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セレンディピティ日記

読んでいる本、見たドラマなどからちょっと脱線して思いついたことを記録します。

名古屋市選挙管理委会の審査結果がもたらすもの

2010-11-25 21:28:48 | 名古屋
僕の予想に反して、名古屋市選挙管理員会は市議会リコール署名を不成立と発表した。僕は11月9日に「自分の意思で確かに署名した人が十分いるのに、形式的に瑕疵があるのでと何万人もの署名を無効にしてリコール署名は不成立としたら市民の怒りは爆発する。そうなるは来年の統一地方選挙での跳ね返りがおおきくなって議会側に不利になる」と書いた。だから市議OBの多い市選挙委員会は審査期間の延長により住民投票とリコール選挙の日程を遅くしたことで満足してリコール署名は成立とさせるのがベターのはずである。

選挙管理員会はそれほど馬鹿なのか、と思った。しかし考えてみれば選挙管理員会が審査期間延長の理由としたのは「『受任者名』欄の空欄の数の署名簿が多すぎる。請求代表者以外で署名収集ができるのは受任者だが、受任者が集めたとしたら署名簿の『受任者名』欄に記入が必要」というもの。だから照会文書で自分が確かに署名したが「受任者に署名を求められた」と答えた22,900人分は「収集方法に問題がある」として建前上でも無効にせざるを得なかった。これは市議会と選挙管理委員会にとっては痛しかゆしだろう。不足書名分は12,004人分だから、有権者の意思としてはリコール署名の成立は確かだ。だから来年四月の市議会選挙での跳ね返りが怖いはずである。横井市議会議長は、テレビでのコメントでひたすら「河村さんがかわいそう」というばかりでなんとか市民の怒りの矛先をかわそうとしている。市議会自民党は「市民の意思を尊重して自主解散を目指す」とこれも逃げ腰である。

これに反して前の河村市長のブレーンでけんか分かれした後房雄名古屋大学院教授のブログはかなり悪意に満ちている。ざまあ見ろと言わんばかりに、「規定数に届かなかった以上不成立は当然のこと」と市民目線の政治学者らしからぬ発言だ。無効署名の数が多かったのは主として選管によって無効にされたというべきなのだが、後氏は収集者側の「組織的不正」と言っている。確かに無効署名のうち900余の署名は「署名していない」と回答したものでこれは当然に不正なものだが、これは収集者による不正ではない。一般風潮として署名には家族の名前も当然に書いてしまうことがある。職場にいたとき、よく私立の保育所や高校に子どもを預けている人から署名簿が回ってきた。また組合関連での署名もあった。そんなとき職場の人間は自分の名の他に家族の名前も書いていた。僕は個人の思想は尊重する主義なので自分の名前だけしか書かなかったし、内容によっては署名もしなかったけど。だから署名する人が案に家族の名前を書くことが多いのである。街頭署名の場合2人分続けて書いたなら収集者も気づくけど、別の日にまた通りかかって「そうだ河村ファンだが外出できない父の名前も書いておこう」と書いたのなら収集者はどうにもできない。だから後氏が「組織的不正」と発言するのは常軌を逸している。

元々ユーロ・コミュニズムにしろコミュニスト系列の後氏が、自由主義系列と思われる河村氏のブレーンになること自体が間違いだった。民主党系の学者だから民主党の代議士からの転身の河村市長のブレーンと大かた民主党首脳部か仲介して河村市長につけたのであろう。でもミスマッチだったので早晩袂を分かつ運命だった。小さな政府がいいと思っている自由主義者が、公務員の待遇がいいなら国民全員が公務員になればいいと思っているコミュニストと会う筈がないもの。ちなみに後氏は議員に市幹部をやらせる議院内閣制の地方版の推奨者らしいが、片山総務大臣が言うように議会と首長が癒着してチェック機能が働かなく危険がある。おそらくには民主集中制あるいはロシア革命のソビエトという議決機関が執行機関を兼ねるという発想があるのだろう。

ちょっと誤解のないように言っておくと、僕は公務員の給料が安ければいいと思っているわけでない。もちろん危険の多い全国の漁業従事者の平均年収が公務員のへいきん年収の半分ときくと公務員であることがつらくなるし、阿久根市長のいう「市内の新築の家をたてているのは公務員だけ」という発言についても正しい社会の在り方ではないと思うが、僕の考えは2009年4月16日に「市職員の給料考」書いたように高い安いが問題ではない。そのとき書いたのは「したがって市職員の給与についてそれが世間の被雇用者全体の水準より高いならば、それだけの効用を市民に返せていることが絶対必要条件だ。」ということだ。

