こんばんわ。
東博で”やまと絵/受け継がれる王朝の美”展が開かれている。最大の呼び物は、日本絵巻史上最高傑作として名高い”四大絵巻”が同時展示されること。ぼくは、このような勢揃い展が大好きで(汗)、たいてい出掛けている。例えば、佐竹本三十六歌仙勢揃い、一遍聖絵全巻、岩佐又兵衛絵巻全巻同時展示などいくつも。
本展では、展示される約240件のうち、国宝が53件、重要文化財が125件という豪華なものなので、それらは、4期に分けて展示替えされる。そして、4大絵巻がそろって展示されるのは10月11~22日の10日間余りだけ。ということで、開幕早々、二日目に出掛けた。
四大絵巻とは、『鳥獣戯画』(高山寺)、『源氏物語絵巻』(徳川美術館)、『伴大納言絵巻』(出光美術館)、『信貴山縁起絵巻』(朝護孫子寺)の四つ。 いずれも平安時代末の作品でみな国宝である。
絵巻きは出来ればすべて拡げて、物語の解説文も添えて、見せてもらいたいが、こういう展覧会ではそうはいかず、代表的な場面が拡げてあるだけである。でも、ぼくを含めて多くの観客は、たとえ、一画面だけでも、国宝四大絵巻を同時に見られるだけでも幸せ。せめて、写真でも撮らせてもらえれば、より記憶にも残るのだが、撮影は全面禁止。
というわけで、本展の第1期で展示されていた場面をここに載せて、”四大国宝絵巻同時制覇”の記録としたい。
『鳥獣戯画』(高山寺)
甲巻、乙巻、丙巻、丁巻とあるが、最も有名な甲巻が今期に展示されている。このカエルとうさぎのお相撲の場面が開かれている。
『源氏物語絵巻』(徳川美術館)
関屋・絵合 源氏29歳のとき九月から冬までの物語、逢坂の関で偶然空蝉と出会う場面。
『伴大納言絵巻』(出光美術館)
貞観8年(866)閏3月10日に起きた、応天門の炎上をめぐる大納言・伴善男の陰謀、その露見と失脚の物語を、生き生きと描いた絵巻。宮廷絵所絵師・常磐光長筆と考えられている。上巻部分。I期のみの展示となる。
『信貴山縁起絵巻』(朝護孫子寺)
信貴山朝護孫子寺を開いた命蓮の奇跡の数々を描いた説話絵巻。画中の山水表現も平安時代やまと絵の極、致を示すものとされる。飛倉巻、延喜加持巻、尼公巻の全三巻。今期は飛倉巻が開かれている。
”信貴山縁起絵巻”以外の絵巻はすでに何度か見ているが、何度も言うように、同時に観たことに意義がある(笑)。幸せなひとときであった。
ほかにも、II期には神護寺国宝三像、Ⅲ-IV期には三大国宝装飾経などの勢揃い展示もあるので、何度か足を運ぶようになるだろう。
(つづく)
では、おやすみなさい。
いい夢を。
今日は六日月。明後日がもう上弦の月。曇り空の中、今日も顔を出してくれた。