あとだしなしよ

Japanese text only..
落書きブログです。
報道記事の全引用は元記事消去への対応です。m(__)m

マリノスGK秋元など

2006年01月29日 | サッカー
神奈川新聞 J1マリノスニュース

Marinosの高卒新人GK秋元の紹介記事です。いい選手みたいです。レギュラーのGKが少し不安定なところもあるので、デビューのチャンスもありそう。
今年のMarinosはどうなんでしょうか。FWとDFに人材がいるが、攻撃的MFが少し弱い感じ。Marinosは代表と同じシステムを使うのが伝統でしたが、今年は人材的に無理かな。とゆうわけで…

・3-5-2

    久保 坂田

    吉田(山瀬)
ドゥトラ       田中
   奥  マグロン
  中沢 松田 栗原

      榎本

・ダイアモンド形4-4-2の例(代表)

   久保 坂田

    吉田(山瀬)
奥          マグロン
      那須
ドゥトラ 中沢 松田 田中

      榎本

これもあるか…
久保は1年間プレーできれば、優勝は苦しそうですが、そこそこ行きそう。
あともう一人入りそうな、外国籍選手に期待か…

曽我梅菊念力弦

2006年01月24日 | Art
曽我梅菊念力弦

四世鶴屋南北=作
国立劇場文芸課=補綴

初めての歌舞伎観劇。三階席の一番前で見ましたが舞台全体が見渡せました。場面場面を思い出して書いていきます。#間違いが多々あると思います。読んでくださる方、ゴメンナサイ。



・おそのと六三郎が出会う。
異空間。暗めの照明に演者が不気味に浮き上がる。舞台の隅々、端役の頭からつま先まで、無意識で演じている要素が無く意識化においているかのような印象。チンピラのメイクが印象的。おそのは結局、芸者屋に籠で連れて行かれたらしい。

・狩場で五郎が鶴を射る場面
様式が美しい。小道具の鶴や鳥が楽しい。時代物はきらびやかな衣装にも目を引き付けられる。

・アホな若造が出てくるシーン
アホな若造と祝言をあげさせられそうになって、驚くおはん。いやいや杯をかわす刹那に強盗の徳次郎一味が踏み込んできてラッキーにもおじゃんに。徳次郎の真剣に『シェー!』と驚いたのはこの場だったっけ。(場内爆笑)その後、おはんは徳次郎に手篭にされる。彼女もまんざらではない。

・工藤祐経と五郎の対面。
通行証を貰ってこの場はお開きに。パラパラと上に引き上げられる屏風から現れるお殿様達の様式美がすばらしい。権力とはこうあったものか…曽我の話はここでおしまい。

・どろぼうが出てくる。銭湯のシーン。
娘達が男湯に入ってきてうろたえる番頭と、そいつらが女形だとわかった時の番頭の驚き方がおもしろい。「あれ~そんな、ごむたいな~」みたいな。六三郎は銭湯の修理に来て、おそのと再会したみたい。台詞とは関係ないところで演技をする番台さんが面白かった。

・ろくろくび、蛇女などの見世物小屋先のシーン。
徳次郎に手篭にされたおはんは、子をなすが、川に捨てられて鳥目に。赤子も九死に一生。
おはんは川に捨てられた所をこの小屋の人に助けられたらしい。彼女の赤ん坊が『オギャーと泣きます』

・おはんの敵討ち
おさけの中に蛇が入り、体が痺れている長兵衛をグサリ。逃走資金を届ける犬がナイス。

・ 六三郎の家のシーン
おそのを身請けしようとした六三郎だが、複雑な理由で止めたみたい。それどころか姉妹が紛失した刀が六三郎の家から出てくる?それが盗人に盗まれて、大詰めへ。

・大詰
幕開きの役者さんたちのポーズがカッコイイ。美しい。悪党達に囲まれた六三郎が大立ち回りを見せる。傘を使った絵が面白い。魚を干す網のセットの上下でアクションシーンが繰り広げられます。1回転技に拍手。
最後は紛失した刀を取り戻し、元の鞘に納まって大団円。



