●木綿地 菊唐草模様 型染め布
製作地 日本 加賀(?)
製作年代(推定) 19世紀 江戸時代後期
素材/技法 木綿、天然染料、天然顔料 / 型染め、両面染め
●絹地 菊花模様 型染め布
製作地 日本 京都
製作年代(推定) 18世紀~19世紀初期 江戸時代中期
素材/技法 絹、天然染料、天然顔料 / 型染め、片面染め
”菊花”の繊細かつ華やかな色柄を表現するために、並々ならぬ緻密な手技が加えられた江戸中後期の型染め布。木綿地(上)と絹地(下)の作例です。
型紙を用い糊置きと染め及び摺り込みを行った”型染め”作品ですが、模様のディテイルを見ると、極めて繊細な色挿し・色暈し等がなされている箇所を目にすることができ、”友禅染め”の技巧・意匠の表情を同時に薫らせる、”小紋・型友禅”と位置づけられるものでもあります。
江戸中後期の庶民文化成熟の中、”菊観賞”は大きなブームとなり盛んに栽培・品種改良が行われましたが、その”菊花”をいかに美しく、目にする人を唸らせる完成度の高さで染め描けるか... これらの型染め布からは型紙師や染め師の誇りが伝わってくるように思われます。