工作台の休日

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2024年4月 和泉宏隆さんの楽曲と共に

2024年05月10日 | ときどき音楽
2021年4月に急逝されたT-SQUAREの元キーボーディスト、和泉宏隆さんを偲ぶ企画として「T-SQUARE Family plays the great works of Hirotaka Izumi:和泉宏隆@Blue Note Tokyo」がブルーノート東京で開催されました。私も初日、3日目を現地で、2日目を配信で拝見したのですが、感想などを書いてまいりたいと思います。



ハイボール風のカクテル、代表曲から採った「宝島」という名前でした。軽めではなく、しっかりとしたお酒の味でした。

4月26日
メンバー T-SQUARE alpha:伊東たけし(sax,Nurad,fl)坂東慧(ds)
サポートメンバー:則竹裕之(ds)・須藤満(ba)・宮崎隆睦(sax,Nurad)・白井アキト(key)・外園一馬(gt)
1.Labyrinth Of Love
2.Anchor's Shuffle
3.Dandelion Hill
4.White Mane
5.Rachael
6.Twilight In Upper West
7.Breeze And You
8.El Mirage
9.Omens Of Love
enc.Takarajima

 則竹さん、須藤さんといったサポートメンバーが入ったこの日は、1987年~1990年頃の曲を中心に、さらに伊東さんが抜けた後の90年代の曲もいくつか演奏されました。私はアリーナシートでしたのでミュージシャンが近い(!)。
1、4については1990年のアルバム「NATURAL」から。White Mane、アコースティックなところが大好きな曲です。Dandelion Hillに続いてだったので嬉しかったな。
 この日は1989年のアルバム「Wave」から「Rachael」を持ってきました。ライブでも演奏したことがないのでは、ということで、確かにこのアルバムですと、和泉さんの曲なら「Route405」が明るく、また伊東さんのサックスにもマッチしていてとても好きですし、バラードは安藤さんの「Still I love you」という曲が好きです。Rachaelについては正直なところ聴く機会の少ない曲でしたので、逆にこうやって発掘して、ライブで演奏されることで、私自身も再発見という感がありました。坂東さんがすごく好きな曲、と言っていました。須藤さんは「演奏した記憶があまりなくて耳コピしました(笑)」ということでしたが、もちろんみなさんの演奏も素晴らしかったです。
 2では伊東さん、宮崎さんのデュオが光りました。
バンドを代表する曲となった「TRUTH」が入っているアルバム「TRUTH」からは、6と7の2曲が。このアルバム、アルバムタイトル曲が結果として目立つ形となりましたが、実は収録された9曲が名曲揃いで「Twilight~」もバンドを代表するバラード曲ですし「Breeze~」もライブで盛り上がります。
 和泉さんの思い出を当時のメンバーが語っていましたが「衝突もあったけど、最後には(仲直りして)何度ハグしたことか」と伊東さんが語れば、伊東さんと和泉さんがぶつかっている間、巻き込まれないように後ろ向いて機械のつまみいじったり、戻したりしていた、と須藤さんが話していたのも、うーん、その場の空気だと年少のメンバーは余計にそうなるよなあという感がしました。
 El Mirage→Omens~とここで盛り上がらなくてどうするの、というくらいに素敵な曲が続き、アンコールは宝島でした。Dandelion Hill(92年)、 Anchor's Shuffle(97年)を除けば伊東さん在籍時代ですし、私にとっても高校生から大学生の時代の曲ということで、しばしあの日に戻った一夜となりました。近所のレコード屋さんで発売日に合わせてCD買いに行ったり、バイト代握りしめてCD買ったなあとか、貧しいけれどそれはそれで楽しかった青春の日々です。バンドにとっても勢いがあり、また全国各地でコンサートを行っていた密度の濃い時代でもありました。
この夜のキーボードは白井さんでしたが、バラードにアップテンポの曲と、どの演奏も素晴らしかったです。特に「Twilight」と「宝島」の演奏が印象に残っております。


4月27日
T-SQUARE alpha:伊東たけし(sax,Nurad)坂東慧(ds)
サポートメンバー:久米大作(key)・田中豊雪(ba)・長谷部徹(ds)・外園一馬(gt)
1.Merylu
2.From 03 To 06
3.Cry For The Moon
4.Leave Me Alone
5.Cape Light
6.Forgotten Saga
7.Travelers
8.Mistral
9.Omens of Love(2nd のみ)
10.TAKARAJIMA

