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神奈川県の西部にある「小さな町」で暮らす私777>日々の生活の様子、見たこと、感じたこと、思ったことを綴っていきます。

ミュンヘン(MUNICH)

2006-02-17 | 映画

ミュンヘン」・・・・観てきました。

史実に基づいてつくられた映画ですが・・・「重い」映画でした。

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1972年、西ドイツのミュンヘンで開かれたいたオリンピックの選手村に、テロリストグループ「黒い九月」のメンバーが浸入、イスラエル選手11人を惨殺するという事件が起きました。

この悲劇に対しての、報復を命じられた一人の兵士の視点からみた歴史として描かれています。

一つの事件がおきる→→それに対する報復をする→→また、それに向かう復讐→→・・・こうして繰り返される、終ることのない悲劇・・・

    Munich_012      パレスチナ人テロリストを暗殺するチームのリーダー・アフナー(エリック・バナ)は、家族も祖国もないと思って任務を果たせねばならない宿命なのです。

任務遂行中に「ベビー」が生まれるが、その成長を妻とともに楽しめないつらさに苦悩することもしばしば。電話で、子どもの声を聞き、涙する彼の姿・・・

将来「温かい、静かな家庭」を持つことができるのでしょうか。

イタリア、パリ、キプロス、オランダ、ギリシャ・・・で、次々と標的を射止めていくのですが、その過程で、関係のない人々を巻き添えにしてしまったことを、心に重く感じるようになっていくのです。

しかし、ロンドンで、仲間の一人が、女性の刺客に殺されるという事件がおき、「標的を追っている自分が、追われているのでは・・・」という恐怖と不安にかられていきます。 Munich_003

そんな日々の中で「殺しあうことの、終わりはあるのだろうか」と思い始めてしまう自分の弱さを奮いたたせるために「ミュンヘンのテロ事件での犠牲者達」を思い浮かべながら、復讐への道を進むのです。

こんなMunich_009重いテーマの映画ですが・・・

この暗殺チームの中の一人「爆弾つくり」のプロの「腕」に笑わされます~~。

おもちゃ職人としての腕は一流ですが、爆弾は本当に造れるの?(笑)

火薬の量を間違えたり、「造る」より「解体」が専門だと言い訳したり・・・

そして、リーダーのアフナー・・・

料理が得意の設定で、おいしそうな数々の料理を作ってみせるシーンが何度もあります。

ショーウインドーのキッチン用品や、シンクシステムなどに見入る姿は「平和」を感じさせてくれます。

「料理」という「人間の生命を繋ぐ」ものと、「暗殺」という「人間の生命を絶つ」ものとの対比・・・と考えるべきでしょうか。

「こんなことをしても平和はこない」・・・と、あるシーンの中で、語る彼の言葉・・・その通りだと思いました。

争いのない世界・・・一日も早く、実現して欲しいですね!


ミュンヘン・・

2006-02-17 | インポート
「MUNICH」ミュンヘンを観てきました。

巨匠・スティーブン・スピルバーグ監督作品となれば、いやがうえにも期待してしまいますし、主演の「エリック・バナ」・・・2年前の「トロイ」(勇敢な王子・ヘクトル役でした)以来、ちょっと気になっていましたので(笑)、絶対に観なくてはと、公開を楽しみにしていたんです。

史実に基づいた物語ですが・・・「重い映画」でした。

ミュンヘンオリンピックの開催中に、パレスチナ・ゲリラ「ブラック・セプテンバー(黒い九月)」によるイスラエル選手団襲撃殺害事件がおきます。
これに報復するために、イスラエル機密情報機関「モサド」は暗殺チームを編成する。
このチームのリーダー役が「エリック・バナ」です。

任務を遂行していく日々の中で、持ち始める疑問・・・
「こんなことをして平和はくるのだろうか」と。

家族も祖国もないものと思って、2ヶ月後に生まれてくる身重の妻のもとを離れて任務についた彼ですが、可愛い女の子が生まれ、その成長を妻といっしょに楽しめないことを苦悩し、暗殺という行為に疑問をいだきながらも、遂行していくのです。

そんな日々の中で、得意の料理を「夢中でつくる」「大量につくる」彼・・
「自分が追われているのではという、恐怖も持ちながら・・・

電話で子どもの声を聞いて「涙」する彼の姿・・・悲しかった。
彼は、家族との静かな生活を送ることができるのでしょうか・・・


スピルバーグ監督のメッセージ・・・
「・・・歴史に大して後知恵的見方をすることは簡単だが、当時の人々の視点から見るのは難しい。ミュンヘンの事件に対するイスラエルの対応を、悲劇に対して復讐を命じられた兵士の視点で眺めることで、政治的・軍事的視点からのみで語られることの多い、この恐ろしい出来事に人間的側面を加えることができる・・・」


この映画の背景にあるのは「パレスチナ」と「イスラエル」の対立です。
そして、この70年代前半は「国際テロ」が横行した時代でもあったのです。
パレスチナ側のハイジャック、これに対応してイスラエル側のベイルート空港奇襲事件とか、ミュンヘン事件に対抗しての様々な事件・・とリベンジ合戦の応酬がありました。

このような時代背景であったことを、事前にきちんと知っておくと、この映画もより理解しやすくなると思います。
また、イスラム教とユダヤ教の聖地が、同じ「エルサレム」であるとういう、宗教的な問題も根にあることや、各国の秘密情報機関(CIAとかKGBとか)も少し勉強して、知識として持ってから映画をみると、もっと分かり易いかもしれません。

今トリノで「冬期オリンピック」の開催中。
「平和」を考えることをコンセプトにした開会式を思い出し、この期間に映画が公開されたということは・・・計算しているんだろうなぁ・・とは思いすぎ?

(ストーリーはBlog=loveでUPします)