鈍いなまくら刀で社会を斬る!

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運動における正しい技術(2)

2019年01月13日 17時58分19秒 | サッカー
前回のつづき

技術は活用出来て初めて技術と言うのですが、問題はこれをどう身につけるのか、です。

基礎技術をどうやって身につけるか、
答えは簡単で、反復です。
頑張って出来るまで、繰り返す。

これは正直それしかありません。
そして次のステップとして、その技術を環境を変えても発揮出来るようにする、
という作業に入ります。

例えば、サッカーで一番大事な技術である、ボールのトラップ。
基礎では、ボールを投げたり蹴ってもらって、それを止まった状態で確実にトラップ
出来るようにします。それが出来るようになったら、動きながら、走りながらトラップ
出来るようにするという反復をします。
ここまでは基礎技術です。

次に応用として、環境を変えて出来るようにする。
それは、相手がいる中でトラップするという練習です。
相手が邪魔してくる中で、どうやって正確にトラップするか、という応用技術を
身につけなければなりません。

そして、更にその先にもう1ステップ重要なステップがあります。

それは自分で判断してトラップするという練習です。

今までは、止まった状態でトラップ、動きながらトラップ、対人環境でトラップ、
という練習でした。
これらは「トラップする」という判断が下された後に、それを正確にやるという練習でした。
予め「トラップする」といことが決まった上での練習(=技術習得)でした。

しかし、残念なことに実際の試合では、そのような状況はありえません。
ボールが来る度に、コーチが「トラップ!」って言ってくれるなんて事はありえないのです。

実際の試合で起こることは、

【状況】
・ボールが飛んできた
・相手が寄せてきている
・味方が裏に走っている

【条件】
(1)裏に走った味方はフリー
(2)裏に走った味方にマークがついている
(3)フリーだけど、オフサイド

ということです。
味方は裏に走っている状況だけど、条件(1)〜(3)というものが与えられるわけです。
その場合、トラップするかどうかを自分で判断しなければなりません。

(1)の場合は、トラップなどせずに、ダイレクトでスルーパスが良いですが
(2)の場合は、トラップして寄せてきたDFをいなして別の選択肢を探す
(3)の場合は、トラップせずに、別の選手にはたいて動き直しを待つ

などなど「トラップをするかしないか」という判断自体を自分で、それも瞬時に
しなければならないのです。
これが結構くせものというか、大事なポイントになります。

というのは、判断するためには考えなければなりませんが、考えるという作業が
疲れてくるとガクッと落ちるのです。

一般的に、疲れてくると体を動かす部分に影響して正しい技術が発揮出来ない、
と思われがちですが、実は、思考、判断の部分が落ち、この落差が最もプレーに
インパクトを与えるのです。

わかりやすく機械に当てはめてみると、こんな感じです。

環境(状況)を検知するセンサーはちゃんと動いているが、
熱でCPUの処理速度が落ち、
処理したデータをアクチュエータに伝えても既に状況が変わっていて反応がエラーになる。

ですので、このCPUでの処理を、通常時に正しく出来るようにするのは勿論ですが
相手がプレッシャーに来ている時も、疲労時にも正しく出来るようにする。
それも自分自身の力で。

ということが技術を正確に発揮するのに最も重要なことなのです。
前回も書きましたが
心理学では「覚える」ということは「取り出せること」だと考えます。

ですので、言い換えると

正しい技術を身につけるというのは、
状況や場面に応じて「最短で取り出す」方法を身につける、ということなのです。


更に更に、じゃあ、どんな状況でも「最短で取り出す」方法ってどうやったら身につくの?

というのは次回に。


箱根で大東文化大学も残酷ショー

2019年01月13日 00時17分17秒 | スポーツ
新年早々の箱根駅伝で、大東文化大学の選手が1区スタート200mくらいで転倒。
足を引きずりながら無理やり走って襷はつないだけど、結局3区で繰り上げスタート。
その後、病院に直行し、診断結果は全治に半年という事件がありました。

この件については、感動ポルノが大好きな多くの皆さんがしきりに感動していました。
「感動している場合じゃない」って言ったのは、大迫傑だけですね。
私も、これってハイハイ女子駅伝と同じじゃないかと思って見ていました。

この事件を読み解くポイントは自己責任です。

ケガした選手は4年生ですので、陸上で就職も決まっていて、今後、その就職先の陸上部と
一緒に連携を取りながらケガのケアにあたるそうです。

いまのところ、就職先の会社から内定取り消しは来ていないようなので良かったです。
陸上競技の能力を買われての就職なので、走れなくなった大東文化大学の学生など
役に立たないので、内定はなかったことになりそうですが、とりあえずは大丈夫な
ようです。

しかし、このケガによる後遺症が一生残るかもしれません。
そうなったら、企業の陸上部は退部して、普通のサラリーマンになるか
居づらくなって退職するかですね。

でも、将来そうなっても、これって自己責任ですよね。
たかが大学生の関東大会で自己判断で無理したことで、もし一生を棒に振ることになったと
しても自分で背負う責任です。

ダメ押しで大東文化大学の駅伝監督も「本人が『大丈夫』と言ったからやらせた」と
コメントしていましたから、これはもう完全に選手本人の責任ですね。

This is 自己責任。

結局、監督も誰もこの選手を守ってあげない、人生が変わってしまっても
自己責任というのが現実です。

この事件からわかること。
それは、「自分のことは自分が大事にしてあげなければならない」ということなのです。