鈍いなまくら刀で社会を斬る!

デザイン・サッカー・世の中など思ったことを(出来るだけ)冷静に、(極力)論理的に

決裁とは何か(シリーズもの8)

2018年05月28日 23時37分22秒 | 決裁・稟議
前回

次に決裁のやり方と体裁を見ていきましょう。

決裁のやり方は決まっています。
基本的にはワードなどで文書で書いてプリントアウトして申請し、それを判断すべき立
場の人間が、承認する場合、ハンコかサインを日付入りでする、というやり方になって
います。これはデジタル化(オンライン化)されていても同じです。文書がネットワー
ク経由で回ってきて、ブラウザ等で閲覧して、問題ないと判断すれば、クリックしてデ
ジタル署名(=デジタルのハンコ捺印)をします。

たまに、デジタル化されているのに「プリントアウトして持って来い」というオジサン
がいますが、それは同情しつつ寛大な気持ちでプリントアウトして持っていってあげま
しょう。

そして、体裁は「文章/必要項目」+「ハンコを押す欄」というのがその基本的な
体裁です。文章や列挙してある項目を読んでその内容が会社もしくは組織としてOKで、
自分の立場から合理的な説明がつくものであるなら、自分のハンコを押す、というもの
です。いま話題になっている例の財務省近畿財務局の決裁文書も同じです。書いてある
ことの中身がOKだったら、ハンコを押すということをしています。

そして具体的な決裁文書のフォーマットですが、とてもシンプルでいろいろ自分で書け
るようになっています。項目はこのような感じで、ほぼ大枠だけあって、あとはフリー
記述ということになります。

1.件名:
2.起案日:
3.起案者:
4.管理番号:
5.内容:
6.相手先:
7.金額:
8.サイン欄:

先に例に出した、決裁の1類型である交際費や交通費などは専用フォーマットがほとんで、
物品購入の場合も専用フォーマットを使うこともあります。ですので逆にそれらが「決裁
行為」であることが忘れられがちですが、本格的な決裁はフリー記述がほとんどです。

5の内容以外は、だいたい自動的に決まるかと思います。
他は小さな枠だったり、一行しかないですが、この5の部分だけは大きなスペース
(だいたい、全体の2/3くらい)になっていてフリー記述が出来るようになっています。

この5に書くことは
(1)何を判断する決裁か
(2)概要
(3)特記事項
この3つだけです。

(1)何を判断する決裁か
判断して欲しい事柄は何かを端的に頭書きとして書きます。
例えば
「新アプリの検証を目的に、スマートフォンを購入してよいか伺います」
などと簡潔に一文で書きます。
「〜を目的に、〜してよいか伺います」がお約束のフォーマットです。
自分がこの決裁で決裁者に何を判断してもらいたいのか、自分でキチンと理解して
明確にしていないと、意外と書けません。この部分はダラダラと書かないで
決裁者が「これから私は何の判断を迫られるのだろうか」と覚悟させるよう
簡潔に書くところです。

普段、上司と話す時、いきなり「料金100万円で決めていいですかね」などとは
言わないですよね。必ず「先日の●●社との新規取引の件ですが」と前振りして
上司にその案件を思い出させてから「料金100万円〜」と言うと思います。
それと全く同じです。まずは決裁者にどの案件について、何の判断を求めている
のかを書いて、宣言しておくことが必要です。

(2)概要
今回の案件の概要を書くのですが、フリーフォーマットですので、背景や経緯も
含めつつ、こちらも簡潔に書きます。特に本件と何か関連している案件が
あれば、それも書きます。

例えば背景と経緯はこんな感じです。

「現在、●●社との■■アプリプロジェクト(決裁管理番号01-001)を進めて
 いるが、開発中にスマホ新機種が複数機種発売された。その為、検証用として
 次の端末が必要となった」

この例で「決裁管理番号01−001」と書いてあるのは、このプロジェクト自体を開始
する時に承認を得た決裁文書の参照先を明記して、そもそもが、承認を得たプロジェ
クトを進めている中で、必要となったスマホなんですよ、ということをわかりやすく
書いているわけです。

・機種:Xperia XZ
・選定理由:アプリの動作検証の際、画面解像度が1920×1080である必要があった為
・金額:80,000円(税抜き)+6,400円(消費税)  合計86,400円
・購入先:格安電気秋葉原店
・購入先選定理由:価格ドットコムで調べたところ、最も安価であった為
・端末管理者:祖兄太郎
・添付資料:価格ドットコムプリントアウト