初めての歌舞伎観劇だったので、役者さんも誰が誰やら判りませんでしたが、それぞれの場が一枚の浮世絵のようで役者さんの動や台詞回しが面白かった。どうせ細かい所はわからんだろうと思っていたので、芸術作品を見るのではなく、映像や音を素直に楽しむつもりで見たら、その通りの面白さでした。殿様のキンキラの衣装も美しい。TVで見るのと全く違い異空間に入った様な舞台の雰囲気で、これは初めての体験でした。

カッコイイし、美しいしおもしろかったです。下世話ですが2500でこんなに良いものが見られるとはビックリでした。#でもサンドイッチとコーヒーで900円もした…

帰りはお堀沿いを散歩して、国会議事堂を見てから帰りました。



歌舞伎の勉強

2006年01月20日 | Art
歌舞伎のチケット、曽我梅菊念力弦をチケピで買う。¥2500は安い。初めてなので、勉強。浮世絵に見る曽我物語:トップページ曽我兄弟系図
                 伊東祐親(静岡伊東の豪族)
                  |    |
曽我-♥-満江-♥-X河津三郎祐康 辰姫(恋仲)-♥-源頼朝-♥-北条正子
 (再婚)       |    ↑殺害(領土争い)     
           十朗、五郎→工藤祐経(静岡の豪族で頼朝の家臣)↑
十朗、五郎の曽我兄弟の父の川津の仇の工藤祐経を討つ話だそうだが、そこまでは話が進まないみたいだ。(まだ前編なのかな)#『おはん長右衛門』の話は、桂川連理柵と関係ないのかなあ。世話物といったら、心中なのか。曽我が時代物でいいのか。時代世話になるのか…ってわからんね。歌舞伎が昼間に半日かけてやるのは、電気の無かった昔の名残なんですってね。(お相撲も)#ど素人の文章でスミマセン。とにかく楽しみです。

ビーケーワン:大江戸歌舞伎はこんなもの 橋本治

古写真(江戸~明治)

2006年01月17日 | Art
早稲田大学図書館WEB展覧会 江戸・明治幻景 -館蔵古写真とその周辺-


早稲田大学図書館のページで、江戸・明治時代の写真を見ました。上の写真は横浜の芝居小屋だそうです。
焼けて再建される前のぼろっちい金閣寺の写真が見られたり、鎌倉の大仏の写真では、大仏様に登って座禅をしたり、突っ立ている人が写っています。(おおらか?だなあ)名所、旧跡の写真でも回りに写っている人や風景が江戸時代なので、面白いです。

はてなアンテナ+RSSリーダー

2006年01月15日 | パソコン
RSSに対応していないサイトの更新チェックですが、私は最近はてなアンテナを使い始めています。
はてなアンテナでRSS未対応サイトの更新チェックをしてもらって、その更新チェック状況のページがRSSに対応しているので(私はFirefoxユーザーなのでsageでRSSのリンクを探した)、それをRSSリーダにチェックさせています。
#はてなアンテナで、うまくチェックしてくれないページもあるのですが。

http://a.hatena.ne.jp/

MyRSSも使っていますが、こちらはフリーで使えるのは10件までです。
http://myrss.jp/

RSSリーダーは更新がリアルタイムで判るので、作者が身近に感じられるところが良いですね。

ズーニーさん

2006年01月14日 | さまざまなことを!
少し前に山田ズーニーさんご出演のテレビを見た。

・要旨

過去→現在→未来の時間軸で現在の自分、他人を考えてみると…

1. 過去を評価されないと人はやる気を無くす。
2. 未来を見ない、語れない人は信頼されないし協力も得られない。

このことを、新しい起点に立った時、新しい起点に立っている人に出会う時に頭に入れておくと良いコミュニケーションが築けるかもしれない。
例として、新しい職場に来た人に、

