製作地 日本
製作年代(推定) 18世紀 江戸時代中期
素材/技法 絹、天然染料 / 平織、四巾縫合 ※うち一枚は半巾
サイズ 横幅(緯):106cm(四枚接ぎ)、縦(経):104cm
本布は経・緯に細く上質な不撚平糸が配され、密な平組織で織り上げられた平絹の布で、約30cm幅で織られた布四枚(3巾分+一枚は半巾)が接ぎ合わされ、106cm×104cmのほぼ正方形に仕立てられた打敷(古渡りの甲比丹が表とされていたもの)を解いた裏地となります。
落ち着いた色味の緑掛かった灰色”利休鼠(りきゅうねず)”で表現されている点が本平絹の特徴で、表が茶系の甲比丹であったことも併せ、当初茶人好みの袷着物(羽織)として手掛けられ、のちにそのままの表と裏で打敷に仕立て直されたものとも推察されます。
縦横1m超の堂々たるサイズを有する四巾縫合の方形平絹布、裏地用布ではありながらも時代裂としての自律(立)美が感じられる一枚であり、糸布・色彩がかもす雅趣に惹き込まれます。
●本記事内容に関する参考(推奨)文献