なのだろう)の事故の際には、CAの方々の素晴らしい誘導/指導の下に379名の全員が3箇所の非常口から無事に脱出され、機長さんは乗客・乗員全員の脱出を見届けてから降下されたというのも、俗な言い方で申し訳ないが「大天晴れ」だったと思う。

実は、私などは長時間のフライトの経験を数多く積めば積むほど「危険」との観念が薄れていったようだった。それが証拠に、NWだろうと他のキャリヤーでもCAがemergency exitが何カ所、何処にあるかを指差していた記憶が薄らとあるだけで、それらが何処の辺りあるかという事を意識したことはなかったと思う。言うなれば「全く無警戒」状態で乗っていたという危険なことをしていたのだった。

それだからこそ言える事は、あれほどの短時間(10数分だったか)に300数十名の乗客を誘導して、あの滑り台のようなシューター(っていったか)を使って脱出させたのは、本当に素晴らしいというよりも「凄い」とすら言いたくなる、CAの方々の働きだと思う。しかも「荷物は持たないで」と規定通りの指示も出来ていた落ち着き振りも脱帽ものだ。

中には上着を着ておられずに滑り降りた方もおられたようだが、生命の危機である事態ではやむを得なかった事態だろうから、その割り切りきって降りた方も偉いと思う。NW機内の経験では、ほぼ着席と同時にCAが「jacketを」と言って預かってくれて、着陸の時間が迫ると返してくれるので、上着無しで着陸した事はなかったが、今回は緊急事態だったので返して貰う余裕はなかったのかも知れない。

私が今回の場合に(不幸中の幸いなど言えば不謹慎の誹りを免れないかと危惧するが)あの便がJALでありCAさんたちが日本語で誘導できた事が大きな救いになっていたのではないかと考えている。彼らの音声の一部もテレビで聞こえていたが、その指示も明確に聞き取れていたし、聞き取られた乗客の方々がそれにキチンと従われたのも立派だったと褒め称えたい。何れにせよ、素晴らしい危機管理の以て範とすべき事だったと思うのだ。