-過去の仕事のことを評価しないことはマイナスである。
-未来を提示しないこともマイナスである。どうして欲しいか伝えるたほうが良い。

ズーニーさんご本人の体験談として、あるパーティーに出席した時の自己紹介で、

-自分はフリーランスとして、実績が無いことを伝えた
-これからどうしたいかを具体的に伝えた

以上を伝えたことにより、色々な人から協力や仕事の話が来たそうだ。
しめくくりのお言葉として、言葉の内容よりその気持ちを大切にしたいとのことでした。

新喜びも悲しみも幾歳月

2006年01月09日 | 木下恵介
新喜びも悲しみも幾歳月
1986年 昭和63年 松竹、東京放送、博報堂
監督 木下恵介
出演者 加藤剛, 大原麗子, 紺野美沙子, 植木等

加藤剛とその妻大原麗子、加藤の父親の植木等、加藤の3人の子供達の生活を描く。主役は植木等のじいさんか。
じいさんは小学校の元教師で転勤が多い息子の勤務先に旅行し写真に写すのが楽しみ。旅先で傷心の女紺野美沙子と出会う。自殺しようとしていた彼女だが、灯台の岬から飛び込むのが怖くなり、自殺はやめる。

経ヶ岬灯台・経ヶ岬レストハウス

彼女は加藤剛の部下の同じ燈台守の男と結婚する。彼が勤める海の上の小さな岩の島の水ノ子島灯台は凄いと思った。

水ノ子島灯台(水の子島灯台)・写真満載九州観光

じいさんは養子だったが、妻と上手くいかずに老年にして籍を抜く。彼は晩年を息子夫婦と過ごすことになる。夫婦の長女は海上保安庁のヘリコプターのパイロットと結婚する。ある日、家族や友人たちと久しぶりに食事会が開かれる。全員勢ぞろいしたところで、写真を写せと言うじいさん。じいさんは事あるごとにお嫁さんを褒めます。じいさんは『最後に見たかった安芸の宮島』を船の上から見て、この時は『写真は写すな』と言う。『最後に全員で撮った写真があるだろう』と。その後にあの世へと旅だつ。

世界文化遺産宮島

長男は海上保安庁の船員になる。海上保安庁のパレードに船員として参加した息子を見た母親は『戦争に行くんじゃなくて、良かった』とこぼします。
じいさんと同じ啄木好きの最年少の息子は、『少し変わったのがいたほうが、面白くて良いのよ』とお母さんに思われている。『啄木の良さが判るなら、これをお前に預ける。悲しい思い出になるから、わしが死んだら燃やしてくれ』と言われていたじいさんのアルバムをじいさんの言葉どおりに浜辺で焼こうとする。『これは僕のだ』と言って焼くのをやめる。このシーンで映画は終わります。

高度成長後の日本を映し出した木下監督74歳の作品。
しみじみと良いなあと思える作品でした。昭和を撮り続けた監督の作品は、過去から物語が始まり映画を作成した時点にたどり着いてラストシーンを迎えるものが多いようだ。初期の『陸軍』にしてもそうだし、老人の回想で語られる『野菊の如き君なりき』も。だからその時代を生きていない人が見ても、その時代の雰囲気が何となく理解できるのだろう。

全日本バスケ女子決勝

2006年01月08日 | スポーツ
毎年見ている女子の全日本バスケは今年もいい試合。数年前まではシャンソンとJOMO(共石)の決勝が殆どでしたが2年続けて別カードで今年は富士通が決勝進出。矢野良子が富士通に移籍していた。JOMOは浜口、大山に加えて矢野もいなくなって少し辛いのか。
試合はシャンソンが大差で勝つかなと思いきや、接戦に。最後の10数秒のスリルはバスケ特有の攻守の切り替えの早さが出て非常に面白かった。富士通が51―49でシャンソン化粧品を下し初優勝。
富士通は後半にディフェンスがはまり、シャンソンの得点を最小限に抑えたのが勝因か。シャンソンは長身の韓国人選手が出られなかったのも痛かったか。女子バスケは戦国時代のようです。いい選手がどんどん出て来て、またオリンピックに出て欲しい。
ところで、原田五月が活躍していたのって何年前だろう。