ところで後氏は今度民主党が擁立して県知事選挙にでる元愛知県総務部長の御園氏のブレーンになるそうだ。保守的な愛知県政の中枢にいたがご都合主義的に今回民主党にすり寄った御園氏と後氏のコンビは会うのだろうか。御園氏のうしろ(後)についたのは守護霊か疫病神なのか。

きのうハリー・ポッターを見に映画館にいったところ、ロビーで中高年の婦人2人が大村候補の話をしていた。河村市長が応援するから大村候補に投票しようかしらと言う話。市職員の間と市民間の間では様子が全く違うので市職員は状況を誤りやすい。支持団体の構成員の多数が河村支持になっている公明党や後援会からの反応がある自民党はすでに政治のリアリティに気がつき始めている。民主党も遅ればせながら不安になってきているが対応能力が低い。一番政治リアリティに乏しいのは政治学者の後教授であろう。

そんなわけで、民主党の対応能力の低さからみて、そして今回の選挙管理委員会の決定が河村陣営の大村氏にエネルギーを与えることを考えると、愛知県知事選の当落予想は、本命大村、対抗重徳、穴御園、以下は前回通りとしよう。

愛知県知事選挙大混戦

2010-11-20 22:12:37 | 名古屋
最近の名古屋市議会のビックリは、市議会自民党が10%減税の恒久化を条件付きで認めるとともに市議会解散署名審査の結果に関わらず市議会の自主解散を目指し他党派にも呼び掛けるとしたことだ。これは署名で示された民意を無視できないためという。

でも僕の見るところでは、市議会側の選挙管理委員会を使った姑息な作戦が、河村サポーターズの激しい憤りを呼び出して、皮肉にも河村支持者に選挙で復讐するエネルギーを与えてしまったからだ。自民党は遅かれ早かれ来年初めに行われる市議会選挙での落とす主標的になることを避けようとしたのだ。すでに公明党が議員報酬半減化に賛成を表明して反河村戦線から離脱し始めている。自主解散といっても4分の3の出席で5分の4の賛成が必要なので自民党だけが賛成しても可決しないし、可決したところで4月の任期切れ選挙か3月のリコール選挙がさらに1・2カ月だけ早くなるだけなので議員稼業にはあまり影響がない。むしろここは頑なな利権擁護者とみられることは避けた方がよい、との判断だろう。他方市議会民主党はマニフェストで減税反対を表明しており、支持団体に自治労(名古屋市では自治労名古屋)があるので方向転換ができない。だから梯子を下ろされた形だ。

僕は定数の関係から河村支持者が市議会で過半数を取ることは難しいと思っていたが。選挙管理員会が河村サポーター勝利のジグソーパズルの欠けた最後の1ピースを作ってくれたと思う。

ところで話は変わるが、河村名古屋市長が来年2月の愛知県知事選挙に、自民党の大村秀章代議士に出馬を要請して、大村氏も出馬する意向を表明したので愛知県知事選挙は大混戦になる模様だ。すでに愛知県知事選挙には、旧自治省出身で元愛知県総務部長の御園慎一郎氏、おなじく旧自治省の出身となるが元総務省官房審議官の重徳和彦氏、そして医師で大学教授の薬師寺道代氏が出馬を表明している。民主党が御園氏、自民党が重徳氏、みんなの党が薬師寺氏をそれぞれ擁立している。もちろん共産党も候補者を出すだろう。ひょっとしたら幸福実現党も候補者を出すかもしれない。

当落予想を立てるとすると、本命御園、対抗大村、穴重徳、大穴薬師寺で、共産は「党勢拡大をめざす」で、幸福は「独自のたたかい」といったところか。大村氏より重徳氏を不利と見るのは、愛知の自民党は政権を失ってから各種団体の推薦や支持を取る力が格段に落ちたことだ。大村氏はすくなくとも愛知13区では強力な後援会組織を持っているし、名古屋市内だけでなく東海地方全般にある河村人気もバックアップするかもしれない。また知名度は全候補者中で一番高いだろう。また選挙戦に入れば、大村氏と御園氏の戦いの様相がはっきりしてくると、県内の反河村勢力が重徳氏を捨てて全精力を御園氏に回すのは明らかだ。

