鈍いなまくら刀で社会を斬る!

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アハ体験と東ロボくんの失敗の本質

2019年05月10日 01時15分00秒 | 考え事
茂木健一郎と新井紀子の共通点があります。

知らない人の為に肩書だけ書いておきますと
茂木健一郎の肩書は脳科学者で、
新井紀子の肩書は数学者(AI研究者)です。

茂木健一郎は、電気生理学、分子生物学、医学など重要な知識が欠けていたため
研究がストップして、それ以上は進めなくなりました。そこで葉加瀬太郎や高嶋ちさ子が
才能の限界により芸術を極めるのではなく広げる方向に進んだように「脳科学」を
広げる方向、広く知らしめる方向に進みました。

一方、東大に入るためのロボット「東ロボくん」を研究していた新井紀子も
コンピュータ・サイエンスの能力が圧倒的に足りなかったため、挫折しました。
そして彼女もテキストの理解について広める教育の分野に進みました。
ちなみに「東ロボくん」は彼女ではなくGoogleの人なら実現出来たプロジェクトでした。

茂木健一郎は「脳科学」の方は行方不明ですがタレントとして個人的に頑張っています。
新井紀子の方は「東ロボくん」の100倍良いことをはじめました。
板橋区の区立小学校・中学校と組んで「RST(リーディングスキルテスト)」というのを、
今年度(2019年度)から始めるそうです。

これはとても良いです。

ヤフコメを見ていてもそうですが、短い記事さえ理解出来ていない、
日本語を読めていない人が多すぎます。
ここで言う「読めていない」というのは、日本語として目で文字を追っているけれども
文章の意味を理解していない、もしくは理解できないことを指しています。
読めていない人同士が、感情的な言い争いをしているのですから、生産性ゼロどころか
マイナスでしかありません。

それをあぶり出すテストと理解を促進させるメソッドの確立ということをやり始めました。
新井紀子は才能の限界で「東ロボくん」で挫折しましたが、良いものを見つけました。
茂木健一郎様におかれましては、頑張りましょう。

二人の研究の敗因は、有り体に言うと「研究者としての能力が不足していた」
ということになるのですが、本質的な敗因は、二人共、そもそもの問いの立て方(リサーチ
クエスチョン)が自分の得意分野と違った、というのが本質的な敗因であり、
これこそが二人の共通点になります。

このリサーチクエスチョン(Research Question)というのは論文や研究において
最も重要なものです。深掘りすると長くなるので稿を改めますが、
リサーチクエスチョンの設定ミスが二人の共通点であり、致命的エラーであり、
悲しい結末につながった真因なのです。

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