団菊祭五月大歌舞伎つづきでござりまする。実は千穐楽の歌舞伎をみたのは、はじめて。役者さんにとっても、うれしい日ではないだろうか。でも、またすぐ初日がやってくるわけだし、歌舞伎役者は大変な仕事。休みのときくらい、大いに羽根を伸ばして下さい。ぼくなんか、毎日、羽根を伸ばしているから、羽根のたたみ方を忘れてしもうたよ(汗)。それに、あちこち手を出し、まるで鵺みたい(笑)。
鵺といえば、第一幕目の鵺退治。歌舞伎でははじめてみる。どんな鵺が出てくるか楽しみだった。浮世絵では、国芳の”源三位頼政鵺退治”などいくつか見ているので、なんかすごいのが出てくるのだと思った。ところが、こんな可愛い鵺↓。これが、時の帝の病を引き起こしている物の怪とはとても思えない(笑)。
鵺退治に成功し、めでたしめでたし。弓張り月も輝いている。源頼政(梅玉)、猪の早太(又五郎)、巫女梓(歌女之丞)、九条関白(錦之助)、菖蒲の前(魁春)。
十六夜清心(いざよいせいしん)
鎌倉極楽寺の僧である清心(菊之助)は、遊女の十六夜(時蔵)と深い仲になる。女犯の罪で寺を追われた清心と十六夜は心中を決意し、入水するが、十六夜は舟遊びをしていた俳諧師白蓮(左団次)に助けられる。清心も水練に堪能であったために、沈もうとしても、すぐ浮かんできて、死にきれない。仕方なく、陸にあがり、再び入水しようとするが、飛び込めない。菊之助のコミカルな演技が笑いを誘う。そこへ、寺小姓の恋塚求女(松也)が癪で苦しみながら通りかかる。介抱した拍子に求女の懐にある大金に触れた清心は、良からぬことを考える。抵抗する求女と揉み合ううちに、はずみで求女を殺してしまう。とほほ。
そして、最後の演目は、御存知、石川五右衛門。楼門五三桐(さんもんごさんのきり)。
桜が咲き誇る南禅寺の楼門。そこに現れた天下の大泥棒、五右衛門(吉右衛門)。”絶景かな、絶景かな、春の宵は値千両とは、小せえ、小せえ。この五右衛門の目からは、値万両、万々両…”と名せりふ。そこに現れた、右忠太(又五郎)と左忠太(錦之助)。五右衛門を捕らえようとするが、簡単に退けられる。そこへ、楼門の下を巡礼姿の真柴久吉(菊五郎)が現れる。二人は上と下で対峙する。15分ほどの幕だが、歌舞伎らしい色彩美と様式美が満載。ぼくも隣りの外国人も大満足、これぞ、歌舞伎デンガナ!
楽しい、団菊祭・千穐楽、昼の部であった。
帰りは鵺ではなくて、ちゃんとした、くまもんに会ってきた。銀座熊本館は大混雑。寄付もして、お土産を買って帰った。
からし蓮根と熊本の銘酒。
帰宅したら、井の頭公園のはな子の最後が伝えられていた。ぼくは三鷹が故郷なので、はな子とは幼馴染。さようなら、はな子。
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