という感じです。

どんなプロジェクトを進めていて、なぜこの端末を買う必要があるのかを
客観的にそして誤解が起きないように記入します。何も知らない人があとから読んだ時
解釈に幅が生じないようにして書いていきます。

例えば、端末は複数発売されたのに、なぜXperiaXZだったのか、という理由ですが、
何も知らない人が、先入観なく後から読んだ時に、理由が書いてなければ
「デザインがカッコいい」とか「自分が欲しかったから」選んだのか?と曲解する可能性が
出てしまいます。そういう事を思われないように1つ1つ、重なりなく漏れなく書いて
行く必要があります。

今回、アプリ動作検証で使うのであれば、そのアプリ検証の要件が

こうなって

・1920×1080サイズの画面
・OSはAndroid
・CPUはMSM8996
・メモリが3GB
・一番売れている(=多くの人が持っている)

いるから、この機種にしました。
そして、この機種を買うにあたっても、価格ドットコムで価格を比較して最安値の
業者から買っています、

と書いてあれば、あとから誰が読んでも、この正当性を否定することは出来ません。

しかしながら、あまりに細かく書きすぎると承認する側が読みきれませんので、
ある程度、抽象化したり、詳細は添付とリファー先を書いていくようにしていきます。
例えば、検証を行うアプリについて、細かく説明を書き始めたら、読む方は読みきれ
ませんが、もしかして後からその部分が気になる人も出てくるかもしれませんので、
添付資料でアプリ概要をつけておけば、完璧です。

そして最後に

(3)特記事項
を書きます。
ここには、普段ではあまりないことをやる場合にそのことについて書くセクションです。
例えば、今回購入するスマホですが、検証のために購入したらアプリ開発会社に貸し出す
必要があるとしたら、それを書いておきます。

「なお、本端末はアプリ開発を委託している株式会社亜府里にアプリ納品時まで無償で
貸与することとする」

とか書いておきます。自社で買った端末は普通、当然、自社に置いて管理します。
しかし今回は、特別、かつ正当な理由がありますので、包み隠さず特記事項として
予め書いておきます。

もし、貸与している端末を委託先が紛失した場合、決裁に書いてあれば「しょうがない」
ですむかもしれませんが、書いてないと「勝手に貸して、失くしやがって」と
八つ当たりのような非難を受ける可能性が出てきます。
ですので、普通ではあまりないことや、特別な条件などがある場合は、必ず特記事項に
書いておきましょう。

つづく

シリーズもの1

日本の国益と北朝鮮

2018年05月27日 18時07分27秒 | 考え事
アメリカと北朝鮮との首脳会談があるかもしれないし、ないかもしれないという
状況ですが、その中で

「日本は取り残されている」
「いや、取り残されていない」
「独自路線でいくべきだ」
「仲介役をやったほうがいい」

と、論調は色々と出てきています。
このバラバラで、根拠がなく、議論になりにくい感の論調は、
つまるところ政治家には、ちゃんと日本の国益を考えて欲しいのですが、
政治家の皆さん大丈夫ですかね?という国民の不安が出てきているのだと思います。

誰がどう考えても、日本の国益のベストシナリオは、

「北朝鮮という手付かずの市場に日本製家電や車を売りまくること」.

です。
まずはこれを目指した/ここから逆算した戦略を考えてほしいと思います。

よく考えてみてください。いや、よく考えなくてもわかりますが、
いきなり2,500万人の市場が出来る、それも目の前に。
これはとても大きいインパクトです。
それも、まともな家電や車を持っていない2,500万人です。
ここに売り込みをかけるだけでも相当儲かります。

ですので、ここを日本の目指すゴール、第二次朝鮮特需だと捉えて政府には戦略を
練って欲しいのです。

そのような特需をつくるためには、当然、平和になって、北朝鮮側と自由に商売
しても拉致されたりしない、という当たり前の状態が必要です。

それをつくる為には、まずは韓国を中国と北朝鮮側につかせないことが重要です。

今の韓国の大統領は、南北統一のためなら韓国を中国(=北朝鮮)に売りかねません。
南北の統一が実現するとしても、中国主導の統一になってしまいます。
この「中国の影響下にある統一朝鮮国家誕生」という最悪のシナリオを絶対に
避けなければなりません。

もしそうなったら、韓国も中国影響下になり、まともな商売が出来なくなりますし、
軍事的にも中国の比じゃない近さに敵が生まれてしまいます。

これで儲かるのはアメリカの軍産複合体関連企業のみです。
アメリカの言いなりに日本は武器を買い続けるという、対アメリカ的にも最悪の
シナリオになってしまいます。

そうならないよう安倍首相を筆頭に政治家の皆さんには動いて欲しい訳です。

日本の国益である、2,500万人のマーケットに日本製品を買ってもらうところから
逆算して「バスに乗るのか」「バスに乗らないのか」とか、目先の方針を決め、
少しでも多くの国益を手中に収めていくことが、政治家の役割なのです。


