新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月13日 その2 貴景勝に思う

2021-01-13 14:43:00 | コラム
少し気分を変えて相撲の話題を:

相撲嫌いを標榜している私だが、今回はCOVID-19関連のような暗い話題を離れて、偶には相撲でも語ってみようかと考えた次第だ。

私が相撲を嫌う理由は幾つかあるが、直ちに思い浮かぶのがNHKを始めとしてあらゆる報道機関が相撲を「スポーツ」の範疇に入れていることで、相撲そのものの問題ではないのだ。私は成人してから相撲を実際に見たのは1994年1月に業界の知人に招待して頂いて桟敷で観ただけなのだが、決してその経験だけから嫌っているのではない。その時に確認したことは「これはスポーツではなく、明らかに歴史と伝統に輝く古式豊かな興行である」との点だった。何処の世界に桟敷席に座って飲食しながら観戦する競技があるかと言うこと。あれは「興行」の範疇に入れるべきだ。

第2はその練習法というか力士たちの鍛え方である稽古には歴史と伝統こそあるが、現代風の乃至は合理的な要素が見受けられない点だ。そこに最近のようにひたすら体重を増やして100 kg以上どころか150 kgにも垂んとするように体重を増やしていくのは、力士の健康面から考えると如何なものかと言いたくなるのだ、しかもあの食生活では糖尿病患者の温床ではないかと危惧するものだ。一般的な世界ではウエイトトレーニング等で筋力と体重の増加を図るのが普通であって、相撲界のような食生活はしないものだ。

第3には今を去ること50年以上も前に、故小林貫二氏(記憶が正しければ元NHKの運動部長で、中学の2期上の方)から教えられたことは「世間では相撲界の風習や仕来りや協会の営業方針が古いの封建的だ等との批判がある。だが、それは的外れである。何となれば、相撲界には江戸時代から築き上げてきた独特の文化があり、一般社会の常識からその文化を批判すること自体に意味がなく、正当性もないのだ。彼らの文化を認めて、それを基にした観戦をして楽しむのが筋だ」であった。それならば、私の好みではないだけのことだ。

ところで、大関・貴景勝である。場所前にはマスコミは「綱取りの場所」と囃し立てていた上に、白鵬と鶴竜の2人の横綱が休場では前場所と同様に、貴景勝に優勝の可能性が高くなるものなのだ。相撲が好みではないと言う私は、滅多に相撲の中継は見ていないが、偶には夕方のニュースが何処の局でも似たり寄ったりなので、相撲にチャンネルを合わせていることもある。その時刻になると上位の力士たちが出てくるので、自然に貴景勝を観察する機会も出てきていたのだ。

そこで奇異に感じたことが2点あった。先ずは「彼はほとんど組むことがなく、終始一貫突っ張りとそれに伴う前進あるのみで、極言すればノーテクの相撲に見えること」がある。次は彼のカタカナ語にすれば「パフォーマンス」では好調と不調が場所毎に入れ替わって出てくることを指摘したい。従って前場所で横綱が不在の虚を突いて優勝してしまった以上、今場所は不調となってくる訳だ。事実、初日から三連敗した不調振りには全く気迫もやる気も見えてこなかったのだ。当人は納得できない表情で転がるのだが、、あれではまるでバイオリズムの下降期にあるとしか思えない。

しかも相撲協会が安全を期して全力士にPCR検査を受けさせたのは良かったが、大量の陽性者が出てしまったので、テレビに見る限りでは何となく全員がおっかなびっくりで場所を務めているようで、盛り上がりがないように見える。このウイルス感染が拡大の一途を辿っている東京都内で場所を挙行したことの苦労と意図は解らないでもないが、私には危険な賭のようにしか見えなかった。折しも「緊急事態宣言が発出」された時期であり、1人でも来場された方から感染者でもでられれば、協会はどうやって責任を取るのだろう。身内の安全だけが課題ではあるまいに。

