アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

江戸時代 茶地双獣円紋朱雀文錦 仕覆

2022-03-07 07:01:00 | 染織







製作地 日本 京都  
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代
種類 志野香合の仕覆
素材/技法 絹、天然染料 / 表地:変形平地 絵緯浮文平とじ(別絡)、裏地:平織
サイズ 胴周り約15cm、高さ約5.5cm

飛鳥時代に伝来した蜀江錦(経錦)にならい、江戸時代に茶裂として製作されたと考察される”双獣円紋朱雀文錦”の仕覆。

同手模様の錦は明治・大正時代に入り工芸織物として流通したジャカード織製品により有名となりますが、本布はそれに遡る江戸期の作例で、”絵緯浮文平とじ(別絡)”の技法で巧緻に織り上げられたものです。

地組織も絵緯の入れ方・抑え方も一様ではなく、部位により様々な変化・工夫が加えられている様子を下の顕微鏡画像により確認することができます。

繊細でありつつふくよかな織り表情が優美、手織りの一糸一糸に生命が宿っており見飽きることがありません。





























(光学顕微鏡による画像)






最新の画像もっと見る