::::: WJBL official site ::::: バスケットボール女子日本リーグ機構

JABBA OFFICIAL SITE

香華

2006年01月08日 | 木下恵介
香華
1964年 昭和39年 松竹
監督 木下恵介,
出演者 岡田茉莉子, 乙羽信子, 加藤剛, 田中絹代, 三木のり平

芸者に身売りされた岡田茉莉子演ずる娘の人生。半玉というらしい。母親の乙羽信子は男にだらしなく、妻を務める辛抱も無いので女郎屋に売りつけられたりする。三回結婚した。娘は最初の夫との子供。娘は幼い頃に芸者家に売られ芸を仕込まれる。母親も女郎小屋に売られたりする。美人の娘は芸者として身請けされて東京へ。パトロンのおかげで経済的に安定するが、パトロンは彼女の三味線を聞くだけで肉体関係は無い。母親は娘の部屋に居候するがだらしないので娘は嫌がっている。また、陸軍学校の青年と付き合うようになる。母親のだらしない生活を見てきた彼女はストイック。好きになる男もストイックである。関東大震災で住んでいた家は壊れてしまう。ここで第一部完。
震災後にパトロンに宿屋を建ててもらい、女将として自立する生活を始める。この辺は芸者システムのいい所か。母親は娘に寄生していたが、尋ねてきたかつての芸者小屋?の男(三木のり平)と再婚し大阪に行く。娘が愛した軍人大学の男は彼女と結婚を望むが、興信所が彼女の母が女郎屋にいたことを突き止める。芸者はOKだが、女郎の娘はNGなので、彼女との結婚話はご破算となる。彼女は母親をいっそう憎むようになる。彼はその後に別の女と結婚して子供を作る。
太平洋戦争が勃発。短いシーンだが空襲のシーンの迫力と、破壊しつくされた街で焼け残った屋敷で、生き残ったお母さんと”お茶漬け”を食べるシーンは印象的。しばらく防空壕に住んでいたが、焼け残った値打ちものの食器で食べ物屋さんを商うことを思いつく。母親は尋ねてきた再婚相手と大阪に娘を残して行ってしまう。お店は成功して、大きな店を構える。このあたりはいかにも有吉の作品らしく、ちんけな言い方だが女性の経済的自立を描く。母親は大阪が嫌になりすぐに娘の家に戻って、あれこれとわがままを言う。終戦後、戦争犯罪者となったかつての恋人。彼女は面会をしようとするが、血縁者ではないので、なかなか会えない。ある日、面会者に欠員が出て彼女は、彼の家族の後ろから彼の姿を見て名乗り出る。そんな彼女を彼は全く無視する。その後、彼は銃殺。遺骨は米側で処理され、家族の元へは帰らなかった。彼女は大きな仏像を買い、仏間に奉納する。軍人の彼やなくなった彼女の母親の父違いの姉妹等を供養する。
ある日子宮ガンで倒れた彼女。彼女は子供を産めない体になってしまう。母親は彼女が倒れた時に、あわててかけつけようとしてジープに轢かれてついに死亡してしまう。
母の骨は母親の再婚相手と娘が半分ずつ引き取ることになる。彼女は母親が望んでいた最初の夫の墓に入れることを先方に頼みに行くが、無下に断られる。
彼女は養子を育てつつ、昭和39年を迎えてお話はお終いとなる。

日本の前近代がどういうものだったのか、なんとなく判るような気がする内容でした。結局孤独のまま一生を終える話になってしまうのは、実世界の反映なのか。いまや男も女も同じ様な悩みを持つ。

キネマ旬報 1964年度 第3位

大口通り

2006年01月07日 | 気まぐれ徘徊記(デジカメ)
・場所:大口通り、横浜 2005/12/31



去年の年末の大口通り。
商店街が日本からなくなりつつある昨今ですが、大口通りは昔と変わらない感じで元気でした。あまり見かけられなくなった古い個人商店もまだ多く、繁盛している感じでした。近所に新しいスーパーも作られているのですが、このまま残って欲しいなあと思いました。

