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千里眼

2011年05月03日 19時56分27秒 | 小説

松岡 圭祐氏の作品。 大ベストセラーとなつたオリジナルの一作目。

千里眼 岬美由紀の活躍は、新シリイズの角川文庫出版「The start 」で初めて読み、オリジナルを読むことを決め、今回はその一作目である。

松岡氏は新シリイズを書き進めるうち、オリジナル作品を書いてゐた時代と読者の傾向が変はつてゐることに対し、オリジナル作品を新シリイズとしてリライトすることを決め、現在角川文庫より出版されてゐる。その一連のシリイズを読む前に、完全なオリジナルを読んで置きたくなり小学館文庫版を読んだ。

シリイズの一番最初なので、美由紀が師と仰いだ友里佐知子も登場する。新シリイズでは、岬美由紀が人の表情から考えを見抜く「千里眼」として登場するが、オリジナル第一作目は友里佐知子が「千里眼」として世間から認識されてをり、岬美由紀は友里が院長を務める病院の勤務カウンセラーの立場である。

物語は、米軍基地に入り込んだ日本人の民間人がミサイルの暗証番号の設定を変更し、発射等の指示をシステムに入力、一軒の寺が爆破され次は首相官邸が攻撃の対象に設置されてゐるとわかる。しかし、男は自白剤を注射されても暗証番号を白状しなかつた。それどころか、米軍に対し罵声を浴びせる。 

男を催眠もしくは心理学的見地から誘導して暗証番号を聞き出せないか・・・? といふ政府の思惑のもと、友里佐知子と元自衛隊員であつた岬美由紀が呼ばれる。

男は自殺を図るのであるが、世間を騒がせてゐる「恒星天球教」の信者だとわかる。

恒星天球教がテロ行為を働いてゐると判明した今、政府は警察と組んで対処に乗り出すのだが、「表情から心理を見破る」カウンセラーの友里と岬の能力に注目する・・・・

「恒星天球教」なるものが、オウム真理教をベエスにされてゐるのは明らかである・・・それくらい、オウム真理教といふのは「宗教団体」を隠れ蓑とした何を求めてゐたのか、とにかくとんでもない団体だつたわけである。

それはさておき、「恒星天球教」とは・・・・

作品が面白いので、自分も「表情から心理を読み取る」勉強をしたくなつてくる・・・ (特にウソばかり吐いてゐるやつが多い会社などに在籍したときには)