みんなの党は、参議院選挙時には支持率も上がり躍進した。その後民主党政権の不手際が目立ったためさらに躍進しそうだが、逆に国民が官僚支配打破に諦めと無力感をもってしまったため勢いが落ちている。そこでみんなの党の渡辺代表が愛知県知事選で河村市長と提携して党勢のカンフル剤にしようとしたが、河村市長は乗り気ではなかった。河村市長は大村氏の県知事選擁立を考えていたのだ。

河村市長は元民主党の代議士で大村氏は自民党の代議士、だからこの二人の関係に意外さを感じる人は多いだろう。でも以前からつながりはあったのだ。1999年ごろ名古屋市港区と隣の飛島村にまたがる藤前干潟をごみ埋め立て処分場にしようとした名古屋市の計画を、環境省の役人から相談を受けた河村氏(当時衆議院議員)は、新幹線の車中で会った同じく愛知県選出の大村氏に藤前干潟について話したところ埋め立て反対で意見が一致したという。でもまあ藤前干潟が保全されたのは2人の力より、市民と環境省の役人の力が大きかった。僕のみるところ河村氏は環境保全の環境に興味があるというよりも何かを保全することに意義を感じる人みたいだ。だって彼の母校の旭丘高校が建て替えで壊されようとしたとき校門に体を縛りつけて反対したもの。

ちょっと話はそれるけど、藤前干潟の保全のため環境省の課長が単身で名古屋市役所に乗り込んできたのが市民運動とともに大きな力となった。国の役人でもまともな人のだと思いたいけど、素直でない僕はちょっと気になる点がある。というのはその前年に「諫早湾干拓事業に介入できないで国民の批判をあびた」から藤前干潟では頑張ったとウィキペディアに書いてあった。諫早湾は国が関与する事業だ。もし環境省なり他の省庁の役人が、その事業の環境評価なり経済的必要性の事前評価に誤りがあるのではと指摘したら、指摘された役人はよいことを教えてくれて助かったと喜ぶだろうか。そうではないはずだ。「国会や住民に報告した数字は出まかせで、本当の目的は別にあることは判っているはずなのに、余分なことを言いやがって。役人同士は相身互いなのに、他人の利権に介入するとは役人の風上にも置けないやつだ」ということになるのは明明白白だ。だから国の事業には介入できないししないが、名古屋市役所の単独事業は介入できるわけだ。

話は戻るが、大村議員はよくテレビに出ていたよね。一般にテレビに露出度が多い国会議員は選挙に強いという。だから出ていたのだと思うけど、大村議員の場合、批判のおおかった厚生労働省の副大臣なのだからテレビにでても防戦しなければならないのだからイメージアップにはあまりならない。またテレビ映りがいい男ぶりとは思えない。それなのによくテレビに出ていたのは厚生労働副大臣という立場の使命感かな。それともやっぱり選挙に有利と思っていたのかな。たしかに民主王国の愛知県でただ一人の自民党の衆議院議員だから選挙に役立っているのかもしれない。

ところで大村議員のテレビ出演と言えば、2009年元日早朝の『朝まで生テレビ!』だ。田原総一朗氏司会の討論番組だけど、そこには大村秀章氏のほかに名古屋市職員出身の哲学者の小川仁志氏も他の多くの参加者と一緒に出ていた。小川氏は「カントは・・」なんて哲学者らしいが、この討論にはやや場違いな発言をしていたが、大村氏とのやり取りで記憶に残っているのは、小川氏が大村氏に「大村さん、生きるってどういうことですか言ってください」なんて言っていた。もちろん大村氏の発言に「生きる」といという言葉があったわけではない。小川氏の戦術として、大村氏が答えられない(答えない)を見越して、そのあと自説を述べてこの討論のテーマの雇用と貧困の問題について論議を展開していこうとしたのだ。当然だが大村氏は「この人は何を言っているのだ」という顔をしてこの質問を無視した。僕は見ていて、もし大村氏が「生きるとは愛することです」なんて言ったら、小川氏はどんな顔をしたのだろうかと思った。ちなみに「生きることは愛すること」というのはある歌の歌詞にあった。

