goo blog サービス終了のお知らせ 

工作台の休日

模型のこと、乗り物のこと、ときどきほかのことも。

現代アートとプラモデル!?

2023年03月09日 | 日記
ワタリウム美術館で開催の「寄生するプラモデル 加藤泉」展を観てきました(3/12まで)。加藤さんは絵画、彫刻(木彫)で活躍されているアーティストですが、コロナ禍で展覧会が延期になる中、スタジオでプラモデルを作っていたそうです。そのうちに昔の昆虫や動物などのプラモデルを作るようになり、作品に使えそうだ、ということで本人制作の木彫につけたりといったことから、自身のアートに「寄生する」作品が誕生し、この展覧会に至ったようです。さらには自身のアイデアを具現化すべく、石をプラモデル化して、自身で昔の洋物キット風の箱絵やポスターなども作って「作品」としています。
 昔のキットを組んだ、ということでしたがマルサンやレンウォールなどの人体、動物の骨格、内臓などが透明パーツで透視できるキットも惜しげもなく組んでいます。いや、プラモデルですから組んでこそなのですが、マルサンの「忠実なる犬」とか馬や牛、昆虫と言ったキットは写真では見たことがありますが実物は初めて観ました。切手ならば昔の「見返り美人」や「月に雁」を定形外の封筒に貼っているような、そんな感じがしました。継ぎ目やパーティングラインもあえて残すどころか強調しているものもあって、組んだものをジオラマっぽくしたり、自身の作品と組み合わせたりということで、こういう形でプラモデルが「アート」になるのも面白いなあと思って観ておりました。古いキットだと継ぎ目を消したりするのは結構大変なので、あえてそれを活かす、というのは見せ方としてはありかなとも思いました。
 会場内には作者が手掛けたキットの箱が壁一面に並べられている部屋もあり、それこそ初めて実物を見たヴィンテージキットの箱から東欧の初めて見かけるキット、さらには「これ作ったことあるな」とか「沿線在住ベテランモデラー氏からいただいたけど作っていないポーランドのキットの箱」もありまして、それぞれの箱絵が語りかけてくるようでした。豊かさの象徴みたいな昔のアメリカのキットから、単色刷りの東欧のキットまで、なかなか並べて見るという機会がないので興味深かったです。
 そのあともう一つの作品展に出向いたのですが、それはまた次回に。


 
 

  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする