製作地 フィリピン・ミンダナオ島中西部 ラナオ湖周辺
製作年代(推定) 20世紀前期
民族名 マラナオ族
素材/技法 絹 / 緯絣、縫取織、二枚接ぎ
”マロング”と呼ばれる150cmを超える長丈の筒型衣装。頭から被って”被衣”としたり、肩口まで被ったり、胸の高さまで覆ったり、腰部で折り返して腰衣としたり、一枚で何通りもの使い方が出来るもので、マラナオ族・マギンダナオ族等の当地のムスリム民族が着用したものとなります。
本品は緯絣と縫取織が併用された”マロング・アンドン(malong a andon)”と呼ばれる作例で、マラナオ族上流階級の盛装衣装として特別手の込んだつくりのもの、意匠上はパトラの影響を感じさせつつも、作品全体からは独自の様式美と生命感が薫ってまいります。
ミンダナオの土地と時代が育んだ、固有の生命と完成美を有する染織・衣装作品です。