廃盤蒐集をやめるための甘美な方法

一度やめると、その後は楽になります。

聴き応えはあるけど

2017年11月23日 | Jazz LP (Riverside)

Walter Norris / The Trio  ( 米 Riverside RLP 380 )


ドラムスの代わりにリズム・ギターを置いたナット・キング・コール・トリオの形式で、バーのラウンジで演奏されるような軽快でこじんまりとした音楽が流れてくる。
1961年当時にこういう音楽にどれだけのニーズがあったのかよくわからないが、ブルーノートやプレスティッジでは決して作られることがなかった、そういう
意味では珍しい内容と言えるかもしれない。

モンゴメリー・ブラザーズの "Groove Yard" で始まるところなんかは泣かせるし、"For Heaven's Sake" も耳を奪われる名演だ。 全体的に事前の予想とは
違って意外にしっかりとした演奏で、弱々しいところはない。 それをリヴァーサイドの骨太なモノラルサウンドが支えている。 聴き応えはある。

ただ、こういう音楽は頻繁に聴こうとはならないのが残念なところだ。 たまたま立ち寄った店で酒を飲んでいる時にかかっていたら気持ちよく酔えるな、という
くらいの聴き方がちょうどいいかもしれない。 発売当時もあまり売れなかったのだろう、ステレオ盤も出なかったし、再発もされていないようだ。

雰囲気のあるジャケットが印象に残るから何となく気にかかるレコードだけど、安レコとして転がっていれば「買い」、そうでなければ「スル-」で十分。
このレコードはそれくらいのゆるい付き合い方が相応しいと思う。


コメント (2)
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