決裁とは何か(シリーズもの7)

2018年05月26日 14時03分46秒 | 決裁・稟議
前回

そして、発注方法と納期と適切な価格が判明したら、実際に発注です。

当たり前ですが、発注は決裁の承認が下りる前にやっては絶対にいけません。

いくら家電量販店から「急いで」「この価格は明日まで」とせかされても、発注は必ず
承認の後です。「どうせ承認おりるから」と発注日付が承認日付より前、ということが、
もし監査の時などに発覚したら、あなたが勝手に発注した、あなたが会社の金を勝手に
使ったということで、業務上横領の刑事罰に問われる可能性が出てきます。明後日にな
ると価格が上がり、会社が余計にお金を払わなければならないとわかっていても承認前
の勝手な発注は絶対にしてはいけません。

話を戻して8万円のスマホと2万円のプリンターですが、カタチのある物品ですから、会
社の所有物として管理する必要がありますので、情報システム部門(情シス)から管理
番号を振られて、テプラでかっこ悪いシールを貼られたりします。

会計的に言うと、8万円と2万円ですから消耗品として、経費として一発で落とすことが
出来ます。ただ、iPhone等の高級(?)スマホになると、10万円を超えてきますので、
償却資産扱いになり、そうなると場合によって6年で償却とか、一括で3年償却とか、そ
ういうこともあるかも知れません。

償却とは簡単に言うと、10万円を6年で償却という場合、
10万円÷72ヶ月(6年)=1,388円。
毎月1,388円を経費(費用)として売上からひいていく。ということになります。
キャッシュは買った瞬間に1回で出ていきますが、それをまとめて1回の費用と考えて
計上してしまうと経営状況が正確に把握出来なくなってしまいますので、分割して、
使った分だけ費用化していこうと考えるのです。

これは複式簿記の基本的な考え方なので、興味のある方は複式簿記を勉強してみると良い
かもしれません。

例えば、何か10万円の機器を買った時、その日に1回使って10万円分の価値がなくなった
ので使い捨て(=価値が0円)ということは、普通はありえませんので、その機器が6年く
らいは使えるだろうから6年間使えば6年後には古くなって価値も0円になる、つまり6年
(72ヶ月)で毎月毎月ちょっとずつ価値が目減りしていく、という考え方です。この6年
というのは使い続けられる年数ですので「耐用年数」という正式名前がついていて国税庁
が決めています。

よく区役所や古い事務所で使ってる灰色っぽい金属の机とか椅子は15年、パソコンは4年、
軽自動車は4年、自転車は2年、鉄筋コンクリートの建物は50年とかです。

今回例に上げたスマートフォン、スマホは、お役所が新しい技術に対応出来ていないという
よくあるパターンで、実は正式なところでは国税庁は耐用年数を掲示していません。
一般で使うリヤカーは4年、業務用のリヤカーは2年と割と細かく決まっていますがスマホ
は決まっていません。ですので現状は税理士や監査法人が場合によって解釈し、実例を積み
重ねているという状態です。

スマホは、小さなコンピュータであると解釈すれば、パソコンと同等であると考えて4年。
通信機器として考えるなら、電話設備その他の通信機器で、設備以外のもので10年。
カメラと解釈するのであれば、光学機器で5年。
音楽を聴く為の機器であれば、音響機器で5年。

と、色々な解釈が出来るのが実情なのですが、どちらにせよ、我々の今の常識から考えると
「そんな長く使わねーよ」だと思います。
パソコンの4年でも長い。通信機器の10年などあり得ないかと思いますので、実情に合わ
せるのなら3年に設定するのがReasonableかと思いますよ、国税庁さん。
ちなみにこれらの情報は国税庁のホームページに載っていますので見てみると面白いです。

みなさんが大企業にいるようでしたら、そのスマホさえなくしたりせず、キチンと管理さえ
しておけば、償却とかは大して気にしなくて良いですが、小さな企業や個人事業主の人は、
会計上の償却については注意が必要です。税理士とよく相談しましょう。

つづく

シリーズもの1

小泉進次郎コメントの編集の巧拙

2018年05月26日 13時08分08秒 | 考え事
働き方改革法案強行採決後の、小泉進次郎のコメントの編集が気になりますね。

NEWS23では強行採決のあと、
「こんなこと先進国では考えられない!」とコメントした映像を流しています。
強行採決を図った、自民党執行部に対してNOと突きつけたコメントです。

