「長い旅の途上」 星野道夫 著(文芸春秋 文春文庫収録)
この本は
1999年3月現在で判明している
単行本未収録の文章を
可能な限り文春文庫が収録したもので
遺稿集として編集したのだそうです。
既に発表されたものとの重複はあっても
遺稿集という意図に添って収録したとあります。
写真も数多く収録されていて
私は以前何回か
写真展で見た何枚もの写真を
懐かしく
改めてゆっくり眺める事となりました
本当にこの方は
アラスカの自然と生き物を愛し
出会った人々を充分に愛し続けた人生だったという事を
重ねて知ることになります
そして
この方の選ぶ言葉の一つ一つが
深く感銘ある文章を片づくっているのです。
彼のその時その時感じた事
感動
人に対する愛情が
しっかり伝わってくる1冊でした。
それにしても
短い人生ではあったものの
濃い人生であった事
その濃い人生の中に
何回となく危機に直面した事を
サラッと書き流しておられます
その都度その都度が満足出来ておられたので
そういう文章が生まれてくるのだと思います。
薄い文庫本ではありましたが
この1冊も
私にとって
重い重い1冊となりました。