おっと忘れるところだった。今度の愛知知事選のもう一つの見ものは、立候補予定者の旧自治省出身者が2名もいることだ。昔ならこれは考えられないだろう。ふつう自治省出身の首長は引退するとき、後継者に自治省出身者を指名して代々引き継ぐ。旧自治省というのは小さな省庁だが、1種試験合格者の人気が高い有力省庁なのは、末は知事とか市長になれるからだ。だから自治省が健在ならば自治省出身者が争うなんてことはなかっただろう。愛知県の場合、戦後すぐの知事は、戦前の官選知事からの桑原幹根氏で、その後は仲谷義明氏でその後は鈴木礼治氏。仲谷氏も鈴木氏も自治省出身で後継者含みとして愛知県庁へ出向して両者とも教育長をやっていた。しかし反中央(江戸・東京)の意識がある愛知なので、仲谷氏は愛知県出身、鈴木氏は三重県出身だが名古屋大学出身ということで地元人として知事になれた。鈴木氏のあとは、鈴木氏が「御園さんにやってもらえたらいいな」なんて当時総務部長だった御園氏を後継指名したのだが、自民党が御園氏を担ごうとしたら民主党が一宮市長の現知事の神田氏を推したので、自民党は御園氏を担げなかった。今回と反対だね。御園氏は前回のときに自民党の非力をしったので、今回は初めから民主党にすり寄って民主党のマニフェストで戦うなんて言ってしまったので、自民党は相乗りできなくなった。

ところで重徳氏は河村市長を訪問して河村市長を持ち上げるも、河村市長は「わしは大村さん」と言われてしまう。また自民党へも推薦を断り、自民党もこれを了承して支援はするが推薦候補としない方針。自民隠しともいえるが、僕としては重徳氏が知事になっておおばけする方が、大村氏や薬師寺氏が知事になるより面白い。

名古屋市選管の照会文書とその反論

2010-11-10 15:52:47 | 名古屋
予想通り、僕のところにも区の選挙管理員会から照会文書がきた。やっぱり栄とか名古屋駅前で署名したのは請求代表者の収集分だから当然に「受託者名」欄が空欄になるから、調査対象になるのだろう。そこで調査票を書いて返送する封筒に、次の文書を書いて同封した。調査票の返送先は区の選挙管理員会だが、市の選挙管理委員会の委員長のお願い文書への反論だから市の選挙管理委員長あてとした。市の事務上、必ず市の選管へ回るはずである。

名古屋市選挙管理委員会
委員長 伊 藤 年 一 様

                               署名をした一市民

 「署名に関する調査へのご協力のお願いについて」について


 本日、居住している区の選挙管理委員会より表記の文書と調査票が郵送されてきましたので、同封の封筒にて回答した調査票を送付します。

 しかしながら、「署名に関する調査へのご協力のお願いについて」に書かれている内容には実状を反映しない的外れな認識に基づいています。またその的外れな認識に基づいて法に定められた審査機関を1カ月延長したことは、その結果が署名目的に実質的な影響を与えることを考えれば、明らかに瑕疵のある行為です。
 
 文書の中に「・・・推計で1人あたら約1万1千4百筆を収集したこととなり、対面による署名収集方式のもとで、この数値が現実的に可能なものかどうか疑義が存するといわざるを得ません。」と書いてあってこれが今回の調査の最大の根拠だと思います。また調査票の項目の文面でも「問2 あなたは、どのように署名を求められましたか。・・」「1 街頭で対面により求められた・・」と書いてあります。これはすべて、署名は請求代表者又は受任者から一人一人に声をかけて求めるという前提に立っています。求められず自主的に署名した者には回答が不能になります。

 私の場合、署名期間の最終週は区内でも署名場所がよくみられるようになりましたが、署名期間の半ばまではほとんど区内では見当たりません。また戸別の訪問もなかったです。ですから私は栄に行き署名場所を見つけて、こちらから声をかけて住んでいる区の署名簿に署名しました。係の女のかたが拇印をと言われましたがもちろん印鑑を用意していましたので押印しました。

多くの方も同じようだと思います。たしかに通常の特定の署名は求められなければなかなか自身から署名しないと思います。しかしながら今回の市議会リコールの署名と市民の関係は違います。なかなか待ちきれないで自分から署名に言った方はかなりの数お見えになるはずです。栄や名古屋駅前の署名場所では、請求代表者が声を一人一人に声をかけるまもなく署名が次々と行われたはずです。ですから現実に署名に行ったものから見ればあの数は不思議でもなんでもありません。

