気ままに

大船での気ままな生活日誌

テネシーワルツ

2006-09-06 20:53:23 | Weblog
この1週間、何の気なしに、江利チエミさんのテネシーワルツのメロデーをハミングしている自分に気づき、苦笑しています。先週、ワイフとミュージカル「テネシーワルツ、江利チエミ物語」を、横浜の関内ホールでみてきたせいでしょう。

心に残る作品でした。チエミさん役の島田歌穂さんは、本当にはまり役という感じで、天国からチエミさんが舞い戻って、演じているようでした。外見もよく似ていますが、歌唱力もすばらしく、チエミさんの魂が乗り移ったようでした。テネシーワルツはもちろんのこと、カモナマイハウス、スワニー、新妻に捧げる歌など、私達の世代の心の引き出しにしまってあった名曲が、歌穂さんによって、次々と引っ張り出され、チエミさんの人生だけではなく、私達の過去の出来事までなつかしく思い起こさせてくれました。

この物語は、チエミさんの悲喜こもごもの人生を縦糸に、彼女と同い年で、3人娘ともてはやされた、美空ひばりさんと雪村いずみさんとの交友関係を横糸に絡ませながら進んでいきます。一時代を築いた、3人の歌姫の歌を同じ舞台で聴けるのですから、観客はこたえられません。

ひばりさんは、宝塚月組のトップスターであった剣幸(つるぎ みゆき)さんが、見事に演じました。私の大好きな、お祭りマンボが、最初の歌でしたが、ーーお祭り騒ぎが大好きで、ねじりはちまき、そろいのゆかた 雨が降ろうが、わしょいしょいーーと一緒に小声で歌ってしまいました。第三場、ひとりの日々(昭和48~51年)では、真っ赤な太陽、悲しい酒が歌われましたが、私をみて(正確には、私の方面に目を向けでしょうか、でも本当に見てくれているように見えたのです、それも芸の力なのでしょうか)歌っている顔が、ひばりさんそっくりになっていました、すごいですね。劇の中でも、ひばりさんの、華やかな、でもちょっと、いばったような感じがよく出ていました。剣幸さんは、今回、はじめてみさせてもらいましたが、ファンになってしまいました。

雪村いずみさんは、やはり宝塚トップスターだった、絵麻諸ゆうさんが、演じました。私が知っている歌が少なかったですが、いずみさんの特徴をよく捉えていたと思います。チエミさんと結婚し、そして別れた高倉健さんは、影絵出演です。いかにも健さんらしい、鳥打ち帽子とジャンバー姿の影が、じょうずに演技していました。うまく考えたものですね、感心しました。

第4場、さよなら日劇(昭和55~56年)では、チエミさんが小学校のクラス会に出席して、談笑後、新妻に捧げる歌をみんなで歌うシーンがあります。後ろの、垂れ幕をみてアッと思いました。三鷹第4小学校6年○組クラス会と書いてあります。私は、そのすぐ近くの小学校の卒業です。ますます、チエミさんへの親近感を増しました。

お父さん役の下条アトムさん、清川虹子さん役の弓恵子さん、デビュー当時からつきあいのあった中野ブラザーズ役の加藤忠さんと松本晋一さんもそれぞれの場面で、歌穂さんを盛り立てていました。このチームワークの良さが、最後の第5場、テネシーワルツが聞こえる(昭和56年)を感動的に仕上げていました。チエミさんが、前夜まで元気でいたのに、突然天国に召されます。チエミさんを支えてきた人々が、集まってきます、そして、彼女のこれまでの、輝ける日々、悲しみにくれる日々をしのびながら、彼女の人生を代表する名曲、テネシーワルツを合唱します。

去りにし夢 あのテネシーワルツ なつかし 愛の歌 面影しのんで 今宵も歌う うるわし テネシーワルツ 

まだしばらく 何気なく くちずさみそうです。

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