私はここ新宿から両国までJRに乗っていこうという勇気の持ち合わせはない。高齢者だけではなく若者にとっても危険な時だ。このまま場所で事故が起きず、貴景勝が気迫とやる気を取り戻せて、角番などに追い込まれずに場所が終われば、協会も一安心だろう。協会はNPBが2月1日からのキャンプ入りを延期している事をどのように受け止めたか尋ねてみたい。それが常識と思わせる新型コロナウイルスの感染拡大が怖い。結局、重苦しいウイルスの話題になってしまった。申し訳ない。


世論調査を考える

2021-01-13 08:17:00 | コラム
菅内閣の不支持率が:

共同通信とNHKの最近の世論調査の結果では、不支持率が支持率を僅かながら上回っていたそうだ。何方だったか政治評論家が以前に指摘しておられたが「40%台でもそれを下回っていても、未だそれだけあると受けとめていれば良いのだ」と、大らかに考えていれば良いのだとか。また、ある専門家は「設問の仕方次第で、如何様にも結果を誘導できる性質なのが世論調査である」と語っておられたのも印象的だった。

私は実は「菅内閣を支持しますか」などと突然尋ねられたら、如何に答えるべきかなどと考えたこともなかった。また、我が家には「電話で聞き出す」と表示されている世論調査の電話などかかってきたもない。良く見ると設問は「支持しますか」、「支持しません」、「良く解らない」のような三択になっている場合が多いようだ。私ならば、このように尋ねられたら自民党を他の如何なる野党よりも評価しているので、迷わず「支持します」と答えるだろう。事実、どの調査でも政党別の支持率では自民党は40%前後で第1位である。

安倍前内閣はその末期にあっては支持率が下がっていた。私はその背景というか根拠には、野党とマスコミの連合軍が桜問題で図に乗って非難攻撃し続けたことも影響していたと思うが、心理的には新型コロナウイルス制圧対策が期待ほど効果を発揮していなかったこともあったと思っている。その後を受け継いだ菅内閣の対策も目覚ましい効果がないだけではなく、手の打ち方が慎重に過ぎたためか後手に回っている感が否めないので、支持率に悪影響を及ぼしたのではないかと見ている。

だが、良く考えれば事新型コロナウイルス制圧対策という点では、世界を見回す時に上手く行っているとか制圧したと言える国はごく僅かであり、他ではロックダウンを何回実施しても効果が未だしというような例ばかりだ。即ち、そのような時にあって「新型コロナウイルス対策が不十分であるからと言って、不支持にまで行ってしまうのが適切かどうか」ということだと思っている。何処の誰が現状に対峙して上手く行かないのが最早一般的であり、そうだからと言って不支持だというのは短絡的かと思ってしまう。

菅首相も西村康稔担当大臣も懸命になって不要不急の外出を控えること、ランチの外食も控えること、飲食業界への20時の閉店等を現在の法律の許す範囲内である「要請」で国民に語りかけておられる。それを聞かずして彷徨い歩く者が多いのでは、何をか言わんやである。不支持を言いたければ内閣の要請を守って行動し、それでも効果が見えてこない時にでも、初めて「その方針では駄目だったのだから支持しない」とするのが筋ではないかな。

今や変異種だけでもUK型や南アフリカ型等々が出てきた。その対応だけでも難しいだろうし、ワクチンが我が国で実際に打ち始めて貰えるのが2月中どころか、それよりも遅れる危険性が高いと指摘された専門家もおられた。そういう変異種が入ってきたことの原因に、未だにビジネスでの訪日者を入れていることがあると思われる。その点を踏まえてか、自民党の外交部会は「全面禁止」を政府に進言したという。私は菅内閣に問題ありとするならば、このような外国に対する配慮こそが改正を要すると思っている。その意味では「どちらとも言えない」と言いたくなってしまうのだ。

昨12日のPrime Newsで櫻井よしこさんが「その結果で一喜一憂する必要などないのでは。毎月やる必要があるのか」と言われたのに対して、司会の反町理が「政治家はとっても気にするものなんですよ」と応じていたのが面白かった。国政を担当しておられる以上気にされるのは仕方がないだろうが、自信を以て突き進んで頂きたいものだ。菅内閣を選んだのは自分たちなのだから「宜しくお願いします」と見守っていこうと思っている。