あとだしなしよ

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続姿三四郎

2007年02月19日 | 日本映画
続姿三四郎
1945年、昭和20年
監督:黒澤明
出演:藤田進、大河内伝次郎、月形龍之介

明治時代中期の柔道家、姿三四郎の話。前作の柔術家との戦いに引き続き、今回は空手家との戦い。太平洋戦争時の作品としてはプロパンガンダ性が少ないような気がした。三四郎の戦いは今でいう異種格闘技戦が主でアメリカ人ボクサーとの戦いもある。空手家役のまだ若い月形龍之介さんとその弟の河野秋武さんが良い味を出していた。今回の一騎打ちのシーンは雪の中で、このシーンに関しては風の中の前作の方がよかった気がしましたが、どことなくユーモラスな戦いです。最後、いかにも悪役とった空手家と三四郎が打ち解けるという珍しい展開で、むしろこのあたりに戦時中を感じたりした。役者の動きに音楽があわせてあったりして、カワイイ演出あり。黒沢映画の女性はこの頃から紋切り型のお姫様やお母様な感じがした。大衆娯楽作品といった感じの作品。

ところでこれはGoogle Videoで見ました…青空文庫の映画や音楽版も作ってほしいなあ。明治、大正の歌とか、手軽に聞きたいなあ…著作権が消滅しても値段据え置きなのかなあ。。

きりひと讃歌

2007年02月19日 | 
きりひと讃歌
1968年、昭和43年
手塚治虫

人が犬に退化する架空の病気「モンモウ病」の話。主人公は若い医者で、上司の教授にはめられてモルモットにされ、風土病の土地へ行き自身も発病してしまい、前途有望な青年医師から最下層の人へ転落させられる。(彼は医師会の組合員でもあった…)この病気は日本人などの東洋人や南アの黒人のみの発症かと思われたが、白人のプロテスタントのシスターの患者もいることが発覚…畜生の姿になってしまった彼女を白人優位主義の神父が銃で殺そうとする。ちなみに日本の風土病の村では、発症した人は神や同胞として受け入れられていた…主人公は土壌に含まれる有害物質が病気の原因だと推測するが、伝染病と主張する教授にもみ消され医師会から抹殺される。。主人公の周りの"たづ"や"テンプラ女"などの女性の描き方や主人公の医師の同僚の卜部医師の狂気など、みどころたくさんの名作。封建的な社会や、人種差別、環境汚染、メタモルフォーセスなども盛り込まれ、手塚治虫のライフワークにしていることが全て書いてあると思われる。