まどか先生の「ママ達のおやつ」

ママの笑顔は、我が子が幸せであるためのママ・マジック。ママが笑顔であるために、この「おやつ」が役立つことを願っています!

お花の先生との会話の中で・・・

2009年06月18日 | にこにこ
 先日、生け花「草月流」の展覧会に行って来ました
年に2度開催されるこの草月展には、必ずもお声をかけていただき出かけます。今までにも、何度かこのブログに登場している草月展。何を隠そう、「お声をかけてくださっている方」こそが、私にトライアスロンを強力に勧めてくださった今年66歳の女性、Sさんです
 お弟子さん相手のおけいこや、海外でのお仕事のほかに、渋谷のホテルのロビーや、レストランのお花を担当なさっているため、夜中に活け込みをなさったり、手入れをなさったりすることも多く、お弟子さんやスタッフはおいでになっても、いったい睡眠時間はどのくらいなのだろう?あのバイタリティーはどこに源があるのだろう?といつも驚かされます
 Sさんは、国内外で活躍される、お忙しい女性ですが、世に言う「バリバリタイプの女性」とは醸し出される空気が違い、しなやかで、たおやかで、とても女性らしい柔らかさの溢れる方で 私が常々尊敬している方です
 Sさんとお目にかかってお話をする時には、今ではほぼ7割がトライアスロンや仲間達の話しで盛り上がってしまいますが、残りの3割の「濃くて深い」お話・・・今回も大変興味深いお話をお聞きしました

 Sさんが教室で、会社帰りの女性達にお花を教えていると、ここ数年はびっくりするようなことが、とても多いのだそうです
 総じて高い教育を受けられ、立派なお仕事をなさっている方々、今で言う「アラフォー」の生徒さん達は、会社では重要なお仕事を任されていたり、それなりのポストに就いていらしたり・・・
 ところが、「今日の花材は、○、△、□です。お店の中で、それぞれご自身でお好きなお花や木を選んで、ご自分のお席にお持ちになってね。」と声をかけると、お花のバケツの前で、もじもじとする方・・・
「どうなさったの?」とたずねると・・・
 お花のどこを、どのように持ったら良いのかがわからない・・・と言われる・・・
 先生は、その言葉にまずはハテナが飛び・・・その言葉の意味を理解するまで時間がかかった、ということでした

 「好きなお花がいくつもあって・・・どれにしようかと悩んじゃいます!」
 「先生、どのお花が活けやすいでしょうか?」
という質問や言葉は想像できても、「お花のどこを持ったら良いのか?」と言われるとは、夢にもおも思わなかった、と話していらっしゃいました

 驚愕の表情を必死に隠し、「あなたは今まで、好きなお花を買って帰ったり、活けたりしたことはないの?」とたずねると、「そんなことがあったら、習いには来ないですよ。未経験だから、お稽古に来たんです!」と少々ムッとされ、またまた驚愕・・・理屈は通っているようでも、やはり、こういう現象は「時代が変わったんだ」と納得はしたくないですよね、とおっしゃっていました
 
 また、お花の関連の講演会に出向かれ、最後の質疑応答の時間に・・・
 「仕事帰りに、いつも通る駅のターミナルで、ラッピングしたお花を毎週買って帰るのですが、あのラッピングはとったほうが良いのでしょうか?」
とよく質問される、というのです。
 要するに、ここ数年で一般的になった、すでにブーケにして、きれいにラッピングをして売っているお花を買って帰り、そのままでずぼっと花瓶(ビールのジョッキ、洒落たバケツ等)に入れている人も多いらしい・・・

 生活の中にいつもお花があり、それを愛でて潤いのある時間を過ごす・・・やっぱり、本当にステキなことですね
 「お花?そんなもん、別にいらないでしょう!」と唾棄される方よりも、ずっとずっとすばらしいですね
 そして、自分でいろいろとお花を選ぶのが当然だった頃よりも、ああしてきれいなブーケになっているほうが求めやすく、あの方式が町にお花屋さんを増やし、お花ファンを増やしたことは確かです。(駅構内や小さなスペースにお花屋を開設し、ブーケ状態でお花を販売する方法をひろめたA店も、じつは、同じトライアスロンチームのメンバーなのですが

 ただ、Sさんはおっしゃるのです。
お花はペットのように動き回ったり、鳴いたりはしないけれども、やはりそれは生き物であり、「置物」ではないのですよ、と。
 同じお花でも、生花を飾るのは、お花の絵を飾るとは意味が違う・・・
本来は(あくまで本来は、ベストは、と言っているわけではありません)、たくさんのお花の中から、自分の好きなお花やその日、ぜひ欲しいと思ったお花を選び、大切に持ち帰り、どうぞ私の部屋に居心地よく咲いていてくださいねという心を込めて水切りをしてやり、お気に入りの花瓶や花入れに活けてやる・・・
 毎日、生き物である花と語り、水を替え、時には水あげをして・・・そして、枯れていくお花に愛情を持ってお別れをする・・・
 絵や、造花や、プリザーブドフラワーとの違いは、こういう「お世話」のあるなし、でしょうね 切り花ではない鉢植えやプランターのお花の場合も、毎日水をやり、終わったお花を摘み、除虫をしてやる・・・

 今、こうして文章を書きながら、私は急に「なんちゃって○○」という、ここ6,7年で使われるようになった言葉を思い出しました
 「なんちゃって○○」とは、正真正銘の○○ではないけれど、それに近いもの、○○のようなもの、という意味です。
「なんちゃってお花好き??」すでにブーケにしたお花のことを考えていて・・・思わず、そんな言葉を思い浮かべました。
 でも、確かに心優しい「お花好き」ではあるのですね

 やはり、このSさんとしたお話ですが、今、様々な国の優秀と言われる若者達(大学生向けの調査のようでしたが)に、「あなたの国の文化について語ってください」という課題を与えたところ、時間をいっぱいいっぱい使って自国の文化について語る外国人の中にあって、ほとんど何も語れなかったのは日本人だった、という話題もありました
 日本には、固有の多くの文化があります。何も茶道や華道のような伝統文化だけが日本の文化ではありません。
 しかし、今、私達を取り巻く状況は、どんどんと文化を軽んじ、数値で表すだけの「優秀さ」を求める社会になっていこうとしています。無機質な優秀さ・・・
 21世紀を生きる子ども達を育てていく私達が、時には「何を大切にして子どもを育てるのか?」「どんな子どもに育てていくのか?」という根本から、考える時間も必要なのではないでしょうか。

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