ビストロ レアール

石川県小松市にある「ビストロ レアール」のシェフがつづるあんなことこんなこと

ナイフと1フラン

2008年03月31日 | フランスこぼれ話


ボンジュール♪

マダム ト ムッシュー

フランスネタ 久々です

さて

先日購入したフランス文化習慣などを紹介した本を読んでいると

気になる所がございまして

それはと申しますと

今 日本でマイ箸がブームでございますが

フランス人男性はと申しますと

マイ ナイフ

ピカリ~ン

といっても切れ味は普通に食事の時に使うナイフとそう違いがございません

私が働いていたノルマンディーのレストランの

賄いではいつもジャルディニエ(庭師)のアランが

ポケットからマイナイフを取り出して皆と一緒に食べておりました

アランは食事が終わって庭の手入れをしながら

さっき食事の時に使っていたマイナイフを取り出し

小枝を削ったり

緩んだねじをちょっとまわしたり

小腹が空いたときになど

そのナイフでバゲットに切れ目を入れバターを塗り

おまけにチーズまで切り挟んでまるで

万能ナイフ

感心したものです



もう一つ

私の友人のフランクの家に遊びに行った時に

無造作に置いてあったナイフ

フランスの街を歩けばかならず何処かのウィンドウに

大きな物から小さいもの

凝った柄のナイフからハサミなどを売っている刃物屋さんがあるのですが

そういう刃物屋さんでも

一般的な安物のナイフ

私は

よく街のウインドウに飾られているやつだな

と思っていと

フランクが私に

「チャン マサ ジュ チュ ドネ サ」

(まさ それあげるよ)



使い古して別に研いでいるわけでもないたわいもないナイフ

フランクとの思い出にとありがたくもらいまして

それから何年たったでしょう

いつしかそんな事も忘れていたのですが

その買った本の文中に

フランス人男性にとってナイフは自分の証のような扱い

そして

ナイフを送られた方は友情がきれないようにと1フランを渡すのだそう

それを読んで

しまった その時はまだそんなやり取りがあるのも知らずに貰っただけだった事を

いまさなながら後悔しました

もし



フランクに渡すとしたら

やはり

ユーロなのでしょうか

やっぱり

私の中ではフランが一番にあっている気がします