客も主人も湯浴をしたり、食事を済ました後、 縁に籐椅子を持ち出して話し合っていた。 美しい女客も若夫人も、共に紺で描いたり、 絞ったりした巧みな模様の軽い浴衣を 匂う肌に付けて、緋房の揺らぐ絹団扇を 真白い指先でまさぐりながら、 庭先の可憐な淡黄の待宵草を見ては それを褒め讃えたりなどしていた。 【吉屋信子作 「地の果まで」】 |
雨の休日となりました。降ったりやんだり。
尤も午後に入り、やんでいる間隔が多くなり、今は上がっています。
気温はそれ程でもないのですが、湿度が高い分、随分蒸し暑く感じます。
こんな日は、華美を排除した侘びと寂(さ)びの “和” がいいですね。
昔の家は夏を涼しく建てられていたものです。
天井が高く、開け放たれた襖や障子の部屋。拡がる空間、吹き抜ける風。
簾(すだれ)と鴨居に吊り下げられた風鈴の音色に “涼” を感じ・・。
そうそう、今で言う緑のカーテンは、当然、朝顔でしたものね。
まさか電力事情がこんな風になるとは思いませんから、
洋風に拘って来ましたが、今、改めて昭和を思います。
前述の光景は、昭和そのものですから。
昭和と言えば・・つい最近読んだばかりの吉屋信子。
今日の引用文は、久し振りにそちらから。行間に匂い立つ “美” を感じます。
そんな今日は再び “かそけき香り” を。
となれば当然、“和” となりますが、
何分にも俄(にわ)か仕立てですから、バラバラです。
丁度上手い具合に、
藍の布に刺した、
刺子の薔薇が出て来ました。
と言っても実はこれ、
ベストの背中部分。
長い事、箪笥の肥やしと
なり、忘れ去られていたものです。
しかも、【カフェカーテン】 に
するための、レースの
スカートを探していましたのに。
思わぬ宝物を探し当てた気分。
本来の目的も忘れ、
思い切り良く鋏(はさみ)も
入るというものです。
でも、何だか最近、
こんな事ばかりしていますね。
そうそう前身頃は、
トイレマットにと。
我ながら思わぬアイデア?
に、ニンマリです。
ところで、こちらの頂いたミント。
半分は、そのまま土に挿し、残りの半分は水栽培に。
薔薇でもこの季節、水だけで発根しましたから、
ミントも発根してくれますね。
とは言っても、カモミール同様、育てやすいと言われているこのミント、
なぜか相性は、あまりよろしくないから心配です。