あとだしなしよ

Japanese text only..
落書きブログです。
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愛染かつら

2007年02月12日 | 日本映画
愛染かつら
1939年、昭和14年 松竹大船
監督:野村浩将
出演:田中絹代、上原謙、水戸光子、桑野通子

戦前に大ヒットした映画だそうなのでどんなものか見てみた。ヒロインのまだ若い田中絹代がいきなり子持ちの戦争?未亡人で登場して驚いた。(平井英子みたいな娘が「ママちゃん」と呼んでいた。)ヒロインは看護婦で勤め先の病院の跡取り息子と恋仲になったが、独身でないと看護婦になれないため子持ちであることを隠して働いていた。「ああ、まさかあの人が私を慕って下さるとは…でも子供がいることが知られれば、病院を辞めなければならないかも…娘との生活も守らなければならない…」彼女は真実を彼に打ち明けることができるのか…二人の運命はどーなるのでしょうかーという話でした。この息子が上原謙で男前だし学も人望もあるというイイオトコ。なんだか少女漫画みたいだったので調べてみたら、原作は婦人雑誌に連載されたそうでなるほどなあと思いました。女性の夢は今も昔もそう変わらないみたいだ…田中絹代さんは最後にはレコード歌手になって、帝国劇場?でソロコンサートまでしまうという徹底ぶり。。アメリカ帰りの娘役の桑野通子さんがドラゴン柄の洋服を着ていてワイルドでぶっ飛んでいてかっこ良いと思った。
病院の婦長さんの口調が面白くて「キットですよ、キットですよ、キットですよ。」と約束をせまっていたのがミョウに心に残ったのでした…

女衒

2007年02月12日 | 日本映画
女衒
1987年、昭和62年、東映
監督:今村昌平
出演:緒形拳、倍賞美津子、熊谷真実

成人指定
女衒(ぜげん)は、主に若い女性を買い付け遊郭などで性風俗関係の仕事を強制的にさせる人身売買の仲介業である。歴史は古く古代からこのような職業が存在していたと考えられ、現在でも海外では半ば公然と行われているところもある。
From WikiPedia
明治時代に女衒で財を成した村岡伊平治の一代記。明治時代に近代化されたのは物質文明(兵器、工業)で、藩閥政治のほぼ独裁政権の下で、民主主義でもなければ女性の人権など無いに等かったと聞きます。政府に逆らうものは人間では無く、犬畜生にも劣るものだという感じだったのでしょうか…今村監督は「人の隠したいことを描くのが映画監督」と言ったそうですが、まさにそんな内容の映画でした。今こんな映画を作ろうとするとアンポンタン・ポカン党のアベサンとかナカガワサンが恫喝に来そうですね…怖い…タッチとしては「にっぽん昆虫記」の男版といった感じのコミカルな作品で、女性の描き方や村岡の愚かさを全面に打ち出しているので悲惨さはそれほど感じられませんでした。エピソードで明治時代の軍人が、女性をロシアへスパイさせるときの口実で「女郎などは、犬猫より劣るものである、が、あれも天皇の赤子であるから、帝国の捨て石にならなければいけない。したがって、仮に命を落とそうとも、それは名誉なことである。」と言っていた。悪事が善事に‥「むしろ良いことをしてる」にひっくりかえる。この女性は結局ロシアにスパイがばれて見せしめに惨殺されてしまう。この軍人を師と仰ぐ村岡伊平治は、天皇陛下の為、お国の為にと女衒業を拡げていく…

からゆきさんの小部屋