 市選挙管理委員会では、署名は求められて義理とかなりゆきでするものしかありえず、市民が自主的にする署名はあり得ないと思っているのですか?現実の署名活動の流れをみれば、「疑義が存する」という言葉は出てこないと思います。
                                                    以上

名古屋の変

2010-11-09 21:08:20 | 名古屋
10月2日のこのブログで「赤穂事件や桜田門外事件では鉄砲は出てこないが」と書いたが、昨日映画の『桜田門外の変』を見たところ、井伊大老の襲撃場面で、なんと拳銃が使われていた。ほら、回転式の、高杉晋作が坂本竜馬にあげたものと同じような拳銃だった。これも広義の鉄砲には違いない。でも普通の鉄砲と違い大きくないから、簡単に隠して関所を通過でき江戸府内に持ち込めるわけだ。映画の原作は吉村昭だから、原作通りなら事実なのであろう。でも攘夷派の水戸藩士が、外国製のハイテク兵器を使うのだから面白いね。そうそうこの映画の水戸老公の徳川斉昭はごりごりの攘夷論者とは違って、「開国は止められない」「(大砲を作るための)反射炉はどうなっている」なんて言っていたので、「あれ!」と思った。

ところで名古屋では先週の金曜日から、市議会リコール署名簿の「受託者名」欄が空欄の署名簿に署名した人に、署名状況の照会文書を発送し始めた。署名簿の有効無効の判定は各区選挙委員会の権限だが、市選挙管理委員会が全市の取り扱い基準を決めたので各区の選挙管理委員会がそれぞれ文書を発送するのだ。金曜日には3つの区が出したらしい。順次すべての区で文書が送られる。僕のところにも来るかな?だって僕は、栄の署名場所で署名したもの。女の人がいたような記憶があるが、栄の収集場所では請求代表者が収集した可能性が高い。そうすると当然に「受託者名」欄が空欄のはずだから。

市の選挙管理委員会は「受託者名」欄の空欄の署名簿が多すぎるという。でもさ、僕が栄で署名したのは、収集期間の後半まで住んでいる区内での収集場所が見つからなかったからだ。もちろん署名を求めての戸別訪問もなかった。終り頃になってやっと区内の何か所で署名場所がみられるようになった。だから気のある人は、栄や名古屋駅前などで署名を行いに行った人はかなりいるはず。だから「受託者名」欄の空欄の署名簿が多すぎるというのは言いがかりだよ。それから「喫茶店に署名簿が置かれていた」と選管に通報した人がいる。でもさ、喫茶店主が受託者の場合、なじみ客でもいろんな意見があるので、「署名してよ」なんて言えないよね。賛同する人はどうぞと置いておくのが名古屋の風土に合っているよ。

ところで先日の麻雀のとき、僕が栄で署名したといったら、他のメンバー(全員現役市職員)はビックリしていた。僕だって市債を発行しながら減税というのはおかしいと思う。でも大都市で議員のボランティア化は必要だと思う。もうすぐ国も全国の自治体も財政破綻に陥るので、その時の日本再生のためのひな型を作っておくことは重要なことだよ。

麻雀のとき、財政破綻になったら公務員の給与は4~5割カットぐらいになるだろう。でも退職者の僕としては共済年金だけは減らさないでほしいと冗談をいった。でも諸外国の例からみると財政破綻以前に財政再建策として年金から減らされる。おお怖。

話はもどると、前にも書いたけど、この照会文書でリコール署名が不成立にはならない。署名期間中に、自分の意思で確かに署名した人が十分いるのに、形式的に瑕疵があるのでと何万人もの署名を無効にしてリコール署名は不成立としたら市民の怒りは爆発する。そうなるは来年の統一地方選挙での跳ね返りがおおきくなって議会側に不利になる。だからリコール署名は成立だが、市議会の解散は任期満了近くであまり意味がないという風に持ってくのが市議のOBの多い市選管の落とし所だ。

今日の中日新聞によると、市議会公明党が議員報酬半減も受け入れる方向だと。リコール署名で示された市民の意見を無視できないとのことだ。僕は前に、市議会選挙になっても今の定数割では河村市長支持者が過半数を取ることは難しいから、池田大作氏に直訴して名古屋だけでも市議会ボランティア化に賛成させて議会改革のハードルを低くさせるという秘策を半分冗談で書いたが、公明党は割と柔軟で市民世論に敏感だ。

