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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私。
日々の生活の様子、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

「告白」・・・・(読書感想文です)

2012-04-09 | 本と雑誌
「告白」・・・・湊 かなえ  
ある中学校が舞台になっているミステリーなんですが、「中学生たち」と「先生」と「母親たち」のそれぞれ勝手な思いが、読後の重さを残す本でした。
でも、表現は易しく読みやすい上、途中で止めることができなくなる不思議な物語でしたから、一気に読んでしまいました~~。Dsc04697
中学一年生の担任のシングルマザーでもある「女性教師」は、学年末の最後のHRで「今日を限りに退職します。我が子を、このクラスの生徒に殺されたことが原因です」と話始める・・・。
警察が「事故」として処理したことでも、彼女は彼女なりの方法で「犯人の生徒」への復讐を考えるのです。
新学期になり、クラスメートたちから制裁を受け続ける「犯人の男子生徒W」は、それでも「周囲の馬鹿は相手にできない」と、自分の優秀さを誇りに思いながらマイペースで日々を送っています。
その犯人と仲良くなった「学級委員の女生徒」・・・、彼女の命も彼によって終るのですが・・・。
新学期になっても学校へ行くことが出来なくなった「もう一人の犯人の男子生徒のお姉さん」は、突然「弟が母を殺害する」という事実を突きつけられて困惑する。
そして、母の残した日記を発見し読み進むことで、不登校の日々のなかでの母と弟の日常の様子を知るにつれ、何とか弟を救いたいと思うのです。
その弟である「犯人N」は、マザコンで努力することが嫌い。でもプライドだけは高くて、肝っ玉も小さい・・・最初はWに誘われて起こした事件でしたが、結果的に彼は余計にプライドを傷つけられてしまい、心を病んでいくのです。
犯人Wは、幼い頃両親の離婚で母と離れ離れになる。優秀な電子工学博士であった母への異常なあこがれを持つ彼。なんとか母に自分の存在を気づいて欲しいと、自身の頭脳を形にすることを試みるのですが・・・何の反応もなし。
とうとう、「愛するママへのラブレター」というタイトルの遺書を、ウェブ上に公開したのです。そして、大勢の人たちを道連れに「死」に向かおうとしたのですが・・・。
愛娘を殺された元担任の女性教師も化学の教師でした。
このラブレターを読んだ彼女は、犯人の思惑を知り、持つ知識を使って、想像もつかない結末へと導いたのです・・・。
これが彼女の復讐だったとは・・・。』
↑太字で書いた人たちの「モノローグ」形式で書かれた物語は、始めに「犯人が分かってしまう」のに、「どうして?」「そこに繫がるんだ!」「ますます奇妙」・・・、
と、なんだか結末がどうなるのか気になって気になって・・・(苦笑)。
思春期という「中学生」の心の中・・・想像するより複雑でもあるんでしょうが、案外「愛情を求めているだけ」と単純でもあるんですね。
私も二人の男の子を育てましたが・・・それほど難しく考えたこともなし~(苦笑)。
ノーテンキな母で、かえって良かったのでしょうか?(笑)。