鈍いなまくら刀で社会を斬る!

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政治家と英語

2018年12月27日 23時41分21秒 | ポリシー
「USBジャックは俺が守る!」と力強く宣言し、
「USBは穴に入れるらしいですが、話が専門的なので専門家に答えさせます」と
適材適所で人を使う名人でもある桜田義孝が、
「英語もパソコンも出来ないから総理は無理だ」と謙遜したらしいですね。

ちょうど良い機会なので、政治家と英語について書いておきます。

政治家の英語力という時にポイントとなるのは、スモールトークが出来るかとか
自分の趣味やスポーツの話、国の文化や哲学を英語で話せるかということです。

写真撮影とか、ちょっと会った時に「こんにちは」とか言うのと他に
「この間のサッカーの試合みました?チェルシー負けましたね」
「なんか今日は雨ですね、雨だと髪の毛が膨らみます」
とかスモールトークが出来るかどうかです。

海部俊樹のヒューストンサミット首脳記念撮影のスモールトークは有名です。
wikiからまんま引用します。

「とにかく、暑くてね。屋外で記念写真を撮影した時ですが、カナダのマルルーニー首相
(当時、以下同)が、『アメリカは田舎だから、暑くてたまらない。カナダはこんなに暑くない』
なんて、言っておるんですよ。冗談の好きな男でね。撮影のために並んだら、
『暑い、暑い。俺はぶっ倒れる』なんて言うんだ。私はちょうど、マルルーニーの左隣にいましてね。
あっち側(マルルーニー首相の右隣)はサッチャー英首相だった。だから『カナダが倒れたら、
日本は支えきれないぞ。あっち側に倒れろ、鉄の女になんとかしてもらえ』と言ったんですね。
これが、ブッシュ米大統領、サッチャー英首相、マルルーニー加首相の爆笑を誘った」

この海部俊樹のトークは、首脳達が爆笑している写真が世界中に配信されたので有名になりました。

ちょっとしたことなのですが、座持ちが良いというか、そういうことなのです。

他に、首脳同士でのディナーや宿泊する時などに、趣味やスポーツ、自国の文化や芸術、
哲学などを自分の言葉で(英語で)話せるか、とうことが大きなポイントです。

細かいこととか、厳密な話は通訳を入れたり、何度も推敲した文書で取り交わします。
そんなテクニカルな英語は出来なくて全く問題ありませんし、首相に求める方が無理。

必要なことは、人と人のコミュニケーションがちゃんと出来て、長時間一緒にいた時に
自分のパーソナリティやどのような人物なのかを相手に理解してもらえることや、
自分の哲学やビジョンがどういうものなのか、自ら話して相手に理解してもらうことなのです。

つまり、政治家と英語と言った時に、単純にツールとしての英語力の話ではなく、
自分がどれだけ勉強して様々なことに興味を持ち、深く考えているのか。
そしてそれを自分の言葉で相手に伝えられるかということが要求されるている、
ということが政治家と英語という関係性の本質なのです。

国際関係や国際交渉の場では、人と人との信頼関係が何より重要です。
どんなに高度な話をしようと、ギリギリ交渉をしようと、人間関係がしっかりしていないと、
前に進みません。

むしろトップ同士の人間関係さえしっかりしていれば、どんなギリギリの状態になっても
絶対に国際関係は破綻しません。

政治家に必要なのは、高度な英語力よりも、
深い教養や豊かなパーソナリティと、それを相手に伝えようとする意思、発信力なのです。

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