この日は完全に80年代前半から半ば縛り、という一夜で、私は家で配信を楽しみました。この日の楽曲は「うち水にRAINBOW」(83年)から「SPORTS」(86年)までの曲で、ポップス色が強い感があります。「From 03 To 06」は「Reunion」などでも演奏される機会があり、私も好きな曲ですが、曲のラストにオリジナルにはないギターとサックスのデュオでとても盛り上がっていたところがライブならではですね。外園さんも自身のXに「初日はボランチだったけど、二日目はフォワードになったくらい」と前面に出ての演奏でした。3~6にかけてはしっとりと聞かせる曲が続いていました。いずれも私のお気に入りばかりです。7のTravelersはサントリーのCMで伊東さんをお茶の間に知らしめたナンバーです。その伊東さん曰く「Travelers」や和泉さんのバラードで僕というミュージシャンを決定づけたということで、衝突もしたけど和泉さんと伊東さんはお互いにバンドにとって特別な存在だったということでしょう。伊東さんが「Omens~」のレコーディングでウィンドシンセで吹くべきところをサックスで吹いて和泉さんを怒らせた、という話は以前からされていましたが、当事者の一人の田中豊雪さんは「あの日のリハーサルはそこで(和泉さんが怒ったところで)お開きになったと思う」と言っていました。
キーボードの久米大作さんは和泉さん加入前のメンバーですが、ミニクーパーの車内で和泉さんを自身の後任として誘ったエピソードを披露され「あれが無かったら宝島は生まれなくて僕の無人島になっていた」と笑いを誘います。
配信でもかなり盛り上がったこの日の演奏、現地で観たらもっと心に響くものだったのでは、という思いを強くしました。


4月28日

T-SQUARE alpha:伊東たけし(sax,Nurad)坂東慧(ds)サポートメンバー:本田雅人(sax,Nurad)・松本圭司(key)・田中晋吾(ba)・外園一馬(gt)

この日は「かつお風味の本田氏」(Ⓒ和泉宏隆さん)こと本田雅人さんが入り、本田さん時代の曲も随分と入りました。現地では1stを観ました。ステージサイドでベースの田中晋吾さんがよく見える位置です。夜の2ndステージでのこと、伊東さんが坂東さんの紹介を飛ばしてしまったということで、事務所の青木代表から「愛のカンペ」が出されていました。「フォローよろしく 配信してる」とあって、メンバーやバンドのSNSでもカンペが紹介されていましたね。こういうのもライブならではです。私が見た1stステージでも、お店のスタッフが本田さんに何か見せに来ているのが見えました。
個人的には5と6のバラードが印象に残っています。両方とも好きな曲ですし、伊東さん時代の6の一節を本田さんが、逆に本田さん時代の5の一節を伊東さんが吹くと、オリジナルにはないそれぞれの特徴のある音が出ていました。7の「Triumph」も大好きな曲です。この曲の入った「Welcome to the rose garden」のリリースからそろそろ30年なんですね。この曲も古さを感じさせません。この日のキーボードは松本さん。三日間で三者三様の「宝島」が聴けて良かったです。
1.Anchor's Shuffle
2.Breeze And You
3.Beyond The Dawn
4.Labyrinth Of Love
5.Sweet Sorrow
6.Twilight In Upper West
7.Triumph
8.El Mirage
enc.Takarajima

三日間の感想を記してまいりました。中には3日間、6ステージすべてに「皆勤賞」といううらやましい方もいらっしゃったようですし、5月連休中の「偲ぶ会」などに参加された方もいらっしゃるかと思います。現地、配信含めて皆様もそれぞれ印象に残った曲、演奏があるのではないかと思います。これからもこういう機会があれば、ぜひ観に行きたいです。

和泉さんのスクエア時代のアルバムから

(1982年 「脚線美の誘惑」より。この年より加入しました。左上が和泉さん)


(1990年 「NATURAL」より。左端が和泉さん。この頃ちょうど私も前髪にパーマをかけていて、音楽好きの後輩から「和泉さんに似てますね」と言われて嬉しかったことを覚えています。相変わらず単純だなあ)


(1997年 「BLUE IN RED」より。右端が和泉さん。このアルバムをもってスクエアを離れます)



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