気ままに

大船での気ままな生活日誌

和のよそおい 山種美術館

2012-02-16 18:43:58 | Weblog
”和のよそおい/松園・清方・深水”展が山種美術館で開催されている。タイトルからだけだと、三人展のような印象を受けるが、そうではない。松園が18点とダントツで、清方と深水はそれぞれ4点だけ。でもいいのです。清方は、鎌倉でしょっちゅう観ているし、深水は、昨年、これ以上はないだろうと思われる回顧展を平塚で観たから。美人画御三家の他にも、浮世絵師や近代日本画家などにより描かれた、様々な”和のよそおい”を楽しむことができる。

お出迎えは、清方の”伽羅”。ようこそおいでなすってと、昼寝から起きあがろうとする若妻(笑)。ほのかなお色気と、香枕からは伽羅の香りが漂ってくるようだ。そして、第一幕は、歴史を彩った人々。今村紫紅の”大原の奥”。秋の野に佇む、薄墨の衣をつけた建礼門院。高貴なお顔が印象的。松岡映丘は、”伊勢物語”(合作)と”斎宮の女御”。池田輝方は、”夕立”。輝方は池田蕉園(松園、島成園と共に三園と称された)と結婚するが、すぐ他の女性と共に失踪する、去年のそごうの、福富コレクション展で学芸員さんの話を思い出す。雨宿りしている娘さんがいい感じ。ここに深水の作品も。”吉野太夫”が。江戸初期の京都島原を代表する名妓、才色兼備で情けもあり、多くの文人に讃えられた。そんな雰囲気がよく出ている。

浮世絵コーナーもあり、得した気分。春信の”柿の実とり”。似たような場面をトーハクでもみた。歌麿は”美人五面相/犬を抱く女”。歌麿の美人に抱かれている黒い犬はどちらかといえばブスだった、どこでみたような(爆)。

第二幕は舞妓の美。こんなにまとめて舞妓さん(芸妓さんもいるけど)の絵をみたのは初めてかもしれない。全部で15点も。小倉遊亀の”舞う(舞妓)”と舞う(芸者)の二点。ふたつを二、三十センチ、離して飾れば、ぴたりと合う構図にしたそうだ。なるほどと思った。土牛の”舞妓”はお馴染み。深水は”雪中美人”。森田曠平の”投扇興”。扇子を投げる”競技”に興じてる舞妓さん。ノンおしとやか、うふふ。それに、立体画のようで、手前の舞妓さんは画面から飛び出しそうだった。”きれいですね・・(一拍おいて)・・お着物が”綾小路きみまろのギャグが出そうな、片岡球子の舞妓はん(爆)。

第三幕は”生活の中の女性たち”。ここに清方の”佳日”など三作品、そして深水の”春”など二作品が。そして、安井曾太郎の”パラソルの女”なども。そして、終幕は松園ショー”上村松園と美人画”。松園さん自身が語っているように、”一点の卑俗なところもなく、清澄な感じのする香高い珠玉のような絵こそ私の念願とするところのものである”、そんな絵ばかりが並んでいる。第二展示室には掛け軸の松園美人がずらり。ぼくの好きな”新蛍”はここにあった。山種美術館が千鳥ヶ淵を去るときの、最後の展覧会が”上村松園展”だったっけ。そのときも今回と同じ、全18作品が展示された。だから、今回は広尾時代、初の”上村松園展”ともいえるのだ。

楽しい展覧会だった。次回は、”桜さくらSAKURA”展だという。また出掛けることになるだろう。




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