遊行寺宝物館で10月10日にはじまった”国宝一遍聖絵展”も、いよいよ12月14日で終了した。全巻展示の初日に訪ねたが、11月20日からの4巻展示になってからは、なんとか終了間際の12月11日に駆け付けることができた。また、翌12日には、東博へ二度目。そして、その翌13日の最終日には、これも二度目の神奈川歴博を訪れた。金沢文庫は一度だけだが、他の三館は二度づつ見学することができ、十分満足した。
遊行寺宝物館は、展示室が狭いので、4巻展示になっても、歴博のようには、全巻を拡げることはできない。でも、第1巻は1段から4段まですべてみられるようになっているし、第12巻はクライマックスの往生場面を含む第2段、第3段がみられる。ただ、第11巻は場面替えで一部しかみられない。今回は明石浦の場面。第7巻は第4段の桂のみ。前期展示の関寺(踊り念仏)は、拡大画像としてみられる。
これらに加えて、第6巻の第1段の修理前のコロタイプがみられる。これを見ると、だいぶ傷んでいたようだ。さらに、第6巻第1段の踊り念仏の拡大画像もみることができる。江ノ島断簡の展示は終了しているが、参考画像が置かれている。さらに第4巻第5段の小田切の里の摸本展示もある。これらが、遊行寺最終展示の概要である。さすがに押し迫ってきたせいか、熱心な見物客でにぎわっていた。
歴博は、4、5、6、10巻展示で、展示室が十分な広さなので、全巻とも、すべて拡げられているのは嬉しい。最終日で、混雑するかと思ったが、それほどでもなく、むしろ初回のときよりも、ていねいにみることができた。
東博は7巻のみの展示であるが、これも全部、拡げられている。加えて、幾つかの巻の主要な場面が摸本でみられるし、撮影が可能なのが嬉しい。そして、特別展”始皇帝と大兵馬俑”が開催されているせいか、比較的、空いていたのがありがたかった。
さて、これから、”国宝・一遍聖絵”の第一巻から第十二巻までの主要場面を、本ブログに覚書として載せておこうと思う。果たして、年内に完成できるかどうか、乞うご期待。国宝中の国宝ともいわれる、一遍聖絵の展覧会終了に当ってのケツイヒョウメイでござんす。
ただし、前科があります。これも遊行寺と関係があるのですが、三之丸尚蔵館の”絵巻を愉しむ”展に出ていた岩佐又兵衛の”をぐり(小栗判官絵巻)”のこと。これも、全15巻の紹介をするつもりと、7月16日のブログに書いていて、いまだ実行していない。 できれば、これも一緒に。ただ、鎌倉紅葉が年末まで残った場合は、そちらの記事が優先されるので、年越しでも許されることとする。
遊行寺の一遍上人像。
遊行寺の長生院小栗堂。
照手姫のお墓。その隣りに小栗判官と十勇士のお墓もある。
遊行寺の大イチョウ
どうぞ、年内に、二つの絵巻の紹介ができますように。五郎丸ポーズの六地蔵さまにおねがい。