ビストロ レアール

石川県小松市にある「ビストロ レアール」のシェフがつづるあんなことこんなこと

恋文

2005年09月29日 | シェフのコラム
今では
インターネットですぐにメールのやりとりが
出来ることに
驚くばかり 

それを肌で感じるのは
最近アメリカとメールのやりとりを
することになり
すぐ隣りに住んでいるかのように伝わるとき

「ハー時代は変わったなー」と
オヤジになっております

思えば
私がフランスのいろいろな地方で働いている時
休憩時間や仕事が終わってから
キャフェや自分の部屋で何人もの
友人知人に手紙を書いたものです

と 言うのも
それらの手紙が届くまでの日数と
届いてから
返事を書いて 郵便局まで行って投稿するまでに
その人その人で時間のズレがあるので
とにかく
毎週 だれかから1通は届くように
何通も書いたものです 

そのため
一通も手紙が届かない週は

「はー 今週は来なかったか」と
さみしい思いをしました

しかし 

いつもの郵便配達のマダムから

「ヴォアラ ムッシュ ジャポネ」
(ハイ トドイタワヨー)

と 声がかかったときには
まるで 
恋人からの手紙が届いたかのように
気が高潮して その日の仕事の速いのなんの
昼のサーヴィスが終わると サーッと片付けて
いそいそと寮に戻ったものです


日本から届く手紙の
なんとも 待ちどおしいこと
そのすぐに届かない時間が
けっこう楽しかったり 悲しかったり うれしかったり つらかったり
それでも
つぎに返事を書く時には
つらいこと 悲しいことは 書かないんですよね
でも 今ではすぐにその場の
気持ちが伝わるので

一人思い巡らしながら過ごす時間がなくなったなぁ と
つくつ”く感じます

もしその時、私に恋人が居たら
手紙を待っている間
いてもたってもおれずに
すぐに 帰国していたかも?