毎週木曜日発売のコミック雑誌モーニングに随時掲載される読み切りシリーズ「カレチ」。私のお気に入りの作品です。今回はブレーキの緩解不良で、北陸本線の美川駅に臨時停車した4022M、特急「雷鳥」にまつわるエピソードです。
修理に手間取り、すし詰めの乗客たちから降車させてくれと詰め寄られる若い専務車掌の荻野。しかし、臨停中の列車から降車させるのは規則に反し、何より鉄道員生活の最後を何事もなく全うしたい老駅長が首を縦に振りません。
そこで荻野が取った行動が波紋を広げます。最後は長年の経験に裏打ちされた老駅長のカンによって助けられるのですが・・・
このマンガの舞台である昭和40年代後半、国鉄の駅の大半は有人でそれぞれに駅長さんがいました。私が高校生になった50年台の前半も同じです。春まだ浅い信州の駅で、一晩中待合室のだるまストーブをたいてくれた駅長さんもおられました。お金のない私はそうして夜は駅の待合室で寝泊まりを重ねながら、各地を回ったものでした。
大糸線紀行2009秋として訪れたJR西日本大糸線も南小谷と糸魚川を除くとすべて無人駅です。かつては何人かの駅員さんが執務した事務室も今はただの空間が広がっているだけで、駅舎もさびしげです。
今回の漫画は、人が直接数多くかかわって鉄路を守っていた時代を思い起こさせてくれました。
写真は大糸線平岩駅で折り返し糸魚川に向かうキハ52。月も照らしてくれています。
2009-10-31 Nikon D700,AF-S NIKKOR 24-70mm F2.8G ED,24mm,ISO 200
2秒,f6.3,WB:晴天
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