「花咲く港」 (1943年松竹)
監督:木下恵介
出演:小沢栄太郎、上原謙、水戸光子、笠智衆、東野英治郎
木下恵介監督のデビュー作の映画です。(*ネタばれあり)
時代は太平洋戦争の開戦前です。
舞台になった島がどこだかわからなくて日本の植民地かと思っていたら、九州のどこかの島らしい。ペテン師と純朴な島民との物語で、このペテン師は造船関係の社長のペテン師で、出資金を募って持ち逃げをしようと企んだ。が、まわりの人があまりにもいい人達なのと、国への忠誠心に負けてぐずぐずしている間に、本当に船を作ってしまい、最後はお縄となってジエンドでした。
太平洋戦争開戦時の高揚感と、後の反撃されて被害を受けた時の人々のあわてぶりの対比が印象深く、みんな(群集)が一つの所を目指してかけて行くシーンがクライマックスになるのは、この時代の映画の特徴なのでしょうか。東野英治郎扮する出資を渋っていた人の心変わりもそうなのか。
このペテン師さんが、東宝のサラリーマンシリーズに出てきそうな人で良かったです。
追記))
舞台になった島は島原の天草とのことでした。
木下恵介のデビュー作。戦時下の天草が舞台です。ペナンから”唐くだり”して旅館を営むおかの、同じくペナン帰りながら子はあるのに文無しのおゆき、太平洋戦争の始まりでバタビアから志半ばで戻ってきたせつ代、この3人のからゆきさんが登場します。
からゆきさんの小部屋より引用させて頂いています。
この文章を初めて書いた時は古い日本映画のことなど何も知りませんでしたが、大スターの競演だったのですね。