しかし、NHKの9時のニュースでは強行採決のあと、
「野党は散々、委員会を欠席しておいて、質問時間がないとか言い出している、
こんなこと先進国では考えられない!」
とコメントしています。野党にNOを突きつけたコメントです。

どっちも数字が取れそうなコメント編集ですが、
今の国民の気分だとNHK編集の方が数字取れそうなコメントですね。
TBSよりNHKの編集のほうが、上手(うわて)です。稼げる。
TBSは反省するように。

この例からもわかるように、先日も日大の広報の話でも書きましたが
マスコミ(テレビ局・新聞・雑誌)は、ジャーナリストの集まりではなく
会社の売上を増やすための勤め人の集まりです。

サラリーマンとして会社からお給料を貰っていますので、会社の方針には
逆らうことはできません。
ジャーナリストであれば、社会正義や自分の考える正義を貫きますが、
ただの勤め人ですので、そんな正義を貫いて給料がもらえなくなったら大変なことです。
家のローンが払えなくなってしまいます。
ですので、当然、毎月ちゃんと給料を貰えるよう、サラリーマンとして
会社の方針や会社の命令を守り、ジャーナリズムとは関係のないところで
売上・視聴率・部数第一に、大過なく過ごすことを考えるわけです。

この精神は、ホリエモンのフジテレビ買収時にも、マスコミ自らが表現しています。

「ホリエモンが経営者になったら報道が偏向する」と。

本来ジャーナリストは、経営者や雇い主が誰であれ、社会正義や自分の正義を貫きます。
ですので、フジテレビ大株主のホリエモンが「弱者は自己責任で弱者だから切り捨てる
よう報道しろ」と言ってきたら、「ふざけるな、弱者を守るのが社会や政府の役割だ、
なめんな」と言って逆の報道をし、「弱者を救うなんてクソだ、お前クビ」と言っている
ホリエモンの言葉を録音して、自分がクビになったとしても世間に発表するのです。
それがジャーナリストです。

しかし、彼らは
「ホリエモンには賛同出来ない」
「でも家のローンがあるのでホリエモンの指示を守らなければならない」
「だから、ホリエモンがフジテレビの経営権を取るのは断固として反対」
と明言し、行動したのです。

マスコミの行動原理は勤め人として、売上・視聴率・部数を伸ばすということにあります。
この資本主義の原理に基づいた組織に所属する勤め人は、家のローンを払い終わるまでは
組織の奴隷です。組織に逆らうことはローンが払えなくなることに直結します。
この行動原理をもとに考えていくと、最近のマスコミが我々に与える小さな嫌悪感が
紐解けるようになります。

まとめると、

マスコミとは
「正義のためではなく、お金のためにやっている」のがマスコミである
と言ったらちょっと可哀想な気もしますので、

マスコミとは
「お金をもらえる範囲内で、正義を追求する」のがマスコミですね、
というマイルドな感じで締めておきます。






日大の広報とマスコミは同レベル

2018年05月25日 02時15分18秒 | スポーツ
日大の例の司会者は、元は共同通信の記者だそうですね。

だから、マスコミのやり口は十分わかっているので
あんな感じにしたんでしょう。

みんな司会者を悪く言いますが、僕から見たらどっちもどっち。
マスコミも身勝手な正義感を振りかざしアホな質問を繰り返すだけです。

同じ質問をわざと繰り返して、答え方や表現を変えてくるのを待つ。
20歳の学生に対してマスコミがやったのもそれでしたよね。

自分の番組のアナウンサーや記者が「現場で鋭い質問しましたー!」
ってやつを、各局の各番組が映像でおさえようとするから、
他社/他者が言ったことでもお構いなしに同じ質問を繰り返す。
これも20歳の学生に対してマスコミがやりましたよね。

それをあの日大の米倉広報は、十分にわかっているのでわざと、打ち切った。

何も知らない無垢な視聴者は、「広報ひどい」とか言ってますが、
マスコミ側もたいがいですよ。
レベルの低いマスコミにレベル感を合わせた広報って感じです。

日大の記者会見で言えるのは、完全に刑事での立件もありうるという前提での
受け答えでしたね。これに関しては、被害者のお父さんが被害届を
もう少し待っていれば、もしかしたら正直な回答をして、公権力の介入なしに
民間だけでケリがついたかも知れません。しかし、もとはと言えばそれもこれも、
日大と常務理事(民間企業の常務とか専務とかの役つきの取締役)が
初動を誤った(軽く見ていた)結果です。

