工作台の休日

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Bottle of Britain

2018年12月16日 | 飛行機・飛行機の模型
あらあら、つづりを間違えてますよ。それはBattle of Britainでしょ、と言われそうですが、そういうキャッチフレーズを持ったビールの話です。
 イギリスのシェパード・ニーム醸造所というところで作られているビールに「スピットファイア」という銘柄があります。この醸造所、17世紀の終わりごろ(日本で言うと元禄年間ですね)に創業し、イングランドでは現存する最古の醸造所だそうです。
 いろいろな媒体で紹介されていますし、大きなスーパーや輸入もののお酒に強いお店で手に入るため、お飲みになった方もいるかと思います。また、私の周囲でも当地のパブで飲んだ、という声を聞いたことがあります。
 そう、スピットファイアというのはまさしく戦闘機のスピットファイアのことで、バトル・オブ・ブリテンと呼ばれたイギリス本土防空戦で活躍し、イギリスを救った戦闘機であります。
 このブログの読者なら今さら説明の必要もないのですが、バトル・オブ・ブリテンとは、第二次大戦中にナチス・ドイツがイギリス侵攻を企図し、多数の航空機によりイギリスを屈服させようとした戦いで、1940年夏から秋にかけて、ロンドンなどの大都市を含め、イギリス各地に連日連夜の空襲が行われました。
 イギリスはここで、持ち前の忍耐と敢闘精神を発揮して(もちろん、技術的な優位やドイツ側の限界もありました)ナチス・ドイツの野望を退けたわけですが、空の主役だったスピットファイアは流線型のスマートな機体も相まって、今でも大変な人気を誇っています。
 そんな「英雄」ですので、当然ビールの銘柄になってもおかしくないわけですが、もともとはこのビール、バトル・オブ・ブリテン50年を機に作られた銘柄だそうです。
 そして、このシェパード・ニーム醸造所ですが、イギリス南東部ケント州にあります。ケント州はドーバー海峡、さらにはその対岸のヨーロッパ大陸にも近い場所ですので、連日スピットファイアが本土防空のために飛び交っていたことでしょう。それを思うと醸造所の場所にちなんだビールとしてこの名前をつけたのもうなずけます。
 写真で見るようにアンバー(琥珀)色のエールビールで、たっぷり500cc入っています。イギリスで言うところの1パイントには少し足りないでしょうか。ボトルのラベルにはスピットファイアのシルエットが描かれ、首のところには「Bottle of Britain」と入っています。
 手前の飛行機、右はエアフィックス1/72のスピットファイアMk.1、左がハセガワ1/72のホーカー・ハリケーンです。スピットファイアのキットは近年公開された映画「ダンケルク」の影響もあってか、模型屋さんでもよく見かけました。
 このタイプですとまさにバトル・オブ・ブリテンの頃の機体となります。スピットファイアについては近年のエアフィックスらしい組みやすいキットで、若干彫りが深い分、パネルラインの墨入れなどの練習にも好適です。マーキングはタミヤのキットから一部流用しています。
 ハリケーンもスピットファイアと同様、本土防空のために奮闘しました。無骨なハリケーンも私の好みであり、また、スピットファイアが主に対戦闘機との戦闘で、ハリケーンが対爆撃機との戦闘で戦果を挙げており、そういう意味ではバトル・オブ・ブリテンの立役者でもあるので、一緒に登場させた次第です。
 さあ、ビールがぬるくならないうちに乾杯しましょう。英独のパイロット、そしてあの時代を生きた人々に思いをはせながら。


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