でもう一つの庶民の党の共産党はどうか。議員報酬半減も定数半減もどちらもだめだろう。議員報酬の半減化は、たぶんいまでも議員報酬の半分は党に吸い上げられているだろう。なら賛成かと言うと、そうではないと思う。その地域(県?市?区?)の党機関の職員の給料が払えなくなるかも知れない。以前インターネット週刊誌などで読んだけど、共産党って中央集権政党なのに、地方組織の職員の給料は地方組織で捻出するらしい。それで地方組織によっては職員の給料の遅配欠配が頻発したらしい。今は改善されているかもしれないけど、党員の高齢化や機関紙の減少から財政問題は苦しいのではないか。また議員定数については、共産党は増加を要求するほどで削減などは絶対に受け付けないだろう。理由は市民の多様な意見を組みとるためだそうだ。でも僕のみるところ、共産党は限界集落ならぬ限界政党になっているからだ。つまり今いる議員も維持するのがぎりぎりで、ほっといても得票数が減少気味なのに、定数削減するとたちまち多くの議員が消滅するからだ。

名古屋市議会リコール書名審査期間延長

2010-10-23 19:51:16 | 名古屋
前回一部の市議が、市長不信任決議による解散も考えていると書いたが、あれは間違いであった。一部の市議が考えていたのは自主解散であった。考えてみれば作戦上はこのほうが有利だ。市議会選挙と市長選挙が同時に行われる場合は、市議側に有利な作戦は肩透かしだ。市長の対立候補を立てなければ河村市長の目論む盛り上がりを幾分阻むことができるからだ。不信任決議をすると市議側も立場上対立候補を立てなければならなくなるので肩透かし作戦は取れなくなる。まあ共産党は市長候補を立てるから無投票にはならないけどね。

ところで名古屋市選挙管理委員会は市議会リコール署名の審査期限を10月24日から1カ月延長するという。理由は署名簿の「受任者名」欄の未記入が多数あったこと。署名は定まった区の受任者が署名者と対面して署名を集めなければ無効である。勿論、10人いる請求代表者が集めた署名簿なら受任者でなく委任者なのだから「受任者名」が空欄でも当たり前である。よって「受任者名」が空欄でも、即無効というわけではない。しかし「受任者欄」が未記入のものが署名人数にして114,000人分あるので、それがすべて請求代表者の集めた者とは考えにくいため、審査期間を1カ月間延長して、署名者に手紙で署名状況を照会するという。

市の選挙管理員会で正式に延長決めたのは10月21日だが19日ごろにはマスコミに延長を検討していることが流れていた。でもそれより前に延長の情報は市の関係機関に流れていたと思う。というのは16日(土)と17日(日)に僕は市の現役職員と泊りがけで麻雀をやった。そのとき某区で署名審査の事務手伝いをしている職員が、照会の手紙を出すことになるという。その時僕は、「同じ筆跡と思われる家族の名前が書いてあるのを署名したかどうか確認するのか?」と聞いたら、「そうだ」という。理由は違うが、たとえ週明け月曜日(18日)にすぐ手紙をだしたとしても24日までに結果を出すことは不可能だから、すでに15日以前に延長は決まっていたことになる。

署名者数は465,594名で、「受任者名」欄空欄による署名数は114,000名。差し引き351,594名は全部有効か。仮に有効とすると必要署名数は365,795名だから、14,201名の有効が確認できれば成立する。これぐらいならば代表請求者による分は十分ありうる。しかし受任者名に記入があったものでも、重複や記入誤りなど無効の者がかなりのはずだからそうはいかないだろう。問題は請求代表者によるものでもないことがはっきりしたが、本人がきちんと署名したことがあきらかな場合だ。照会文書がどのような内容になるかはわからないが、それで本人が署名した事実が確認される内容ならば、必要数の有権者が署名していることが明らかなのに、無効署名だといって、リコール署名を不成立にすることができるかだ。これはできないぞ。市民感情を逆なでにして、議会側にはかえって大きなマイナスとなる。

たぶん僕の予想では、リコール署名は成立する。市選管は住民投票と市議会議員選挙を遅らせて、県知事選挙とのトリプルを防ぎ、市議会の本来の任期(3月)に近づけててリコールをあまり意味のないものにしたということで、市議会をなだめたのであろう。