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気ままに

大船での気ままな生活日誌

原節子の”白痴”を観る

2012-02-28 09:02:20 | Weblog
ドストエフスキー原作、黒澤明監督、原節子主演と、3人のビッグネームの並ぶ映画、”白痴”をはじめて観ることができた。鎌倉駅前のホールで、”第七回鎌倉名画座”で、松坂慶子主演”蒲田行進曲”と共に上映されたのだ。

1951年作だから、原節子31歳のときである。戦犯と疑われ、銃殺刑寸前に容疑が晴れて生還し、しかしそのときの後遺症で癲癇性の白痴になった森雅之がはじめて原節子に出会うシーン。森雅之は原節子の目を、穴のあくほどみつめる。驚いたような顔をしている。銃殺刑の自分の前の女の目とそっくりだったのだ。驚いたのは森雅之だけではない。ぼくもいささか驚いた。こわいような、あやしいような、小津作品ではぜったいみられない原節子の目だった。

原節子は政治家、柳永次郎に囲われている愛人。柳はそろそろ手切れ金で別れようと画策する。そこに、原節子を慕う若き日の三船敏郎が登場する。原節子は”白痴”の森雅之に心ひかれている。森も原には一目惚れだったが、気のつよい久我美子と婚約している。彼らの愛憎激が雪の降りしきる札幌を舞台に繰り広げられる。古い洋館の中でのやりとりが多く、舞台劇のようだった。悲劇的結末に終わるが、森雅之の、どこまでも限りないやさしさが胸をうつ黒沢作品だった。

原作ではナスターシャに当たる那須妙子役の原節子。普段とは違う役柄を見事にこなした。写真集などで、ちょっと怪しい黒いマント姿をしていた原節子をみていた。この映画もみたいと思っていたので、とてもうれしい。受付でもらったちらしの中に、原節子16歳の伝説の主演映画が75年ぶりに上映されるという”新しき土”があった。これも是非みたい作品だった。日独の共同監督で、日本側は伊丹万作(伊丹十三の父)だ。円谷英二も日本初の特撮で協力する。4月7日から東京都写真美術館ホールで上映されるとのこと。ぜひ行ってみよう。

.....


白痴のちらし。蒲田行進曲はみなかった。




新しき土。小百合ちゃんの16歳のときより大人びていて、きれいだと思う。やはり原節子がナンバーワンだ(汗)。


ついでに麦秋の原節子。親友役の淡島千景。淡島千景さんご冥福をお祈りします。
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