笛吹川

2006年01月05日 | 木下恵介
笛吹川

1960年 昭和35年 松竹大船
監督、木下惠介
出演、高峰秀子 田村高廣 市川染五郎 岩下志麻 川津祐介 田中晋二 中村萬之助 加藤嘉 井川邦子 小林トシ子

戦国時代の戦(イクサ)の様子を農民夫婦の人生を通して描く。戦国時代なのでショッチュウ戦をしています。田村高廣、高峰秀子の夫婦は彼の父親の代から戦国武将武田信玄(おやかた様)の治める土地の川沿いのホッタテ小屋で生活をしている。彼ら一族は領主のおやかた様から色々無慈悲な仕打ちをうけるが、彼らの息子達は『おやかた様にお世話になっているだ』と言い、夫婦の『昔から、オレたちはおやかた様に酷い目に合わされ続けてきただ。』の問いただしも聞かず、逆におやかた様を尊敬してついていってしまう。息子達はたび重ねて戦に参戦し、娘も城勤めに取られてしまう。戦はおやかた様側の負け戦となり、終に夫婦の子供は戦や処刑(坊主と一緒に焼き殺される)で全員死亡。お母さんは息子達を連れ戻すために逃走中の軍に着いて来たが、孫も戦に巻き込まれて惨殺されてしまう。生き残りは年老いた田村高廣さんが一人で、川で米を研いでいるシーンで幕となる。
戦国時代の『陸軍』といった感じの作品でした。戦国武将なんて所詮こんな奴等なんじゃないの?美味しい汁を吸おうとして貢献しても、いいように使われちまうんじゃないの?と言っている。皆様もお気をつけあそばせ。アップのシーンが極端に少なく、TVだと役者の顔がよく解からず。岩下志麻さんのデビュー作らしい。

キネマ旬報1960年度 第4位

女の園

2006年01月04日 | 木下恵介
女の園

1954年 昭和29年、松竹
監督 木下恵介
出演者 高峰三枝子, 高峰秀子, 岸恵子, 久我美子

昭和29年あたりの京都の女子大学の学生vs大学側の闘争を描く。これ以前にも京都大学で警官ともみあうなどの事件も有ったらしい。この段階では後の学生運動とは異なり政治色は薄くまだ学園ドラマの感もある。

あらすじ

主な舞台は女子寮。高峰三枝子さんが厳格な寮母。高峰秀子さんは少し勉強についていけない女学生、岸恵子さんは普通の娘さん、久我美子さんは財閥の娘、あと今一人女学生のリーダー的な人物が登場するが女優さんの名前は解りませんでした。秀子さんは銀行に勤めたあと事情があって大学に入っている。ブランクの為勉強が遅れ気味。彼女には愛し合っている恋人が東京にいるが手紙を検閲されるなどの妨害あり。親の進める相手を拒んで、その理由付けで大学に通わせて貰っている所もある。恵子さんはまあ普通の学生さんで、おきがるに恋愛をしたりする役。美子さんは財閥の娘で、親が学校に寄付をしたりしているので、優遇されている。頭でっかちだが一生懸命である。彼女から『戦争の後でもうまくやって、家は結構儲けたのよ』とか、ラストの近くで、『当時の再軍備の為には平和運動は邪魔。平和運動は良い悪いは別にして、潰しにかかるのよ。』などの財閥令嬢の視点の重要な台詞がある。戦前戦後共通でアカは差別の対象のよう。財閥令嬢ゆえに皆から認められない面もある。

色々あって、ついに寮則の改善を求め学生と学校は全面対決となるのだが、それで数人が停学などの処分になる。恋や闘争、勉強や親からの仕打ちに神経をすり減らせてノイローゼ気味の秀子さんは終に自殺をしてしまい、学生たちはいっそう盛り上がる。

