読書おぶろぐ

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「小説」ヘッジファンド

2009年05月02日 22時14分12秒 | 経済
幸田 真音さんの作品。
幸田さんが最初に書かれた作品です。この作品を機に、ドクターストップを言ひわたされたデイラアを退職して作家活動に入ることとなります。

幸田さんは外資系銀行のデイラアやセエルスをされてをりましたが、その経験が豊かに生かされた作品が多く、素人にもわかりやすくてテンポが小気味よく進んでゐくのが特徴です。
とても面白ひのと同時に、「幸田さんて、凄い仕事できたんだらうな」と思はせます。

この作品は、日本の中堅銀行に為替デイラアとして社会人として一歩を踏み出した主人公岡田 隆之を中心に「為替市場」「市場の動き」「デイラアの仕事」がわかりやすく描かれてゆきます。
日経ダウ、東証株価、為替レエトなど日々のオニユウスの最後にチラと出てくる情報と一日、日が沈んでも海の向こうの市場の動きを追いかけて仕事をしてゐるデイラアの仕事が凄くよくわかります。
面白さうだけど、馬鹿には絶対に無理ですね とよくわかります。

逆に「日銀介入」「米国連銀介入」等々、情報網が非常~に大事な仕事だといふこともわかります。

幸田さんは、他のご自分の作品でも「日本経済を牛耳る立場の人たちが変わる必要がある」と書かれてゐますが、この最初の作品にも世界で活躍してきた幸田さんの日本市場に対する願いと思ひが強く出てきます。

円高=中小企業損害

この図式を何度繰り返してきたのか

今も円高になつて随分経ちますが、幸田さんから見て政府の対応はこの小説を書かれた10年以上前とどう変わつてゐるのか・・・

小説のやうに変わつて、といふか変へて欲しいですね。