アジアの手仕事~生活と祈り~

アジア手工藝品店を営む店主が諸国で出逢った、愛すべき”ヒト・モノ・コト”を写真を中心に綴らせていただきます

ウズベキスタン更紗

2010-01-27 07:17:00 | 染織







製作地 ウズベキスタン・ブハラ 
製作年代(推定) 19世紀前期
素材/技法 木綿、天然染料 / 木版捺染、媒染、防染








木綿染め布の”更紗”というと、インド更紗とペルシャ更紗があまりに大きな存在であったためか、また交易商品として他の土地(国)に渡る機会が少なかったためか、この”ウズベキスタン更紗”は、これまで一般にはほとんど知られてこなかったように思います。

しかしながら、画像をご覧いただくことでもお判りいただけるよう、この”ウズベキスタン更紗”は、インド更紗やペルシャ更紗の系譜を引き(影響を受け)つつも、それとは異なる独自のデザイン様式・雰囲気を有する素晴らしい染織作品であることは確かなように感じます。

本品は19世紀前期、今から150~200年前に古都ブハラで手掛けられたもので、”クルパ”と呼ばれる敷き布・掛け布(火燵掛け等)として用いられた品モノとなります(130cm四方のサイズ面・デザイン面から敷居布・壁掛けの可能性も有り)。

鬼手(糸目の粗い手紡ぎ木綿地)の木版更紗で、茜媒染を主体に藍が描き染めで加えられております。本作品は表の大柄の花文と裏の小紋とのコントラストが何とも味わい深い一枚です。



●本記事内容に関する参考(推奨)文献


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