そして今後の展開と結末は見えてます。

被害届を受理した警視庁は送検するでしょう。でも検察は不起訴にします。
で、例の検察審査会が招集され、再検討がなされた結果、起訴相当になります。
しかしながら、検察は再度、不起訴にするでしょう。
そしてまたまた、検察審査会で検討され、起訴相当が出ます。
そしてやっっと指定弁護士により公訴されて強制起訴となるでしょう。
最終的にはですが、証拠不十分、疑わしきは罰せずということで無罪となります。
ここまでで2年くらい。

こうなると、一般の人は「あー、そんな事あったねー」となるので誰も興味を持たず
忘れさられる事件の1つとなります。そして内田監督は日大の常務理事に復帰、
その後定年退職し、日大の関連する組織や付属校に天下る、というストーリーになっています。

とてもわかりやすいストーリーですね。





国際電話キックバックビジネス

2018年05月24日 22時48分16秒 | ビジネス
国際電話キックバックって知ってますか。

一時期流行りました。今も存在します。

日本とアフリカの某国との国際電話でよくありました。
別に皆さんに直接被害が及ぶわけではありませんのでご心配なく。

方法はこうです。

日本からアフリカの某国にユーザA氏が普通に国際電話をかけます。
仮に1時間かけたら通話料が5,000円だとします。

その場合、日本の電話会社が、アフリカの電話会社の回線を使うことになるので
一般的なB2Bの取引の一環として日本の電話会社から、アフリカの電話会社に
回線使用料を払います。その支払額が例えば1時間で4,000円だとします。

日本の電話会社は、通話料5,000円を日本からアフリカに電話したユーザA氏に請求します。
一旦、整理すると、
 【正常な流れ】
 ・ユーザA氏が日本からアフリカに国際電話5,000円分通話
 ・日本の電話会社が、ユーザA氏に、5,000円請求
 ・ユーザA氏が、日本の電話会社に、5,000円支払
 ・日本の電話会社が、アフリカの電話会社に、4,000円支払
 ・日本の電話会社は、手元に、1,000円残る

となり、これで丸く収まります。
しかし、国際キックバックビジネスの場合は違います。

 【キックバックビジネス】
 ・ユーザA氏が日本からアフリカに国際電話5,000円分通話
 ・日本の電話会社が、ユーザA氏に、5,000円請求
 ・ユーザA氏は音信不通で5,000円は未回収
 ・日本の電話会社が、アフリカの電話会社に、4,000円支払
 ・アフリカの電話会社が、4,000円のうち1,000円を詐欺師Bにキックバック
 ・5,000円は未回収債権として日本の電話会社が自腹負担

となります。
ポイントとなるのは、
 ・日本の電話会社が、アフリカの電話会社に、4,000円支払
です。

日本の電話会社は、エンドユーザから未回収であろうが、何であろうが
アフリカの電話会社の回線を使用したことは間違いないわけですから
電話会社同士のB2Bの取引(協定)として、4,000円を支払う義務があるのです。

何でこういうことが起こるのか。
それはアフリカの電話会社と詐欺師BとユーザA氏が組んでいるからです。

このユーザA氏は実は詐欺師Bが使っている偽名だったり、バイトで雇った不法就労者
だったり、既に日本から海外に出国済の人だったりします。
どちらにせよ、そもそも日本の電話会社に5,000円の国際電話の通話料を支払う気はゼロです。
そうなると、日本の電話会社は5,000円をユーザA氏から回収出来ませんので
全額かぶることになるわけです。

そして日本の電話会社がユーザから代金回収出来ないことと、アフリカの電話会社への
回線使用料の支払い義務は別問題ですので、4,000円はアフリカの電話会社に
行ってしまうわけです。

先程も言った通り、このアフリカの電話会社もグルなので、本来なら3,000円で
十分なはずなのですが、詐欺師Bにキックバックする分も含めて4,000円という料金表で
日本の電話会社と契約しているのです。

結果、日本の電話会社が全額負担して、アフリカの電話会社は4,000円売上があがり
詐欺師Bはアフリカの電話会社から1,000円のキックバックにありつけるのです。

アフリカの電話会社も、損はせず、黙っていても売上が勝手に上がる仕組みなので、
詐欺師Bのような人と平気で関係を持つ会社もあるようです。

すごいビジネスを考えたものですね。

<<2019-02-23全体を修正>>



決裁とは何か(シリーズもの6)

2018年05月24日 01時31分17秒 | 決裁・稟議
前回の続きで

6.支払い方法(立替え・請求書・現金)

