おはようございます。
東博で”正倉院の世界展”が開催されている。天皇陛下のご即位記念ということで、正倉院の宝物を中心に法隆寺献納宝物も加え、名品が一堂に会している。ぼくは奈良の正倉院展には何度も足を運んでいるし、東博でも今回のような”正倉院展”を過去にも開いているので、再会の宝物も多い。
会場内は撮影禁止だが、最後のコーナーだけが許可されている。複製品であるが、本展の目玉作品として本物も展示されている螺鈿紫檀五絃琵琶からご紹介しましょう。過去記事を調べてみると、2010年の正倉院展でも見ている。そのときは、19年振りの出展で、会場内で、それを真近にみるための列があって40分待ちだった。名品中の名品。今回はゼロ分待ち、おまけに複製品の写真も撮れる。
螺鈿紫檀五絃琵琶
表にはラクダにのった琵琶をひく胡人の文様が、裏面の螺鈿による花模様もうつくしい。
もう一つ、複製作品がある。螺鈿紫檀阮咸。これは、今回、本物は来ていないが、2009年に東博の”正倉院展”で見ている。四弦琵琶で、裏文様は、長い瓔珞(ようらく;仏像の首飾りなどに使われる)をくわえた一対の鸚鵡(おうむ)が可愛い。聖武天皇ご愛用の楽器だったようだ。
正倉院の建物も上野に来られた。
以下、名品の数々を。後期展示のも入れてあるが、これらは実物を見ているのでOKとした(笑)。
平螺鈿背八角鏡(へいらでんはいのはっかくきょう)鏡背に螺鈿で花鳥文をあらわした鏡。国家珍宝帳所載の品。ヤコウガイヤコウガイに毛彫を施した螺鈿、赤色と金色を塗った琥珀。また文様の間地は黒い樹脂様の物質にトルコ石の細片を鏤める。2018年、正倉院展で見ている。
国宝・海磯鏡(法隆寺献納宝物)
墨画仏像 雲に乗り、天衣を翻した菩薩。二枚の麻布を上下に合わせている。
紺夾纈絁几褥(こんきょうけちあしぎぬのきじょく)仏に供物を捧げる時、机の上にのせる敷物。
黄熟香 蘭奢待(らんじゃたい)の雅名で知られる人気の香木。この雅名の中には「東」「大」「寺」の三文字が組み込まれている。
足利義政や織田信長らが一部を切り取って、所有した。明治天皇も行幸の折に切り取っている。ジンチョウゲ科の植物でいまだに高い香りを放っているが、ケース内なので嗅ぐことはできない。
紫檀木画槽琵琶 四絃琵琶。古代ペルシアに起源を持つ楽器。
伎楽面 酔胡王
漆胡瓶『国家珍宝帳』に記載される聖武天皇御遺愛の水瓶。下膨れの胴に把手の付いた形は胡瓶(こへい)と呼ばれ、ササン朝ペルシアに由来する。黒い漆の表面に銀の薄板をはめ込む装飾が施されている。
国家珍宝帳 聖武天皇の御遺愛品をはじめとする宝物が東大寺大仏に献納された時の目録。
以上、簡単な紹介ですが、すばらしい展覧会でしたよ。目の保養になりました。さて、今年の奈良の正倉院展はどうしようかな。
それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!
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