湯の字にっき

日々の日記をつらつらと綴っております

オヤジ。の思い出。

2012-04-18 | 畑中さんのこと。
桜、という花は
誰と、どんな風に、どんな心境で見たかを
わりと印象的に覚えている花だと思う。

私が今でも一番うつくしい桜だったと思うのは
今ではもう逢うことの叶わない友人と
夜道を歩きながら見上げた桜だ。

彼女の家へ向かう途中、たわいないことを話ながら歩いた道で
見上げた桜。
きれいだったのは、たぶん一緒にいることが楽しかったからだ。
話すことも、歩くことも。笑うことも。

今回の「おい! オヤジ。」の中でも部屋の窓から見える桜がある。
いや、あった。あの景色も、もうないのだ。

窓から大きく枝を張り出した、あの桜。
廊下を人が通ると枝が揺れる。
それから、時々花びらが降る。
夜の庭に白く花が舞う。

暗転明けの最初のシーンで畑中さん演じる長男の聡がぼんやりと見つめる桜。
そして、修平さんと聡がビール片手に二人で眺める桜。
後半もはらはらと花びらが散っていたと思う←うろ覚え。
舞台上の窓越しのセットの桜ではあるけれど
二人の背中越しに見つめた桜は
私にとっても今年一番の桜だったと思うのよ。

冒頭の彼はきっとこの桜も今年で見納めで
二度と見ることは叶わないだろうと思っていたのだろうけれど
この先の聡の人生にいつでもあの日の桜があるような気がする。
これからの彼の未来に、やさしい歌が続いていくように

なんだかねぇ。
ものすごーーく、好きだったの。
あの舞台。
というか、畑中さんの演じた香坂聡という人。
ということに今頃気付いてなんだかとってもさびしいの。
ふぬけておるよ。

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