この部分は支払いの方法を書きます。
自分のクレジットカードや現金で立替え払いや、もし口座があるようなら法人取引の請求書払いに
してもらったり、また、アドバンスで経理から現金を貰って買いに行く等の支払い方法を決めます。
普通は自分のカードで立替え払いが多いですが、先ずは経理にきいてみれば良いと思います。

ここまで記入したところで、発注方法についても確認をしましょう。
発注方法は色々あります。

業者側で指定の発注書があって、そこに会社の契約印を捺印して発注するという場合や
表見代理を適用して、管理者の捺印でも良いという場合もあります。
組織によっては、決裁文書に発注書を必ず付けて出すという場合や、発注書は別途
後から経理に提出して経理から発注書に捺印をしてもらうとか、
ネットでコーポレートカードで買うので、決裁完了後、商品の支払い情報で
コーポレートカードの情報を入力して購入するとか、パターンは様々です。

そして発注前に「2.いつ(発注日と納品日)」は必ず確認をしてください。
この納品日については、会計年度をまたぐ付近では特に気をつけなければなりません。
プリンターを例にしてみます。

「お、今期予算余ってるじゃん。デスクの横に置けるモノクロプリンター買おう」
「いいっすねー」

なんて素敵な会話をした本日、3月28日。相見積もすぐに取れて、
「じゃ、最安値2万円の有限会社迅速商会に発注しますか」
「そういえば納品は4月2日って言ってました」
ということになると、これ、来期予算で購入することになります。

今期の余ってる予算は使うことにはなりません。
もし現金で3月28日に先払いで払って、4月2日に納品でも同じです。
リアルなキャッシュ(現金)は2万円、今期で支出していますが、
その品物を実際に使い始められるのは4月2日ですので、計上は来期になります。

いや、別に来期の予算に2万円のプリンターを買うって予定しているのであれば良いです。
でも、今期の予算が余ったから買うっていうことじゃなかったでしたっけ??
そうであれば、なんとしても3月31日までに納品してもらうように業者と交渉しましょう。
「今期予算なんで3月31日までに納品されなければ買いません」とか言うと、
最初の4月2日は何だったんだというくらい、業者はダッシュで29日とかに持って来てくれる
ことが多いです。

余談になりますが、こういう年度末の買物は、絶対に厳密にやらなければなりません。
税務署や国税は、確実に狙ってきます。税務調査に入った時、本当に29日納品されているか
反面調査も当たり前のように普通にやります。反面調査とは、例えば発注側に税務調査に
入っている際に、税務上怪しい取引があったら、受注側にも当該取引について調査に
入ることを反面調査と言います。勿論、その反対もあって、その場合も同じく反面調査と言います。
税金のチョロまかしと株のインサイダー取引は監督官庁が本気出したら絶対に
バレますのでやらないのが利口です。

更に余談ですが、2万円の期ズレの発注・納品を国税の調査が入った際の「お土産」として
あえて置いておく、という高度なことをやる経理や財務担当もいます。
このあたりは、純粋な皆さんは知らなくてい良い事ですので、これ以上書きません。

つづく

シリーズもの1

そろそろ日大内田監督の自白した音声が公開されます

2018年05月24日 01時18分42秒 | スポーツ
ニュースで会見をちょっと見ました。

監督とコーチはウソをついてでも守ってあげなきゃ。
20歳の選手を。

成人しているとはいえ、20歳の学生を晒しモノにして
自分達は「言ってません」とか言い訳だけをする。

もし選手がウソをついていたとしても、俺が守ると言って
守ってあげなきゃ。

僕は本件と全く関係ないですが涙でてくる。

さて、そろそろ、

「あのくらい当たり前」
「よくやった」
「関学の方が汚い」

っていう、内田監督が語った音声ファイルが公開される頃ですね。

Shame on you!

決裁とは何か(シリーズもの5)

2018年05月23日 00時27分30秒 | 決裁・稟議
続けて

2.いつ(発注日と納品日)
3.どこで(会社名・店名・住所)
4.何を買う(商品名・個数・型番)
5.いくらかかる

ですが、商品の金額や、その組織のルールにも依存しますが、相見積は取ったほうが良いです。
最近は、価格比較サイトもありますので、その比較サイトをプリントアウトして
添付することもよくあります。これはその商品をその時の最安値で買っているか、
つまり、会社のお金(費用)を効率的に使っているかどうかを客観的に見るために必要な
ことです。これも一種の相見積になるので、これでも構いません。

全く同じ商品が、オフィス近くの家電量販店では8万円なのに、ネット(オンラインショッ
ピング)では送料込み7万円であれば、当然ネットで買うべきです。会社の費用で買うのです
から、同じ商品であれば当然安い方が良いわけです。

