新宿少数民族の声

国際ビジネスに長年携わった経験を活かして世相を論じる。

1月5日 その2 菅内閣の危機か

2021-01-05 16:57:06 | コラム
自民党内に「これでは選挙に勝てない」との声が上がったとか:

私は第一次安倍内閣が発足した頃に、ある勉強会で半ば冗談で「安倍首相は何となく課長がいきなり社長になってしまったかのような感がある」と述べたことがあった。昨4日には菅義偉官房長官ではなかった、内閣総理大臣の記者会見と、夜のPrime Newsに出演されたのを具に見ていて正直に言えば「未だ内閣総理大臣の顔になり切っておられない」と感じていた。私は「人は地位が上がって行くのに伴ってというか時間の経過で、その地位に相応しい顔付きになってくるものだ」と見ていた。だが、昨夜は官房長官のままではないかと感じていた。

特にPrime Newsでは「非常事態宣言を1都3県について限定的に発出」との話題を採り上げておられたが、その語り方がどうしても官房長官がその決定に至った経過を淡々と語っておられるかのように聞こえたのだった。しかも、穏やかに東京都の時短についての対処法が不十分だったことが非常事態宣言にまで行かざるを得なくなった原因だという意味の事を言われたのは、如何に小池都知事と官邸との不仲があったにせよ、総理大臣の発言としては如何なものかと考えさせられた。換言すれば「不安だな」と感じたということ。

そこに、本5日となってネット上に高野孟氏が「3~4ヶ月以内に内閣の存続の危機が訪れるかも知れない。自民党内部には選挙の顔として葉疑問だとの声もある」と菅首相について批判的な説を披露していた。それに加えて、昼間のテレ朝では政治評論家の有馬晴海が取材の結果で「もしかして、第三次安倍内閣の可能性があるのかも」と述べていたのだった。即ち、安倍氏は新たな点滴薬の効果で体調が戻ってきているし、やれることをやって行こうとの意欲を見せておられるのだそうだし、菅首相の対策の打ち方を批判するようなことまで言われたとか何とかだった。

一旦誰かがこう言うことを言い出せば、色々な批判や観測が出てくるものだ。「相変わらず、やることが後手後手である」とか「判断が遅い」とか「分科会の意見ではもっと早期に非常事態宣言をと言っていた」という類いの声が出てくるもののようだ。私は既に述べていたが「何処にいるかは目に見えないし、決定的な抑制策がない新型コロナウイルスを相手にしているのだから、制圧策を打つのに早いも遅いもないのではないか」と見ている。対応策は外から批判できるような簡単な問題ではないのだ。

だが、菅内閣の対処法は常に「対症療法」であって「如何にして根源を絶つか」となっていなかった恨みはあると思っている。しかも、その対処策の実行の遅さの原因には、担当である西村康稔大臣の「専門家の意見を聞いて慎重に対応を検討」という俊敏さを欠いた対応もあったと言いたいのだ。別な見方をすれば「誰が中心となる司令塔であるか」と「何故、先手を打って医療体制を整えておくことを優先できなかった」との疑問点があったと思う。

何れにせよ、菅首相は腹を決めて非常事態宣言の発出されるのは、将に噂されているように内閣の命運がかかっているのかも知れない。菅総裁は自民党の役員会でも1都3現に限定する意向を述べられたようだ。だが、橋下徹氏などは既に「限定的であれば、その効果に疑問がある」と述べているし、専門の医師の中には「ワクチンの可及的早期注射開始が対策として最も効果的で望ましい」と指摘する声があった。私は菅首相は速やかに総理大臣の顔付きになって、何事についても速やかに決断されて、この難局に立ち向かって頂きたいのだ。

菅首相には如何にして難局に立ち向かうかの速やかな決断をされてウイルスを制圧されると同時に、景気回復の手立てをされて「それでこそ、我らの選挙も顔」と党員を安心させると同時に、我々国民も納得させて頂きたいのである。


New York Post紙の忠告は「暖簾に腕押し」だったか

2021-01-05 09:03:56 | コラム
トランプ大統領の決意は飽くまでも固いようだ:

昨4日にはテレビも新聞も一斉にトランプ大統領が2日に1時間もかけて電話で、ジョージア州・州務長官に1万1千票ほどを集めて選挙結果を覆すように命令(依頼)したと報じていた。州務長官は「貴方の情報はフェイクニュースに基づいていて誤りである」と告げたそうだ。私がこの行為を善意で解釈すれば「トランプ大統領は選挙前から指摘しておられた民主党側は不正をする」を何処までも追求されているだけだと思うのだ。

私には何が真相で、何が何処までフェイクなのかなどが解るはずもないが、トランプ大統領は昨年末の29日にニューヨークポスト紙が忠告した“Stop the insanity”などは全く意に介しておられない様子で、言うなれば「暖簾に腕押し、糠に釘」状態であるかのように思えてならないのだ。私は永年の民主党不信論者であり、バイデン大統領を歓迎することなど出来ない。しかも、中国の習近平政権の世界制覇の野望が今日ほど露骨に見えている時にあっては、私とその友人たちが嫌っていても、トランプ氏の方がバイデン大統領よりも遙かに我が国にとっては効果的だと思っている。

ここに敢えて述べておくと、トランプ大統領を嫌っていた最大の理由はと言えば次のようなものだ。即ち、アメリカのビジネスの世界の幹部たちには絶対と言って良いほどあり得なかったようなマナー(と敢えてカタカナ語にする)と言葉遣いであり、あの州務長官との電話会談の中でも飛び出してくる“you know”を挟んで強調する話法だ。知識階級ではあり得ないことだ。彼はそれ以外にも平気で“swearword”をも用いる、如何に彼の支持層がそういう連中で構成されていても、苟もアメリカ大統領が使う言葉ではないのが常識だ。

というような次第で、寧ろ私は「トランプ氏を支持すると表明すべきか、しないままでいるか」との分かれ道に立たされているかの如き感がある。そこに、NY Postの忠告が現れたのだったが、矢張りトランプ氏は意に介していなかったのだった。斯くなる上は、今後4年間は我が国に対してバイデン大統領がクリントンとオバマ政権を踏襲して、冷たく当たってくることに耐えねばならないのかとまで憂いているのだ。

終わりに余談だが、“you know”がどれほど駄目かを一席。W社ジャパンに私より1年後に商社から転進してきた英語の能力が極めて高い、人を人とも思わない豪傑がいた。彼は本部から出張してきたマネージャーが“you know”を挟む語り口を苦々しい表情で聞いていたが、遂に耐えかねて“you know”が出た瞬間に“I don’t know.”とやり返して、そのアメリカ人に目を白黒させたのだった。そして言った“Don’t say you know any more.”と。彼のこの振る舞いが示すほど、“you know”を挟むことは品位を欠く話し方と看做されているのだ。