製作地 日本・島根県 出雲地方
製作年代(推定) 19世紀後期 明治時代
素材/技法 木綿、天然藍 / 帽子絞り、筒描
サイズ 横幅62cm(2枚接ぎ)、縦81cm
嫁いだ娘と生まれた孫のために生家が仕立てて贈る伝統を有した、”孫ごしらえ”の呼称で知られる出雲地方の特色のある筒描布。
布上部が斜めに帽子絞りで防染され、その下に鶴亀松竹が筒描・藍染めで表されたこの布は、産湯の際の湯上げ布とされたもので、防染(白抜き)部分には紅花等によって赤の色付けがなされ、これで顔・皮膚を拭うことにより魔除け・病除けとする願掛けの意が込められたものとなります。
本布の筒描の線が並ならぬ力強さを有しているのは、子供の健やかな成長を願う祈りの強さゆえであろうと実感されます。疱瘡・麻疹等による乳幼児の死亡率が高かった時代の所産です。
時代が下がると総じて筒描の線は柔らかくなり、”瑞亀”の顔も穏和になっていきます。
(光学顕微鏡による画像)