ですのであなたがどのような組織にいて、何を発注をするにせよ、相見積もり相当の作業として
最低限やるのは価格比較サイトをプリントアウトすることになります。

そして、出来れば時間がかかりますが複数社から見積もりを取り寄せて相見積もりをとっておく。
更に各社に対して価格交渉をする、ということまで出来ればベストです。
勿論、この相見積もりと価格交渉については、購入する商品価格と、かける手間のバランスを
考える必要があります。1,000円のものを買うのに、相見積を取って交渉に1時間も時間を
かければ、あっという間に時給分をオーバーすることになりますので、意味がありません。

一方で、価格を比較して安いからそれで全てOKというわけではありません。
家電量販店とくらべて1万円安いネットで買った場合、実は商品到着まで5営業日かかるとなると
商品を手にするのは来週になってしまいます。もし、明日にでもすぐ使う必要があるのであれば、
1万円高くてもオフィス近くの家電量販店に走って買いに行く方が、組織としては良いわけです。
明日必要なものを、安いからと言って来週に貰っても、全く意味はなく、それなら買わない方が
マシ、ということになります。

そういう場合は、決裁文書に「ネットショップで1万円安い見積もりが出たが、納期が間に合わ
ないため、家電量販店で購入することとする」とかその時点での判断を書いておくのです。
そうすれば、後から誰が見ても、その時点での判断は正しいということになりますし、
逆にこれを書いておかないと、後から問題となる場合があります。
というのは、後から見ると、時間軸、物事の前後関係がわからず、「何で安い方で買わない」
「ポイントを付けたかったから家電量販店で買ったのでは?」などと勘違いされる場合が結構
あります。ですので、決裁文書にその時の判断を書いておくことで、自分の身が守れ、
誰も嫌な思いをせずに済むのです。

スマホを買う場合の、この「4.何を買う(商品名・個数・型番)」「5.いくらかかる」は、
スマホを端末として購入するのでしたら特に問題はありませんが、気をつけなければならないのは
端末+SIMの場合、つまりスマホに通信契約が付随しているものを買わざるを得ない場合は、
気をつけなければなりません。スマホ以外でも、例えば毎月保守契約を締結しなければならない
等の場合も同じです。

こういう場合、契約者を誰にするのかという話と、毎月の通信料・通話料・保守料をどう払うのか、
という話になってきます。
会社の費用で会社の利益の為に購入するものですから、当然、名義は会社名義・法人名義になりますが、
法人名義となると、申込み用紙には会社の契約印が必要になります。そうなると、決裁の方法や
経理への申請方法が変わってくることもあり、毎月の引き落としをコーポレートカード
(法人名義のクレジットカード)で行う為に別途社内での手続きが必要になったりします。

一般的に会社というところでは一度契約すると継続して何か費用が発生するというものは、
承認のハードルが高いと考えておくと良いでしょう。
何故かと言うと、継続して支払うものについては管理がきかなくなることが多々あるからです。
毎月毎月、売上に関係なく、ほぼ決まった金額が出ていく。
挙句、これが必要だと考えていた担当者が、異動や退職で不在になってしまい、元々なんの為にこれを契約
したのか不明になって、5〜6年後に誰かが「これ、いらなくね?」と言い出すまで、惰性でずっと払い続ける
ということがよく起こります。これ、本当によくあります。

ある程度経験のある管理者(決裁の承認者)であれば、その未来が間違いなく訪れることがわかっているので
承認のハードルを高くせざるを得なくなってしまうのです。

しかしながら、今回はとりあえず、そうではなく、スマホを端末として、モノとして、小さなPCとして
購入するというイメージの話だとご理解ください。

つづく

シリーズもの1

ちなみに渋谷のレストランは要注意

2018年05月23日 00時10分39秒 | グルメ
追伸

ちなみに一人1万円だと、渋谷クオリティ(レベル低いという意味です)しか受けられません。

夜の渋谷は性的サービスを提供する外国人の女性が沢山立って、客引きをしていますし、
昼間も援助を求めてガラガラを引いてウロウロしている若い女性が結構います。

居抜きでお店を買って、食べ放題・飲み放題を掲げ、
外国人の店員を安く雇って、超低クオリティのレンチン料理を提供。
ビールと言いながら、発泡酒を提供。
そんな店が、多くありすぎて、悲しくなります。

たまたま、先日は流れで渋谷になってしまいましたが、通常は渋谷は避けます。

恋文横丁があった時代は、良かったのです。
皆全てがわかった上で行くので。

今は看板に偽りがありすぎます。
皆さん、渋谷のレストラン(渋谷駅を中心に800m)は要注意です。

山城屋 分店(渋谷)