*

全編シリアスで、前半は学園ドラマ、途中から高峰秀子、田村高廣主演の恋愛映画になる。姫路城と蒸気機関車からハンカチを振り合う別れのシーンは見入ってしまう。
高峰三枝子さんの寮母は、若い頃に不倫した経験もあるが彼女からは『普通に人を好きになっただけ』とゆう主張もある。悪役の感じでは無く、一人身ゆえの規則を守る職業女性をまっとうしているだけの感もあるが女学生に対しサディステックな感じもある。横溝正史 や江戸川乱歩に出てきそうな女人である。彼女は亡くなった秀子さんと恋人の悲劇的な再開に泣き出し、久我美子さんに『ウソ泣き!』と一方的に攻められてしまうのですが、それも酷な感じがした。これも木下監督ならではの視点の置き方ゆえ感じられたのだと思います。

キネマ旬報1954年度 第2位(1位は同じ木下監督の「二十四の瞳」)

男はつらいよ 噂の寅次郎

2006年01月03日 | 日本映画
男はつらいよ 噂の寅次郎
1978年 昭和48年松竹
監督 山田洋次
出演者 渥美清, 大原麗子, 志村喬, 泉ピン子
あらすじ

マドンナの大原麗子は夫と別居中の女の役。熟年夫婦がメインで営む"とらや"は、忙しさを軽減する為に人を雇うことにして、そこにマドンナが勤めにやって来る。寅次郎は相変わらず旅のテキヤ。旅先で偶然にひろし(前田吟)の父親(志村喬)に出会う。彼のおごりで寅次郎は芸者を呼んで酒を飲み騒ぐ。学者風のひろしの父親は今昔物語の"死んだ妻の墓をあばく話"を寅次郎に話して寅次郎は少し神妙になる。古里の柴又に帰った寅次郎は例によって"とらや"で働くことになったマドンナに恋をする。

ある日、離婚届を出したマドンナはその足で"とらや"に勤めに出るが、寅次郎の無造作な問いただしに離婚したことを話させられ、『寅さん、私泣いちゃう』と泣き出してしまう。うろたえる寅次郎。後日、とらやの人達や寅次郎と食卓を囲むマドンナ。『明るい話をーしようょ』との寅次郎の問いかけに、とらやの人たちはそれぞれ話をするが、イマイチ冴えない。最後にマドンナが話しだす。『私のー。明るい話はーー。寅さんに会えたこと!』と話し、さらに『私、寅さん好きよ!』とまで言ってしまうマドンナ。みんなの前で、照れる寅次郎だが、家族はそろって怪訝な表情をみせる。

数日後、幼馴染でもある義兄弟が現れ、彼女の為に貯めた貯金を寅次郎に託し小樽へと旅立つ。寅次郎もなぜか義兄弟にマドンナを譲る形でまた旅に出てしまう。マドンナも結局、幼馴染でもある義兄弟を追って小樽に行ってしまう。

相変わらず、寅さんは諸国を旅し、旅先で出会った人達と再会する。旅の虚無僧や旅先で出会った女(泉ピン子)など。この女は映画の冒頭で自殺しそうな所を寅さんに助けられるのだが、新婚旅行中の汽車の中で寅さんと再会する。幸せそうにはしゃぐ女を、半ばあきらめの表情で見つめて、視線を車窓へと移す寅さんを写し映画は終わりとなる。

*

大原麗子さんは、かわいいとゆうよりあどけない感じで、こうゆう大人の美人が子供っぽい表情を見せると男は弱いんだろうか。最初から清純なタイプとはちと違う感じです。
『私、寅さん好きよ!』とまで言われた寅さんですが、義兄弟の出現であっさり身をくらましてしまうのは、放浪や失恋で傷ついたせいなのか、ああゆう男を評価しない世間の大人達のせいなのかは判りません。マドンナも義兄弟に恋愛感情があるわけでもないようなので、寅さんが逃げた感じでもありました。
寅さんがマドンナの誰かと結婚して子供を養いながら放浪する話があっても良かったような気がしますが、それだとシリーズにならなかったのかなぁ。

『我が息子よ!あれが帝釈天だよ!』

なんて駄目かな…