2018年05月23日 00時03分49秒 | グルメ
先日、渋谷の山城屋分店というお店に行きました。
一人1万円くらいで、かなり満足なお店でした。

ワインも欠品がありましたが、イタリア物がメインで、品揃えは良い感じでした。
料理も結構美味しかったです。
これで一人1万円なら、また来ようかな、っていうお店でした。

が。

問題が2つ。

雰囲気と料理は良かったのですが、フロアの店員が少なすぎて、
どのテーブルも「すいませーん」って大声連発。
あのクオリティであの価格を維持しようと思うと、人件費を削るしかないのかなぁ。

そして2つ目、食後の熱いお茶は有料です、って。
お茶くらい、無料で出してくださいよ。

平均単価6,000円くらい(食べログ情報)のお店で、一人1万円なので、
そんな悪い客じゃなかったと思いますが。

デザートも食べて、チェックした後に、「あのー、お茶を」って言ったら
「ウーロン茶しかないです。有料です」との無慈悲な返事。

割烹の分店を名乗っているお店で、そりゃないぜセニョール(昭和)。

決裁とは何か(シリーズもの4)

2018年05月22日 01時29分27秒 | 決裁・稟議
前回の続き

他にも、仕事でどうしても必要な最新スマホを買うといった場合も同じです。
最新スマホを買う場合に上司が決裁する書類には、

1.何の目的で購入するのか
2.いつ(発注日と納品日)
3.どこで(会社名・店名・住所)
4.何を買う(商品名・個数・型番)
5.いくらかかる
6.支払い方法(立替え・請求書・現金)

を記入します。

1.何の目的で購入するのか
このスマホを購入する目的を書きます。
デモ用の端末として使うとか、アプリやシステムの検証用端末として使うとかを
書いておきます。ちなみに、業務用で毎日使うとか書くことは通常は有りえません、
それは事業部で個別に買うべきものではありません。情シスが購買をかけて買うものです。

そして、何故この機種を数多あるスマホから選んだのか、を書きます。
業務上の判断には全て理由があります。スマホは世の中に数え切れないほど種類があります。

その中で、今回買うことに決めたこの機種は、
「ターゲットユーザに一番売れているから」
「SoCがsnapdragonのMSM●●●●だから」
「OSがFirefoxだから」
今回の●●を目的とした検証用として最適と判断し、選択をした、とか書きます。

論理的な理由や、誰もが納得するようなもっともらしい理由がない、「ヤマカン」の判断というのは、
お仕事では存在しません。勘が鋭い経営者と言われる人もいますが、それはその人なりの
論理性に則った判断で、周囲の人がその人のロジックを理解出来ていないだけです。
そもそも、人間は同じものを見ても同じように認識していません。
花を見ても、綺麗という人もいれば、怖いと思う人もいます。
それは数字でも同じです。「本日の気温が30度」と言われても、人によって認識は違います。
30度は客観的な数字です。しかしそれをどう認識するかは個人に依存します。
簡単にいえば、ケニアの人が思う30度とシベリアの人が思う30度は違うということです。

その前提で、この機種を選んだ理由を、納得いくように説明をしなければなりません。
何故、最新のスマホである必要があるのか、中古の二世代前の機種でも良いのではないのか?
という疑問にちゃんと応えられる理由を書く必要があります。

つづく

シリーズもの1

決裁とは何か(シリーズもの3)

2018年05月20日 23時19分05秒 | 決裁・稟議
前回の例を交際費にしてしまったので、営業サイド、お金を稼ぐ側の
部署の人でないと、身近ではないかも知れませんので、コストセンターにいる人も含めて
もっと身近なところの例も挙げておきたいと思います。

一番身近な決裁は交通費です。

交通費の申請と承認も決裁という行為の1つになります。
「日付:何月何日」「区間:何駅〜何駅」「目的:●●会社と打ち合わせ」のようなものが
Excelなどで一覧になっていて、それをプリントアウトして、自分のハンコを押して
月末に上司に申請すると、上司もOKならハンコを押します。つまり決裁します。

交通費も会社の経費を使うという行為ですので、必ず自部署の管理者が確認して
決裁をするのです。そして、管理者の決裁後にその書類を経理に回すと翌月の給料と
合算して立替えた交通費が振り込まれる、というのがよくあるパターンです。
ネットワークやクラウドを使ったシステムも考え方は基本的には一緒です。
余りに日常的すぎて、且つ、少額のことが多いのでこれが決裁であると
意識をしていない人も多いですが、これも決裁という行為の一種となります。

つづく

シリーズもの1